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【後日談】 その3 ☆ジオルド視点
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妹の爆弾発言で、父上は精神的にかなりのダメージを負ったみたいだ。
「天真爛漫」は罪だな。
でも、父上が妹ミレーヌを溺愛するのも、結局はミレーヌが母上に似ているからなんじゃないかな?
僕のことも小さい頃からとても可愛がってくれて、たくさん遊んでくれたけど、他人から
「殿下は本当に子煩悩でいらっしゃいますね」
と言われると、父上は必ず
「俺とカトリーヌの子だからな!」
と嬉しそうに言っていた。
要するに父上は母上が大好きなんだと思う。
そう思っていたのに……
僕は偶然、聞いてしまった。
「夏の宮」の使用人が東庭でおしゃべりしていたんだ。
「ご結婚前にハロルド殿下がカトリーヌ様に暴力を振るって『暴力王子』って言われてたこと、今の若い使用人は知らないのよ」
「あー、あの時はカトリーヌ様が修道院に逃げ込まれたんだっけ?」
「違う違う。それは結局デマで、本当は地方で療養されたのよ。心身ともに傷ついてしまわれて」
「そうだったわね」
「今のお二人からは想像もできないわね」
「若い使用人に話しても信じてくれなかったもの」
「無理もないわ。今のハロルド殿下はカトリーヌ様のことをすごく大事にされてるし、お子様たちのことも可愛がられて……私は殿下が10代の頃からお仕えしてるけど、本当に変わられたもの」
「『暴力王子』がいつの間にか『理想の旦那様』って言われてるんだものね。びっくりだわ」
「私達も歳を取るはずね」
「あはは、ホントにね」
……嘘だろ……
父上が母上に暴力? 「暴力王子」って言われてた?
あり得ないだろ? 絶対に何かの間違いだ!
結婚前って言ってたな? 僕が今12歳だから13年以上前の話か……いやいやいや、それでもあり得ない。
あの父上が母上に手を上げるなんて想像も出来ない。
きっと何かの間違いだ。そうに違いない。
父上と母上をそっと観察してみる。
ん? まただ。父上は相変わらず母上に隙あらばキスを落とす。
僕にとっては産まれた時からの光景だから当たり前のことのように思っていたけど、世間ではこういう状態を「ラブラブ」と言うらしい。最近知った。
やっぱり嘘だ。こんな父上が母上に暴力を振るうなんて考えられない。
「ジオルド、お前んちはいいな。いつも”夏の宮”は平和そうだな」
僕より4つ年上で16歳になる従兄が言う。彼は王太子殿下の長男だ。つまり未来の国王陛下。
「どうかされたんですか?」
「また父上が”愛妾”を増やしたんだ。母上が超不機嫌で”春の宮”は今、険悪な雰囲気なんだよ」
「また増えたんですか……多いですね」
「多過ぎだ。男の俺でさえやり過ぎだろって思うからな。母上はそりゃ機嫌も悪くなるさ」
「そうですね……」
「ハロルド叔父上は相変わらず側妃も愛妾も一人もいないんだろ?」
「うちの父上は母上にぞっこんなんですよ」
「小さい頃は俺はハロルド叔父上が怖かったけどな。あの人は自分の妻と子供は大切にするんだよなー」
「あれは王子が僕のおもちゃを取り上げて泣かしたから豹変しちゃったんですよ」
「だからって、いい大人が幼児にマジギレするか? あれは怖かった!」
「ははははは」
「笑うな! マジで恐ろしかったんだぞ!」
母上がソファーに座って刺繍をしている。
すると父上がやってきて、母上の肩を抱いて髪の毛に口付ける。
「ハロルド様、針を持っている時は危のうございます。やめてくださいませ」
母上がツンとする。
「カトリーヌ、じゃあ針を置いて」
母上の持っている針を取り上げてテーブルの上の針山に戻すと、母上の頬に両手を添えて口付けをする父上……
僕の存在、目に入ってますよね。
もう幼児じゃないんですよ。思春期の入り口なんですけど……気にしないんですね。そうですか、二人の世界ってやつですね。僕はそっと部屋を出た。
自室に戻った僕は呟く。
「やっぱりあり得ない。父上が母上に暴力を振るうなんて。きっと何かの間違いだ」
そう、あり得ない。
婚約者のマリーだって言っていた。
「ジオルド様のご両親が憧れですの。私もジオルド様とあのように仲睦まじい夫婦になりたいですわ」って。
顔を赤くしながらそう言って……可愛かったなー。
僕のマリーは本当に可愛い!
マリーにキスしたいな。
まだしちゃダメかな? でも婚約者なんだし……
今度、父上に相談してみよーっと!
