混沌な世界でも僕は平穏を貫きたい所存であります(なりません)

あーひる

文字の大きさ
13 / 13

かえでの受験はおしまい!!

しおりを挟む
「んーいや、本当....難しかったなぁ」
一泊呼吸を起き椅子を後ろの方に引く
一つ一つの筆記用具を片付けるときに妙な重みがかかる。
それが緊張のせいなのか疲労のせいなのかはよくわからない。
(数学の時間みょーにさっきの不良さんのことが気になりすぎて集中できなかったよ...うん...!これはあのお姉さんが悪いよっっ!)

バックに荷物を詰め終わり部屋を出て試験監督と一緒に廊下を歩く。
周りの音はしない。
「ここまでで大丈夫ですありがとうございます」
来賓玄関の入口で試験監督を止め、お礼を言う。
「お気遣いありがとうございます。お気をつけてください。」
ありがとうございますと言い深い一礼をし、裏口に足を進める。
もう女子の入試はとっくのとうに終わっているのだろう
と言うか数学の時間に忍び足で廊下を通過する足音が聞こえた為それは既にわかっていたことだが。
裏門へ足を進めると前回来たときよりも桜の木は多くの桜の蕾がたくさんなっている
きっと入学式には満開に咲くように木もそれに合わせ準備を進めているのだろう。

(確か桜は入学式と卒業始まりと終わりの行事どちらも主役であり対極の珍しい花で花言葉は種類によって僅かに異なる見た目の美しさより内面的な意味合いを持つ言葉が多い。ざっ日本って感じの花だよなぁ...ん?卒業式?)
ーーあれ?卒業?中学の卒業式って行くのかな?
この世界で何かしらの事情で変更がなければまだ卒業式はやっていないはずだ。
ふと前に目を向けると車が1台停まっていた。
裏口のすぐ側に停まっている車。
そう母の車だ。
[かえちゃーん!!]
こちらに歩いているのがかえちゃんだとわかるとフロントガラス越しでも言っている言葉がわかるほど満円の笑みで手を振って手招きをしてくる。
(卒業式のことは後で聞いてみよう。)
それに答えるように大きく手を振り
少し小走りに向かいドアを開け転がり込むように入る。
 

「お疲れ様ー!!テストはどうだった?」
親指をピンとたてグーサインを出す。
それを確認したかと思うとにっこり笑いかけ車が走り出す。
「かえちゃん改めてお疲れ様っ!私なんて万が一のことがあるかと思うと心臓バクバクしていて今日はずっと神様にお祈りしていたよー」あははっと笑いサイドミラーでコンタクトを取る。
「学校の人達も良くしてくれた?」

「校舎も綺麗だし先生は優しいしでとっても良かったよ!それに...不思議な人との出会いもあったんだよね」
「...ふーん?お母さん最後のその話聞きたいかもなぁ?」
サイドミラーを通して映る僕を訝しげに見つめるお母さん
(なにか引っかかることでもあったかな?)


ーーーーーまぁ別に話してもいいか


そう思い不思議な出会いをしたヤンキー?不良?の事を話した。
その人は試験中だったのに廊下で寝ていたことそれに加え勘違いなどから
最初は嫌な顔をされたことを順々に説明をした。
 顔の雲行きはだんだん(というか最初からかな?)困惑の表情と不安の表情の曇りのち雨のような入り混じった顔になっていた。
「どう?不思議な人だよねでもまた会いたいな...かっこよかったなぁ」
「...?!?!!!かえちゃん!い、いやその人が羨ましいーとかじゃなくて...き、危険!そう!不良とかヤンキーとかに危険が付き物なのよそれにそう簡単に人を信じちゃいけないわ」
「えーそう? いいひとそうに見えたけどなぁ?」
あわあわしているお母さんをふふっと笑い横目に少し夕暮れで平行移動に流れる景色を見つめる。




「兄さんおかえり、お受験お疲れ様」
ドアを開けるとてくてく玄関まで駆け寄りそう言う捺希
「お出迎えありがとう捺希」
「もうお風呂沸いてるから先に入って来てね。もうそろそろ出来そうだから」





風呂に入りリビングに行くと豪勢な食事が用意されていた。
「この料理って...」
「そう!これは我らの妹ちゃんが作って入れました!」
エプロン姿の捺希が次々と料理や小皿をテーブルに並べる
「えぇー!!捺希ありがとうね」
「どういたしましっtrt..ちょっと!なでるなぁ!!////」
 そっと頭を撫でると捺希は顔を真っ赤にして手を乱雑にはらう。その動作ひとつひとつが新鮮で愛らしかった。
「ささ、全員席に座ったとこだしいただきましょっ!」
長方形のテーブルに捺希の隣にお母さんで向かい合わせになるように僕が座っている。
「「「いただきます~!!」」」
どの皿からも湯気が立ち上り食欲をそそる匂いがお腹の虫が甲高い声を上げる。
手始めに近くにある青椒肉絲に手を付ける。
一口。噛めば噛むほど野菜の甘みや肉のジューシさが調和を作り出し口の中で楽園を作り出す。
これに白米を口の中に投入し他の料理を食べ至福の時間がやってきた。

「捺希どれもとっても美味しい!」「そ、そう?ま、私の料理は天才的だからね!!」
 「うん!これなら将来はさぞ良いお嫁さんになるだろうね」
 「私は兄さんのお嫁さんだっつの....ボソボソ」
 「ん?ごめんちょっと聞こえなかったなにか言った?」「ううん、なんでもないあ、!それよりもこの唐揚げ食べてみて塩麹でつけてかなり味付けこだわって・・・・」


