混沌な世界でも僕は平穏を貫きたい所存であります(なりません)

あーひる

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(´⸝⸝>ω(•ω•。`)ぎゅー♡

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「ふん♪ふんー♪ふふふふんー♪ 」
上機嫌に足をぶらぶらしながら窓を見るお母さん。
「まったくもーお母さんっ!今日は学校の説明を聞きに来たんでしょ??
スカウトをしに来たわけじゃないんだよもう!!」
僕は腕をクロスに組みはぁと息つき後ろにより掛かる。
「ふふふっごめんなさいね有能な人材を見つけるとすぐにスカウトしてしまって企業魂が爆発してしまうのよ。
それにしてもあの調子だともう一息で行けそうなのよねぇ...あ、今のかえちゃんかわいいッッッ!」
ま、またの機会に再トライするわそう言うと不敵な笑顔を咳払いするように抑える。
(お母さん全然反省してない...でも西野さんってほんと面白んだよなぁいじりがいがあるというかつい、いじめてしまう。)膨らんだほっぺたを見ながら歓声を上げるお母さんに目を逸らし足を組み替え
 ふと一言呟いた。あ、...いやーーー
 
「この親にしてこの子ありな考えだなぁ。」


結局あの無理やりなスカウトは...無理でした。
まんざらでもない表情でもあったが急な話だったので断るもの無理はない。
とりあえず無事に話し合いも終わり今はタクシーで家に帰っている最中だ。
(受験は受けるなら自分ができる最大限のことをしたいな...あとでお母さんに
過去問とかを買ってもらおーーとっ♫)
真っ赤な夕日が車の窓に透き通り透明な真赭色が顔に当たる。



・  2週間後の受験当日~朝7時~



「よし!大体このくらいで大丈夫かな」
朝五時からの復習を終えペンを置きベットに横たわる。天井を仰ぎ少し喉をこぼす。

「現実世界とあまり範囲変わらなくてよかったな...まぁ変わらないだけで難易度はかなり難しかったけどねっ!」
この2週間は今までで一番濃密な時間だったかもしれない。朝六時に起きてそこから勉強→昼飯→勉強勉強→夕食→お風呂→就寝
たまにランニング。こんなサイクルを2週間やりなんとか全ての範囲の復習を網羅することができた。
他の人が見れば地獄...なのだろう。だがこれを成し遂げられたのは妹とお母さんの二人の協力があってこそだ。苦と思うよりも感謝の念しかない。
(国語・英語・数学の3科目全部の難易度が上がっていたな...偏差値は70以上とかそんくらい?)
 体を伸ばし毛布を手繰り寄せる。
『コンコン』
「かえちゃん起きてるー?朝だよー」
 お母さんの声が聞こえる。
(もう七時か...ご飯が用意ができたのかな。)
「はーい今いくよー」
『ガチャ』ドアを開けた。
リビングに向かうとパンを頬張る秋の姿とコーヒー片手にテレビを見ている二人の姿があった。

「あ、お兄ちゃんおはようよく眠れた?」
「かえちゃん朝ご飯は免疫力アップの卵や味噌汁、ストレスに効果があるヨーグルトとかを用意したからたくさん食べてね!!」
2人はこちらに気づくなり気遣い言葉をかけてくれた。
「ふたりともおはよう!!うん!よく眠れたしテストの復習もばっちしだよ!
 お母さんも毎日ご飯作ってくれてありがとうね!」 
親指を立てぐーのサインを出したあと席に座り朝ご飯を食べる。
 
「今日はお母さん午前は半休取っているから車で学校まで送るね」
「え?大丈夫だよちゃんと1人でもタクシー呼べるyv「いーやーでーす!!!かえちゃんはお母さんの車で行くの!!」
「えぇーじゃあお願いしようかな...ありがとうお母さん」
 えい!っと子供のように駄々をこねるお母さんに呆れたがこの2週間のお礼もかねてハグをする。
「きゃー!///かえちゃんったらー!毎日車で送ってあげる!!」

 

