11 / 29
★11.知っている感覚
しおりを挟む
初めのうちは溺れるようなキスが続くせいで息が上がり、上手く呼吸ができずにいた。他人に触られたことのない素肌に、自分のとは違う大きくて少しかさついた手が這う。薄明りで見える晴輝の表情は、余裕がなさそうなのに優しくて。慣れない感触はくすぐったくもあるけれど、身体の奥から何かせり上がってきているのを感じていた。
今日も沢山繋いだ手が、凛香の胸を弄っていると思うと照れくさい。
「……んぅ」
胸の先端が温かいものに包まれ、時折舌で弾かれると背中がゾクゾクと震えた。思わず縋り付くように胸元の晴輝の髪に指を通すようにすると、その質感に何故か胸が切なくなる。けれど足の付け根の際どい部分を撫でられると、羞恥と快感で思考は散り散りになってしまった。さらにショーツの上から探るような指の動きは、やがて狙いすませたものになる。
「ひぁっ、ん……」
喉の奥から出た甘い声が自分のものとは思えないくて、恥ずかしくて。唇を噛みしめてみたものの、どうしても時折声が漏れてしまう。
「声、我慢しなくていいから」
「でも、んぅ」
「俺も初めてだから、凛香の気持ちいいところを知りたい」
「そんなこと言ったって……っ」
恥ずかしいのに堪えきれなくて、でもやっぱり恥ずかしい。混乱していると、いつの間にかショーツは脱がされていたようで一糸まとわぬ姿だった。それに気づいたのは、秘裂にダイレクトな刺激が与えられたから。指とは違う、柔らかくて温かな何かがひどく敏感な突起を撫で擦り、凛香は声にならない声を上げて仰け反った。先ほど触れた晴輝の髪が太腿の内側に触れて、直視できないのに何をされているのかが鮮明に分かる。恥ずかしさは消えないけれど、それを上回る快感に身を委ねたくもあり、与えられている愛撫を受け入れていた。
「あ、やっ……!」
舌で散々弄られ、グズグズに溶けた秘部に異物感を感じて、足が震えた。探るように奥へと進むそれは彼の指だろうか。違和感はあるが、痛みはない。それどころか『何か』が芽生えそうだ。
「痛い……?」
心配そうな晴輝の声は、しかし息が上がっていて、凛香との行為に興奮してくれているのが分かった。無性に嬉しくて愛しくて、再び胸がキュウと締め付けられる。ああ、彼が好きだと身体全体で叫んでいる。
「だ、大丈夫、痛くはないから……」
「じゃあ、もうちょっと、いいか?」
「うん……ああっ!」
晴輝から安堵の空気を感じたと同時に、舌による刺激が再開され足に力が籠ってシーツを蹴った。大事な部分に全意識が集中していて、なにも考えられない。ただ大きく膨れ上がったような何かが破裂寸前だということは分かる。
「あ、あっ!ダメッ!」
ジュッと強く突起が吸われて、膨れた『何か』が勢いよく弾けた。頭の中が真っ白になって、何もない空間に投げ出されてしまったかのよう。ふんわりと漂っていたいのに、晴輝の指の動きは止まらない。
「や、もう……」
「もうちょっと……ほぐしたほうが」
晴輝の真面目で丁寧なところはとても大好きだけれど、こういうところにまで発揮されるなんて。凛香の気持ちを正しく受け止めたようで、宥めるようにキスをされれば、治まっていた『何か』がまた急速に膨れだす。さっきのような強い刺激ではないけれど、確実に忍び寄ってきている。
「あ、変、なにか変なの……来ちゃう」
今度こそとんでもないところに放り出されそうな気がして、晴輝にしがみついた。
「あー……可愛い」
「もう、大丈夫だから、その……」
「ん。ちょっと待って。着けるから」
額にキスをされて晴輝が身体を起こしている間に、息を整えて待つ。しかし治まらないうちに、すぐにベッドのスプリングが軋んで、膝を優しく左右に開かれた。硬いものが押し当てられ、グッとこじ開けるような感触に無意識に身体が強張ってしまう。
「力、抜けるか?」
「うぅ……頑張る……」
「……無理なら止めるか?」
大きく首をブンブンと振る。頭に優しい手の感触がして、動きを止めると唇が重なった。舌が絡まって、そっちに意識が持っていかれたのか身体の力が抜けたらしい。さっきよりもスムーズに侵入を試みている熱は、圧迫感こそ与えてくるものの身構えたような痛みは然程なかった。やがて最奥にたどり着いたのか、身体が密着する。ギュッと抱きしめられて、凛香の目尻から涙が一粒流れた。
「ああ……やっと」
思わず零れた言葉はどちらのものだったのか。ゆっくりと晴輝が動き出すと、少しの痛みと窮屈さの奥から甘い何かが見え隠れする。初心者の凛香は知らないはずなのに、それがいつか堪らない快感に変わることを知っている気がした。一体どういうことなのだろう?
