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第八章 リルとの別れ……魔王ガルドとの戦い
第231話 ガルド王との闘い②
しおりを挟む「ガハッ……ゴフッ………ガハッ………ゴフッ……」
俺は動く事が出来ず、倒れる事も
出来ない。まるで生きたサンドバッグの
ように殴り続けられていた。
………俺は負けた。圧倒的な力によって。
……………▽
今から十分前
「うおぉぉーー」
ガルドを囲みながら突撃し攻撃を仕掛ける。
ガルドは目を瞑り気配を探る。
「そんな事をしても無駄だ!」
ルージュの幻術は目に見えるもので
欺くだけではなく脳に影響を及ぼす。
だから五感すべてを疑い闘わなければ
ならないが、そんな事が出来るやつ
などいない!
「ガシン」
俺の拳がガルドの腹部に当たった。
しかし…硬い!竜人族は竜装、
特別頑丈な鱗の装甲瞬時に作り攻撃にも
防御にも使うが、今殴った拳の感触は過去に
記憶にないほど硬い感触であった。
これではどれほどのダメージを
与えられたのか……
「チッ、ならば数を増やすまでよ」
「うおぉぉーー」………「ガン、ガン、ガン」
次々と攻撃が当たっていく。
「はぁ~痛みはないが不快ではある!
不敬だ!控えよ!」
カルドの言葉に身体がビクッと硬直し、
危険と判断し一度離れる。
「チッ……やはり完全には催眠は
解けていないか」
グッと拳を握り締め身体の感覚を
確認する。
「邪魔だな!お前は……『鱗花壇』」
ガルドの身体が淡く光、その光を
よく見ると鱗!鱗はガルドから爆発
するようには飛びルージュに
刺さり壁にルージュを磔にした。
「ルージュ~」
「バカ!私なんか気にしてはダメ!
前を見なさい!」
俺がルージュに向かい一歩足を
踏み込んだところで叱責される。
そうだ!敵から目を反らせるなど
愚の骨頂、まったく相棒は頼りになる。
そして冷静になり違和感に気づく。
「その技はクラウディ隊長のスキルのはず、
なぜあなたが使える。それにその
竜装の硬さ、まさか!?
レシル隊長の『鱗金剛』なのか?」
俺はもしもの可能性を感じ恐怖する。
「ん?知っておったか、お前の力と
違い使い勝手の良いスキルだ!
面白みはないがな、クッ…ハハハ」
「まさか……お前は他人の力を奪う力を
持っているのか!」
俺はほぼ確信してしまったが
それでも聞かずにはいられなかった。
「いや、奪ってはいない。彼らも
我の貴重な戦力しっかりと働いて
貰わねば、我は彼らの力を使わせて
貰っている。新たなユニークスキル
『血族の縛り』によってな。いくつかの
手順を踏む必要があり手に入れるスキルに
も制限があるが、それも我の力がより高ま
ればいずれ無くなるであろう。アストロン、
お前のスキルもいずれ頂こう。光栄に思え」
ぐっ……これが魔王の力か、
だがまだ負けた訳では無い。
「来い!カジン、スイカ、ソウヤ」
俺の周りに3人の精霊が現れる。
カジン、屈強な肉体を持った
半裸の火の精霊
スイカ、スラーっとモデルの様な
美人の水の精霊
ソウヤ、見た目は子供だが鋭い眼光から
は普通の子供とはまったく
違う事がひと目で分かる。
カジンが口からゴオーと高温の
炎を吹き出す。
スイカが手を振り高圧の水を出し
複数の鋭い斬撃を放つ。
ソウヤが周りの空気を圧縮、
それを弾丸にして放つ。
『麟金剛 突角』
ガルドの周りに麟を集中させ三角錐の
形状に変化それをそれぞれはに射出し
攻撃を消し飛ばす。
「問題ない……これだけ接近できれば!」
俺はガルドの側面5メートルまで
近づいていた。
最大限まで腕を後ろに伸ばし闘気を
最大限まで高め右拳に集中、放つは
竜人族奥義の一つ、一点突破の
破壊力、躱させはしない!