朝ごはんを食べ終え学校に行く準備をする。
 (ハンカチにティッシュに筆箱に絶対必要な受験票もね!あとは...あ、シューズも持って行かないと)
「お兄ちゃん待って!」
 玄関で荷物を整理していると捺希が話しかける。
「ん?どうしたの?」
「私は電車で行くから玄関までだけどその代わりにお兄ちゃんにこれあげるね」
そう言うとスラッとした細い腕から縁が紫色のお守りをもらう。
「ここの神社合格とかを成功を司る神様がいるんだって!!私お賽銭もして絵馬とかも書いたし柴犬みたいな像にもたっっくさん頭ナデナデしたから最強パワーを送るね」
 手をいっぱいに広げたかと思おうと平行移動のように前にそのまま僕めがけ斜めに倒れそうになる捺希を抱きしめる。ギューーー。。。
 ・・・・大体30秒のハグだったかな。心が浄化される。最強パワーでもう無敵状態だ。
「ありがとう...捺希お兄ちゃん頑張ってくるね!!」
「頑張ってねーー!!」少しほっぺたが赤く染まりながら手を振る捺希。
 (うちの妹は可愛すぎるんだが...姉もいいけど妹もやっぱり良いなぁ)
にへっと笑う捺希に手を振りお母さんと玄関に出る。





「妹もお兄ちゃんも立派に育ってもう母は感激です」
ハンカチ2枚を目頭に当てながら片手で運転をする。
「お母さん大げさだよ...」
「そんなことないわよ?それにしても記憶前はかえちゃんは私達に対して冷たいというか淡白な反応だったのにまるで反応が違うわ、なにかきっかけでもあったの?」
こういうのってわかんないけど記憶がなくても嫌悪感が出るものらしいじゃない?
後ろを振り向かずに言う母。
 「...んーやっぱり血のつながった家族だもん!!大切にしなきゃねって思ったんだよ。」
「そうなのねぇでも、まだ記憶がもどらないのね、、」
「まぁでも親としてはどっちのかえちゃんも可愛いいことには変わりないし私の息子なんだから大好きなかんろじかえでなんだから」
 ・・・言ってしまいたいな。
(別に記憶が抜けているだけでなく前の僕とは違う僕と言ってもいい..多分、それを言ったとしても受け入れてくれるだろうだけどそれには
透明な1枚の薄い壁が、距離が、出来てしまう気がする。だから事実を言うことは多分ないと思う。)

「さ、着いたわよ。」
気づけば学校の付近にまで来ていた。
車をおりくるりと振り返りお母さんの方をむく。
「ここまでありがとうね」
「大丈夫かえちゃんならできる今までやった頑張りは決して無駄になんてならないわよ頑張ってね」


『コツコツ』
校門を通ると葉が舞っていたりこすれ合う音もなくもちろん人影はおろか自分の足音しか聞こえない。
ーーーーただただ、しんとしている。
以前訪れたときとは違う。
謎の重みがのしかかるここは特別な場所だと由緒あるところだとそう訴えかけるようだ。

(男の子は女子とは少し時間をずらしてやるからまぁ当然かぁえっとそれで来賓玄関に行って案内してもらうんだっけ...やばいちょっと緊張してきた。)
 少し足がすくむが前にあるきだす。


「甘露寺様ご無沙汰しております。」
来賓玄関には西野さんが立っておりこちらに気づき挨拶をした。
一気に前回の事がフラッシュバックし罪悪感が湧いてしまう。
「西野さん!!お久しぶりですこの前はうちの母が大変失礼なことをしてしまい申し訳ありませんでした..!」
深々とお辞儀し誠意を見せる。

「...ッッ!!今私の名前にビックリマークがついて... いやそれよりも名前を覚えてくれて...!!!ゴチョゴチョ」
「???えーと...西野さん大丈夫ですか??」
「あ、ふぉふぁいっ!!スイマセン大丈夫です。えっとでは、甘露寺くんが受けるテスト部屋に案内しますね」
謝罪を受け取ってくれたのかは微妙だがとりあえずよしとしよう。
「この部屋でテストを受けてもらいます」 


てっきり教室で受けるものだと思っていたが個室の来客用の部屋に案内された。
「試験監督が来るまで復習などをして待機していてくださいね。」
失礼しますそう言うと出ていき一人の状況になってしまった。
(とりあえず復習するか1時間目は国語ねやってやるぞ)
筆記用具勉強道具のよこにちょこんとお守りを置く。
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