翌日、父上に相談したら、
「結婚するまでダメだ!」
と即答だった。
「俺は結婚するまでキスどころか、ダンスの時以外カトリーヌの手さえ握ったことがなかったんだぞ」
意外だ! 父上は真面目なんだな。
「ジオルド。お前、キス云々以前にマリーに優しくしてるか? 好きならちゃんと言葉と態度で伝えろよ」
「でも……照れくさいし……」
「俺はそれをちゃんと伝えられなくて、でもカトリーヌにこっちを向いてほしくて意地悪ばっかりして嫌われてたんだ。お前はそういう失敗はするなよ!」
「母上は父上のことが嫌いだったんですか!?」
僕は驚いた。
「俺は全然優しくなくて、カトリーヌに酷いことばかり言っていたからな。自業自得だ」
信じられない! 僕は父上と母上の仲睦まじい様子しか知らないから。
「とにかく。好きな女には優しくしろ。素直に気持ちを伝えろ。キスをするしないよりも、まず大切なことだ!」
やたらと力を込めて言う父上に気圧される。
「は、はい。わかりました」
父上のアドバイスに従って自分の気持ちを素直に言葉にしてみたら、びっくりするくらいマリーとの距離が縮まった。最初は恥ずかしかったけど、マリーも嬉しそうだし勇気を出して良かった。
「僕の可愛いマリー。大好きだよ」
「わ、私もジオルド様をお慕いしております」
ありがとうございます! 父上!
でもやっぱり僕はマリーにキスしたい!
結婚するまで待てそうにない……
父上はよく結婚まで我慢できたな~。
あ、もしかして我慢した反動で、隙あらば母上にキスするようになったのかな?
「ねえ、マリー。僕がキスしたら怒る?」
マリーが真っ赤になって固まってしまった。
うーん、固まってる女の子にしちゃダメだよね。
「ごめんね、マリー。無理にしたりしないから怖がらないで」
女の子には優しくしないと嫌われる。
父上の教えを思い出し、ここは我慢だ!
マリーが潤んだ目で僕を見つめる。
「怒ったりしません。ジオルド様なら嫌ではありません」
えーっ? いいの? ホントに?
「マリー、目を閉じて……」
うわー、緊張する!!
えーっと、えーっと、父上が母上にするように優しく……
う、上手く出来たかな?
「マリー、ずっと大切にするからね」
「ジオルド様……嬉しい……」
あー、幸せだ!
僕の従者が父上に言い付けたらしく、僕はその晩、父上にこっぴどく叱られた。
「天真爛漫」は罪だな。
でも、父上が妹ミレーヌを溺愛するのも、結局はミレーヌが母上に似ているからなんじゃないかな?
僕のことも小さい頃からとても可愛がってくれて、たくさん遊んでくれたけど、他人から
「殿下は本当に子煩悩でいらっしゃいますね」
と言われると、父上は必ず
「俺とカトリーヌの子だからな!」
と嬉しそうに言っていた。
要するに父上は母上が大好きなんだと思う。
そう思っていたのに……
僕は偶然、聞いてしまった。
「夏の宮」の使用人が東庭でおしゃべりしていたんだ。
「ご結婚前にハロルド殿下がカトリーヌ様に暴力を振るって『暴力王子』って言われてたこと、今の若い使用人は知らないのよ」
「あー、あの時はカトリーヌ様が修道院に逃げ込まれたんだっけ?」
「違う違う。それは結局デマで、本当は地方で療養されたのよ。心身ともに傷ついてしまわれて」
「そうだったわね」
「今のお二人からは想像もできないわね」
「若い使用人に話しても信じてくれなかったもの」
「無理もないわ。今のハロルド殿下はカトリーヌ様のことをすごく大事にされてるし、お子様たちのことも可愛がられて……私は殿下が10代の頃からお仕えしてるけど、本当に変わられたもの」
「『暴力王子』がいつの間にか『理想の旦那様』って言われてるんだものね。びっくりだわ」
「私達も歳を取るはずね」
「あはは、ホントにね」
……嘘だろ……
父上が母上に暴力? 「暴力王子」って言われてた?
あり得ないだろ? 絶対に何かの間違いだ!