「ルージュ!動きを止めろ5秒で良い!」
「分かったわ!最大レベル5の幻術を
喰らいなさい」
『鋼の束縛……アイアン・メイデン』
私の幻術にはレベルが存在し5段階に
分けられる。それは分かりやすく言えば
威力が違いであり効果の違い。例えば
指に針を刺したとする。きっと現実で
あればチクリ、痛いと思う程度で
済むけどこれを最大レベルの5で行うと
グサリ剣で刺されたような痛みを
与える事が出来る。(ちなみにレベル3が
通常レベル)
そして今回は相手を止める束縛力の
効果を高めているのだが、そもそも
この相手に幻術が上手くかけられるの
かも問題だが、攻撃により注意を
引くことができ幻術はかかった。
あとはどれだけ止めて置けるのか。
ガルドは幻術にかかり、
今のアイアン・メイデンの中にいる。
完全な無防備で俺の攻撃が当てられる。
『雲竜破城撃(うんりゅうはじょうげき)』
俺の拳がガルドの腹部にめり込み、
そのまま壁に吹き飛び激突、そのまま
止まったように動かない。
良し!たった一撃だが、
大技を喰らわした。間違いなく
ダメージを負わすことが出来たはず。
俺は心の中で確かな手応えを感じていた。
「いや、まだだ一気に攻める!
カジン、スイカ、ソウヤ、総攻撃だ!」
バシュ………攻撃の指示をした瞬間に、
俺の前に居たガルドが消え、そして
後ろに居た精霊達がかき消えた。
「さすがは我が息子、この私に
これだけの傷を与えるとは天晴なり」
「く、くそ~なぜその身体で動ける」
俺は動揺した。目の前には腹部から
内蔵と背骨が見える程の重症を負って
いるにも関わらず平然と
動いているガルドがいたからだ!
カルドは腹を擦るながら、
「うむ!これだけのダメージを
受けてしまうのではまだまだ力が
足りない。もっと戦火を広げ我の糧と
せねばならん!」
シューと湯気を出しカルドの傷口が
塞がっていく。それを呆然と見るしか
俺にはなかった。
「フッ便利だな。超速再生とスキルだ。
試して見たかったので丁度良かったぞ
アストロン、だかここまでだ流石に
これ以上は息子とはいえ遊んではやれん」
ガルドの傷口が完全に塞がり
俺は絶望する。だが諦めるわけには
いかない。俺には守るべき者たちが
いるんだ!
俺はその思いを糧に力を高める。
「まだやるつもりなら、今度はここか
ここを狙え、流石に再生できないからな」
ガルトは頭に指を指し、その後、
胸つまり心臓を指した。
「挑発のつもりか舐めるな!」
「い~や事実を教えてやっただけだ。
少しでもスリルを楽しもうと思ってな。
クッ……ハハハ」
「笑っていろ!少しでも油断してくれた
ほうが助かるんでな!……ルージュ頼む!」
俺は再びルージュに幻術を命令するが、
何故か反応しない。
「うむ!まだ試す必要がありそうだが、
上手く聞いたようだな!」
「貴様!何をした」俺は激怒しガルドを
睨みつける。
「試した。お前のスキルを」
「な…ん…だと、まさか俺のスキルまで……」
「別段おかしくわなかろう。お前もまた
竜人族であり我が部下であり、息子なの
だからな。ただ実際に見て、聞いて、
そして受けて、さすれば覚えるのは
早くなる。流石になれないスキルゆえに
扱いが難しいなアストロンよ」
そんな……バカな!これではもう手の
打ちようが……
「絶望するには早いぞ!アストロン
……我の新たな力をもう一つ見せよう」
ガルドは両腕をあげ魔力を高め、
その力は徐々に真上に上がり
黒い球体と変わる。
『魔王召喚 ●◇▼○◀△▷⚫』
ガルドが召喚した瞬間俺の意識は
遠のいていき。そして俺は負けた。
そして最後に見えたのは黒い球体の中に
誰かいたこと。そしてその前にひざまずく
ガルドの姿だった。
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