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第七章 師弟の絆
第174話 バイモンの考察
しおりを挟む「おい!痛えーな!そのデカい手を
どけろ!」
『我龍転生(がりゅうてんせい)』
龍を象った黒い鎧騎士となり力を強化、
無理やり手を引き離し、アスモデウスを
ぶん投げる。
グルグルと回りながら着地すると、
腕をムチの様に伸ばし攻撃してくる。
それを俺は躱しながら、
『点撃 散らし墨』で応戦、しかし思いの外
機動力が高くなかなか当たらない。
「猿みたいな動きしやがって~
ここは風太に任せよう」
風太が風に巻かれ現れる。
「なんだ、このバランスの悪い化け物は?」
「説明は後でな、今はこいつを倒すの
手伝ってくれ」
「それは良いが、どうやって倒す?」
「風太はあいつを止めてくれ、
俺はその隙を狙って倒す」
「なんか大雑把な作戦だな~
これは俺が面倒臭いだけじゃないか?」
「文句言うなよ!頼りにしてるぜ風太」
「仕方ないやつだな~」
風太は巨大化し風のように駆ける。
「ドン」っと勢い良く衝突すると
アスモデウスは腕で風太を止める。
『烈風陣』
風太の周辺に細かい風の斬撃が
吹き荒れる。アスモデウスの身体は
一瞬にして赤く血で染まった。
しかし腕の力は弱まらず倒せて
いない事を風太は悟った。
『風玉』
風太は口から空気を圧縮した玉を放ち
アスモデウスの胸に直撃させ吹き飛ばす。
『言っておくがまだ攻撃は終わって
いないぞ!
『風陣』いけー」
アスモデウスが壁に衝突した直後、
風の結界に封じられ動くことが出来ない。
「ほれ、お膳立てはしてやった
思いっきりやれ蒼字(そうじ)」
俺は大きく弧を描く様に飛び上がり、
アスモデウスを斬り裂く。
『斬魔白華印(ざんまはっかいん)』
アスモデウスの顔には余裕を
感じさせる笑みの様なものが見える。
「再生すると思っているようだが、
そうはいかない!魔を滅ぼす聖なる斬撃、
再生以上の浸食でお前を消し去る。
残念だったな~」
徐々に身体が朽ちていく姿を見て
アスモデウスは助けを求めるように鳴くが、
俺はもちろんの事バイモンにも届く事は
なかった。
「風太次だ!もう一人の方はなんか
ヤバそうだから気を引き締めていこう」
「あ~分かった!」
俺と風太はアスモデウスを倒し
次の戦場に向かう。
◆スティンの視点
私とヒナは距離を置き回避に
専念していた。バイモンに一撃
喰らわす事には成功したが、その攻撃
は魔力の消費が激しく多用出来ない。
事実上手詰まりの状態、今は他に
あの結界を抜けてあいつに致命傷を
与える方法を考えながら逃げていた。
「どうしました?さっきまでの勢いが
ありませんが、疲れたなら休まれますか」
「はぁ!冗談もほどほどにしな、
今は準備運動中さ、そろそろお前さんを
すり潰してやるさ~」
ヒナのさっきの攻撃で分かった
ことが二つ、一つは反射結界を
上回る速度で攻撃をあれば威力は落ちるか
もしれないが当てることは出来る。
それともう一つそれは……そもそも魔法
じゃなく実弾であれば反射出来ないって
事さ~
「爆炎の炎よ集まれ、
衝撃で貫く一筋の光………
………『バーンショット』
銃身が赤く光、内部で爆発し弾丸を
超加速させ一気に結界を貫きバイモンに
当たる。しかし先程の様に倒れることは
なく。平然と立っている。
「スティン、ダメですよ。そんな単純な
考えではもちろん対策済みですよ」
バイモンは素手で弾丸を受け止めていた。
「どうしました。そんな顔をして」
「バイモン、あんたは本当に人間を
辞めたんだね」
私は顔を歪ませ不快な気分になる。
バイモンの腕は人のものでは無く
なっていた。まるでトカゲのように
鱗で覆われていた。
「さっきも言ったけどそんな事に
こだわっている意味なんてないのさ、
この腕はドラゴンの細胞と竜人族の
細胞から作り出した。僕に傷をいれるのは
かなり難しいと思うから気をつけた方が
良い。それにドラゴンだけじゃないよ」
『デビルウイング』
バイモンの背中から羽が生えた!
「この羽はデーモンロードを召喚して
そいつから手に入れた羽、なかなか僕に
適合させるのが難しかったけど、
色々と他の人や動物の細胞を付け根に
継ぎ足すことで安定させる事に
成功しました」
「いちいち説明しなくて良いさ~、
さっさと落ちな!」
私は『バーンショット」を連発、
魔力の消費が多く長くは無理だが
さっきのように受け止めるのは
無理なはずさ~
「この羽の優れているのは、
ほんの僅かではありますが、羽についた
目が見たものの動きを遅くする力てす」
弾丸がみるみる速度を落とし、
その間をバイモンが
余裕を持ってすり抜けていく。
「なんて力だい!でもこっちには
勇者がいるさ~やりな!ヒナ」
陽菜乃(ひなの)の周りに
百を超える銃が浮いていた。
バイモン、私の弟子はお前に
負けないくらい実験が好きで
お前以上に考えるのが好きなのさ~
「イヒヒ、次も当てちゃうから!」
人さし指を立て、バイモンに向ける。
「バーン」……百丁の弾丸が飛んでいく。
「君には少し期待していたのに残念です。
これでどう私に当てるのですか?あ!?」
バイモンの身体に多数の弾丸が
当たっていた。
「ゴフッ……なぜでしょうか、
見えませんでしたが?」
「それが答えだよ!見えなければ遅く
できないんでしょ!だからあなたからは
見えないように工夫しました。
光学迷彩ってやつですね!」
「光学迷彩!!それはなんです!」
バイモンは興味を示す。
血を吐きながら喋るバイモン、
その姿を見てまだ足りないと悟り、
そして気がつく。
「私も覚悟をしようかね」と呟いた。
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