書道が『神級』に昇格!?女神の失敗で異世界転移して竜皇女と商売してたら勇者!聖女!魔王!「次々と現れるので対応してたら世界を救ってました」

銀塊 メウ

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第八章 リルとの別れ……魔王ガルドとの戦い

第232話 アストロンとライドン

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 俺は魔王ガルドに負け、そしてしばらく
拘束の後再洗脳を受けた。弱りきった
俺には抗うすべも無くあっさりと落ちて
しまった。もう俺は俺ではなくなった。

 それから俺は魔王ガルドの命令に
従い隣国に戦争を仕掛けた。どの国も
我ら竜人族に比べれば大したことはない。
村、街、国と滅ぼしていった。
 それが魔王の力を高める事に繋がるから、
そしてより強い力を手にいれるために
命令が下ったのがリルを捉えること。
リルの神に冠するスキルを手にいれる
つもりなのだろう。
 しかし魔王も知れば驚いたと思う。
リルがどこにいるのか知っているにも
関わらず、俺はリルに関しての事は
一切喋らず分からないで通していた事に
それに関してだけは操られていても
守り通していたみたいだ。
覚えていないが………

 しかししばらく経ちとうとうこの日が
来てしまった。リルが見つかって
しまったのだ。リルの捜索部隊が
ライドンさんと一緒に居るリルが
目撃されてしまった。

 もちろん本心ではリルを捉えたいなど
微塵も思ってなどいないのだが、
魔王ガルドの縛りにより心と身体を
操られていた俺は抵抗出来ず、リルを捉え
るため自ら出向いた。

「こちらにリルを渡してもらおうか」
 
 俺は探索部隊の情報をもとに一人で
リルを探し見つけ出した。
 リルはライドンさんと共に各国に
渡り行商人として働いていた。
これはライドンさんの元々の仕事では
あったがリルを補足されないように
一箇所に留まらないようにしていたと
思われる。

「アストロン、お前……ダメだったのか!
お前でも」
 ライドンさんは振り絞るように
苦しそうに言葉を発していた。

「お前は何を言っている?
……俺には分からんな!だがそんなことは
良い、リル、その女を渡せ」

「はぁっ!馬鹿言うなよ!今のお前
なんかに俺の大事な娘を渡すかよ!
どうしても欲しけりゃ~力尽くで来いやー」
 ライドンさんはきっと悲しみ、
そして怒っていたと思う。
自分の力のなさに……

 ライドンさんはリルを下がらせると、

 両脇に携えた小型のハンマーを
手に持ち、それを振り回しハンマーとは
思えない高速の打撃を放つ。
 
 ズーン、ズーン、ズーンと重い衝撃、
俺は腕で受け止めながら、その衝撃に
耐えられず大勢を崩す。

 ライドンさんはハンマーを持つ片腕を
高らかと上げる。

『天昇破断鍾(てんしょうはだんしょう)』
 
 俺の頭上目掛けて振り下ろされた。
 
「ドガーン」
 凄まじい衝撃波が広がり、俺の頭上から
赤い血が額を通り流れる。

「はぁー」
 息を吐きスーッと俺はライドンさんの
腹部に手をあてがう。

『気力玉』
 ボンっと腹で弾けライドンさんは
吹き飛ぶ。
 ゴロゴロゴロと転がりながらも、
ドンッと地面に力強く足をつき
立ち上げる。

『ぺっ、効かね~な!そんなヘタレの
攻撃なんてよ!アストロンよ!お前の力は
こんなもんか!オラもっと思い切り
来いや!」
 
 雄叫びは気迫と共に俺に届く、
でも頭の中に渦巻く魔王の言葉が
俺を捉えて逃がそうとはしない。

 俺は闘気を高め、足に集中し爆発的な
速度でライドンさんに飛んでいった。

「うおぉぉーー」右拳を振り顔面を狙う。
 その攻撃にライドンさんは頭突きで
応戦、さらに左から顔面に拳を振ると
ハンマーデレデレ突き上げられ左腹部が
がら空きになり、もう一つのハンマーが
入った。

「グッ……」俺は痛みに耐える。
直前竜装でガードし
ダメージを最小限に減らす。

「調子に乗るなよ!人間風情が!」
 俺はハンマーの攻撃に耐えきり、
膝蹴りをライドンさんの顎に喰らわし
大きく頭が上がり、そこにさらなる
追撃がされ吹き飛ぶが、またすぐに
立ち上がる。

『暴風乱打』
 ライドンさんは両手のハンマーに
風属性の力が付与され振る度に風圧が
身体にかかり体勢の維持が難しい。
しかしこの程度の速度であれば捌くのは
さほど難しくはない!

 俺はハンマーの乱打を躱しつつ
動きを見極め、ハンマーを竜装を
纏わせた腕で弾き懐に入る。

『竜装正拳』

 俺の拳はライドンさんの胸にめり込み、
血を吐きながら吹き飛び何度も跳ねながら
地面を転がり倒れる。

 今の一撃には確かな手応えがあった。
普通なら立ち上がるのは相当困難だが、
こいつは必ず立ち上がるそう確信を
もっていることに違和感を感じていた。

 その違和感に疑問を持ちつつも
俺はその男にトドメを刺すべく歩み寄る。

「やめて!お願い父さんを殺さないで!」
 俺の前にリルが立ち塞がった。

 俺は激しく動揺していた。
 膝をつき口から血を流す男とそして
必死に俺に立ち向かうリルの姿を見た瞬間、
さっきハンマーで殴られた以上の衝撃と
痛みが走る。頭の中で考えが纏まらない。
 俺は痛みから額に手を置きふらつき
ながら後退する。

「ぐううう……なぜこんなにも頭が
……痛むのだ!」
「アストロン、負けるな!お前はそんなに
弱いやつじゃない。いいか辛くても
守りたい者のために
闘わないといけないんだよ!」

 ライドンさんは俺の前に立つ。

「俺は命令に……従うだけだ
……お前の言葉に……従う
義理はね~」

「確かに俺はお前の親じゃねぇ~しな、
だがダチだとは思ってる。歳は離れて
いるがな、俺はお前を大切に思って
いる。だから助ける。それで良いだろ
アストロン」

 この言葉……昔父上とケンカした時に
言われた言葉、その言葉を聞き俺は
その時すごく安心したし感銘を受けた。
細かいことなんて後で良い、大切なダチが
困っていたら助ける。まずそれから
やろうと、その言葉はその後俺の行動に
大きく影響を与えた。

 こいつは俺を助けようとしているのか?
なんで俺は困っている?苦しんでいる?
悲しくなっている?
俺はどうしちまったんだ?

「うおぉぉぉーーオレはなんなんだーー!」
 俺の中の何かが壊れた気がした。

「アストロンしっかりしろ!」
 両膝を地面につき苦しむ俺に
ライドンさんが駆け寄る。

「頑張れ!あんな魔王なんかに負けるな!
俺もリルもついているぞ!」

 はぁー相変わらず暑苦しい人だ、
頭にガンガンと言葉が響いてくる。
あ~負けてられないよな!
俺は俺の大切な者のために
もう一度立ち上がる。

「………ライドンさん、オレは………」
 俺はこの時、僅かに意識を戻すことが
出来た。でも、もしかしたら戻らない方が
良かったのかも知れない。気がついて
しまった。手に生暖かい感覚があることに、
俺の手はライドンさんの胸を貫いていた。
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