結婚前って言ってたな? 僕が今12歳だから13年以上前の話か……いやいやいや、それでもあり得ない。
あの父上が母上に手を上げるなんて想像も出来ない。
きっと何かの間違いだ。そうに違いない。
父上と母上をそっと観察してみる。
ん? まただ。父上は相変わらず母上に隙あらばキスを落とす。
僕にとっては産まれた時からの光景だから当たり前のことのように思っていたけど、世間ではこういう状態を「ラブラブ」と言うらしい。最近知った。
やっぱり嘘だ。こんな父上が母上に暴力を振るうなんて考えられない。
「ジオルド、お前んちはいいな。いつも”夏の宮”は平和そうだな」
僕より4つ年上で16歳になる従兄が言う。彼は王太子殿下の長男だ。つまり未来の国王陛下。
「どうかされたんですか?」
「また父上が”愛妾”を増やしたんだ。母上が超不機嫌で”春の宮”は今、険悪な雰囲気なんだよ」
「また増えたんですか……多いですね」
「多過ぎだ。男の俺でさえやり過ぎだろって思うからな。母上はそりゃ機嫌も悪くなるさ」
「そうですね……」
「ハロルド叔父上は相変わらず側妃も愛妾も一人もいないんだろ?」
「うちの父上は母上にぞっこんなんですよ」
「小さい頃は俺はハロルド叔父上が怖かったけどな。あの人は自分の妻と子供は大切にするんだよなー」
「あれは王子が僕のおもちゃを取り上げて泣かしたから豹変しちゃったんですよ」
「だからって、いい大人が幼児にマジギレするか? あれは怖かった!」
「ははははは」
「笑うな! マジで恐ろしかったんだぞ!」
母上がソファーに座って刺繍をしている。
すると父上がやってきて、母上の肩を抱いて髪の毛に口付ける。
「ハロルド様、針を持っている時は危のうございます。やめてくださいませ」
母上がツンとする。
「カトリーヌ、じゃあ針を置いて」
母上の持っている針を取り上げてテーブルの上の針山に戻すと、母上の頬に両手を添えて口付けをする父上……
僕の存在、目に入ってますよね。
もう幼児じゃないんですよ。思春期の入り口なんですけど……気にしないんですね。そうですか、二人の世界ってやつですね。僕はそっと部屋を出た。
自室に戻った僕は呟く。
「やっぱりあり得ない。父上が母上に暴力を振るうなんて。きっと何かの間違いだ」
そう、あり得ない。
婚約者のマリーだって言っていた。
「ジオルド様のご両親が憧れですの。私もジオルド様とあのように仲睦まじい夫婦になりたいですわ」って。
顔を赤くしながらそう言って……可愛かったなー。
僕のマリーは本当に可愛い!
マリーにキスしたいな。
まだしちゃダメかな? でも婚約者なんだし……
今度、父上に相談してみよーっと!
翌日、父上に相談したら、
「結婚するまでダメだ!」
と即答だった。
「俺は結婚するまでキスどころか、ダンスの時以外カトリーヌの手さえ握ったことがなかったんだぞ」
意外だ! 父上は真面目なんだな。
「ジオルド。お前、キス云々以前にマリーに優しくしてるか? 好きならちゃんと言葉と態度で伝えろよ」
「でも……照れくさいし……」
「俺はそれをちゃんと伝えられなくて、でもカトリーヌにこっちを向いてほしくて意地悪ばっかりして嫌われてたんだ。お前はそういう失敗はするなよ!」
「母上は父上のことが嫌いだったんですか!?」
僕は驚いた。
「俺は全然優しくなくて、カトリーヌに酷いことばかり言っていたからな。自業自得だ」
信じられない! 僕は父上と母上の仲睦まじい様子しか知らないから。
「とにかく。好きな女には優しくしろ。素直に気持ちを伝えろ。キスをするしないよりも、まず大切なことだ!」
やたらと力を込めて言う父上に気圧される。
「は、はい。わかりました」
父上のアドバイスに従って自分の気持ちを素直に言葉にしてみたら、びっくりするくらいマリーとの距離が縮まった。最初は恥ずかしかったけど、マリーも嬉しそうだし勇気を出して良かった。
「僕の可愛いマリー。大好きだよ」
「わ、私もジオルド様をお慕いしております」
ありがとうございます! 父上!
でもやっぱり僕はマリーにキスしたい!
結婚するまで待てそうにない……
父上はよく結婚まで我慢できたな~。
あ、もしかして我慢した反動で、隙あらば母上にキスするようになったのかな?
「ねえ、マリー。僕がキスしたら怒る?」
マリーが真っ赤になって固まってしまった。
うーん、固まってる女の子にしちゃダメだよね。
「ごめんね、マリー。無理にしたりしないから怖がらないで」
女の子には優しくしないと嫌われる。
父上の教えを思い出し、ここは我慢だ!
マリーが潤んだ目で僕を見つめる。
「怒ったりしません。ジオルド様なら嫌ではありません」
えーっ? いいの? ホントに?
「マリー、目を閉じて……」
うわー、緊張する!!
えーっと、えーっと、父上が母上にするように優しく……
う、上手く出来たかな?
「マリー、ずっと大切にするからね」
「ジオルド様……嬉しい……」
あー、幸せだ!
僕の従者が父上に言い付けたらしく、僕はその晩、父上にこっぴどく叱られた。
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