死に戻りぽっちゃり双子、悪役お姉様を味方につける。

清澄 セイ

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第三章「仲間を増やそう大作戦」

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「となると次は、エドモンド殿下と話す必要がありそうね。なぜ婚約者の入れ替え話を了承したのか、なんの思惑があってのことなのか」
 ちなみにレオニルには、大した思惑はなかった。ただケイティベルが大好きなだけの、少々残念な人という立ち位置。
「そんなの簡単よ!」
 ケイティベルが立ち上がり、得意げな表情でぴんと人差し指を上に向ける。
「エドモンド殿下は、きっとお姉様に一目惚れしたんだわ!」
「ええ……っ?」
 そんな風に考えていなかったリリアンナは、思わず頓狂な声を上げる。
「まさか、あり得ないわ」
「どうして?」
「だって、私なんかよりケイティベルの方がよっぽど可愛くて愛らしくて魅力的ですもの」
 美しい顔をして何を言い出すのやら、謙遜ではなくこれが彼女の素である。弟妹至上主義のリリアンナは、鏡を見ても自分がじゃがいもくらいにしか見えない。
 柔らかくふっくらした頬に、温かみを感じる手、思わず抱きついてしまいたくなるぽっちゃりボディは、魅力がたっぷりと詰まっている。
 二人の姉としてこの世界に生きられるだけで、どんな仕打ちも耐えられる。たとえ両親に愛されずとも、悪役令嬢だと噂されようとも、リリアンナの心はこれ以上ないほどに満たされていた。
「お姉様はじゅうぶん素敵なんだから、そんな風に言っちゃだめ!」
「そうだよ!顔はほんのちょっと怖いかもしれないけど、本当はすごく優しい人だって分かってるから」
「ちょっとルーシー!貴方ってば一言余計よ!」
 ぷりぷりと怒るケイティベルと、しまったという表情をするルシフォード。ちらりとリリアンナの顔色を伺うが、もちろん怒ってなどいない。
 それどころかぽろぽろと涙を流して泣いているから、さすがに二人は驚いて目を見開いた。
「ご、ごめんなさいお姉様!」
「悲しまないで!」
 おろおろと慌てふためいて、とっさに掌で姉の涙を拭おうとする。そんな姿を心底愛おしく感じながら、リリアンナはそっと双子を抱き締めた。
「違うの、これは嬉し涙よ。貴方達とこんな風に過ごせる日が来るなんて、思ってもいなかったから」
「お姉様……」
 もっと早くに素直になればよかったと後悔してももう遅いが、これからはその分も含め全力で双子を守り抜こうと誓う。自分を曝け出すことに怯え仮面を被っていた彼女は、愛する者の為に躊躇なくそれを脱ぎ捨てた。
「次はエドモンド殿下に会いましょう。彼がどんな人物かを、しっかりと見極めなければならないわ」
 リリアンナの言葉に、二人は大きく頷く。最初は自分達が死ぬ運命を変えたいという気持ちが強かったが、今は三人で幸せになりたい。姉に勇気をもらい、なんでも出来る気がしていた。
「絶対に犯人を突き止めて、懲らしめてやるんだから!」
「まだまだみんなで、楽しいこともいっぱいしたいしね!」
 空色の瞳をきらきらと輝かせるルシフォードとケイティベルを優しい眼差しで見つめながら、リリアンナは自身の目尻をそっと拭ったのだった。
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