「ねぇねぇそういえばさ」
家族団らんの時間だがさっきの話を聞いてみようと二人に声を掛ける。
「「??どうしたの?」」
 料理を口に運ぶ手を止めこちらを向く。
「えっと...中学校の卒業式とかって僕行くのかな?」
「……」
 「あーとね...」
 苦い顔をしながら言葉を選ぶお母さん。それに連動するように捺希も僕とお母さんを交互に見て心配そうに見つめる。
「んー..そのことなんだけどもう実はかえちゃんが入院している段階で私がすでにもう卒業式は断ったというか男性は卒業式を参加しなくても良くってね...?」
 ゴニョゴニョしながら話すお母さんは何度も手に持っている箸でそばにあるご飯を掴む動作をし思考をめぐらしている。

  
(簡単に要約みたくすると卒業式は参加する義務はない。と、いうか学校側はあまり消極的なんだそう。学校生活の節目となる卒業式は男に関われる機会は進学先によってこれで最後になる学生も少なくなく。勢いで襲ってくる生徒が後を絶たない。それによる学校側の対応なども詰められるので学校側は政府・マスコミ・保護者から板挟み状態になり最悪の結果それが来年の新入生や評価・給付金につながってしまう。負のドミノが出来上がってしまう。)
「それに加え未成年による罪は責任能力の観点から見ても罪は軽いし自身の経歴に傷がつくこと承知でやる人もいるからとても危険だよ」
告げ口をするように向かって言う捺希。
「そっかぁそうなのかぁ」
「それにかえちゃんが倒れた理由には日々のストレスの積み重ねもあると思うのそうなってしまったてのもあるでしょ?あまり無理をしないで欲しいの。」
こっちに来たより前の甘露寺の記憶はぽっかり抜けているようなそんな感じ。だから中学時代の記憶は一切ない。
この1ヶ月で色んな事が起きた。
たかが1ヶ月。されど1ヶ月である。
環境の慣れや男性に対しての面倒事が耐えない世界。
まだお母さん達は気が気じゃないのだろう。
「確かに二人の言う通りだねごめん急に言って卒業式は行かないことにするよ」
「かえちゃんわかってくれてありがとう」
 2人とも安堵した表情を浮かべご飯の時間が再開した。
(前の世界で会った人がいるかもしれないと思ったんだけどこれ以上心配させたくないし仕方ないな。)
ただ甘露寺の軌跡を見てみたいその気持ちだけは変われなかった。
 
夕食を食べ終え自室に入りベットにダイブする。 
これからどうしようかな...?受験が終わったから高校生活がスタートするまでの1ヶ月くらいは何して過ごそう?

勉強習慣がこのまま続けて行くとして久しぶりに運動とかをやってみたいな。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
読んでくださりありがとうございます。
高校入るまでに書きたいことがありすぎて13話くらい書いているのにまだ入れてない(汗)
でもあまり妥協はしたくないので見守っていてください!!
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

私が美女??美醜逆転世界に転移した私

恋愛
私の名前は如月美夕。 27才入浴剤のメーカーの商品開発室に勤める会社員。 私は都内で独り暮らし。 風邪を拗らせ自宅で寝ていたら異世界転移したらしい。 転移した世界は美醜逆転?? こんな地味な丸顔が絶世の美女。 私の好みど真ん中のイケメンが、醜男らしい。 このお話は転生した女性が優秀な宰相補佐官(醜男/イケメン)に囲い込まれるお話です。 ※ゆるゆるな設定です ※ご都合主義 ※感想欄はほとんど公開してます。

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

高身長お姉さん達に囲まれてると思ったらここは貞操逆転世界でした。〜どうやら元の世界には帰れないので、今を謳歌しようと思います〜

水国 水
恋愛
ある日、阿宮 海(あみや かい)はバイト先から自転車で家へ帰っていた。 その時、快晴で雲一つ無い空が急変し、突如、周囲に濃い霧に包まれる。 危険を感じた阿宮は自転車を押して帰ることにした。そして徒歩で歩き、喉も乾いてきた時、運良く喫茶店の看板を発見する。 彼は霧が晴れるまでそこで休憩しようと思い、扉を開く。そこには女性の店員が一人居るだけだった。 初めは男装だと考えていた女性の店員、阿宮と会話していくうちに彼が男性だということに気がついた。そして同時に阿宮も世界の常識がおかしいことに気がつく。 そして話していくうちに貞操逆転世界へ転移してしまったことを知る。 警察へ連れて行かれ、戸籍がないことも発覚し、家もない状況。先が不安ではあるが、戻れないだろうと考え新たな世界で生きていくことを決意した。 これはひょんなことから貞操逆転世界に転移してしまった阿宮が高身長女子と関わり、関係を深めながら貞操逆転世界を謳歌する話。

男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)

大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。 この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人) そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ! この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。 前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。 顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。 どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね! そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる! 主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。 外はその限りではありません。 カクヨムでも投稿しております。

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

ヤンデレにデレてみた

果桃しろくろ
恋愛
母が、ヤンデレな義父と再婚した。 もれなく、ヤンデレな義弟がついてきた。

貞操逆転世界で出会い系アプリをしたら

普通
恋愛
男性は弱く、女性は強い。この世界ではそれが当たり前。性被害を受けるのは男。そんな世界に生を受けた葉山優は普通に生きてきたが、ある日前世の記憶取り戻す。そこで前世ではこんな風に男女比の偏りもなく、普通に男女が一緒に生活できたことを思い出し、もう一度女性と関わってみようと決意する。 そこで会うのにまだ抵抗がある、優は出会い系アプリを見つける。まずはここでメッセージのやり取りだけでも女性としてから会うことしようと試みるのだった。

処理中です...