不思議な感覚だった。人と関わることを避けていた凛香は、もちろん今まで誰とも身体を重ねたことがない。それどころかキスですら晴輝が初めてである。レベッカだって婚約者はいてもエスコートで手を取られたくらいで。それも手袋越しであった。
それなのになぜ、懐かしさを感じたのか? 小説だけでなく、本というものが好きな凛香は漫画も幅広く読むから、色んな知識が重ね合ったのかもしれない。けれどもそれにしては身体の感覚として『知っている』のが不思議だった。どうしてなのか探りたいけれど、揺さぶられながら口内を舌で弄られたり、胸の先を指で弾かれては霧散してしまう。それに今はこの時間を大切にしたいし、晴輝にも失礼だ。
やがて、彼が小さく呻いて動きが止まり、中を満たしていた存在が出ていった。凛香が肩で息をしていると、強く抱きしめられた。素肌同士が触れ合って心地よい。
「好きだ。ずっと。今までも、これからも」
そう耳元で囁かれて胸が高鳴った。初めは押された感はあったものの、今では凛香もちゃんと晴輝が好きだ。好きだった人と添い遂げられなかったレベッカの分まで幸せになれれば、彼女の記憶も薄れていくのかな、と漠然と思ったりした。
「私も……。ずっと一緒にいてくれてありがとう」
「…………」
「……えっ!ちょっと、大丈夫?」
ポタリと頬に何かが落ちた気がして晴輝の顔をジッと見れば、暗がりでも分かるくらい目が潤んでいる。突然のことに驚いて言葉を失って身体を起こすと、再び抱きしめてきた。
「離してやれなくてごめん」
「ううん、いいの。これからも離さないでほしい」
いつもは頼りになる晴輝なのに、子供のように縋りつかれて母性本能がくすぐられる。今日は彼のいい意味で意外な面を沢山見れたかも、なんて。全身の疲労感に包まれながらも幸せを感じていた。
今日も沢山繋いだ手が、凛香の胸を弄っていると思うと照れくさい。
「……んぅ」
胸の先端が温かいものに包まれ、時折舌で弾かれると背中がゾクゾクと震えた。思わず縋り付くように胸元の晴輝の髪に指を通すようにすると、その質感に何故か胸が切なくなる。けれど足の付け根の際どい部分を撫でられると、羞恥と快感で思考は散り散りになってしまった。さらにショーツの上から探るような指の動きは、やがて狙いすませたものになる。
「ひぁっ、ん……」
喉の奥から出た甘い声が自分のものとは思えないくて、恥ずかしくて。唇を噛みしめてみたものの、どうしても時折声が漏れてしまう。
「声、我慢しなくていいから」
「でも、んぅ」
「俺も初めてだから、凛香の気持ちいいところを知りたい」
「そんなこと言ったって……っ」
恥ずかしいのに堪えきれなくて、でもやっぱり恥ずかしい。混乱していると、いつの間にかショーツは脱がされていたようで一糸まとわぬ姿だった。それに気づいたのは、秘裂にダイレクトな刺激が与えられたから。指とは違う、柔らかくて温かな何かがひどく敏感な突起を撫で擦り、凛香は声にならない声を上げて仰け反った。先ほど触れた晴輝の髪が太腿の内側に触れて、直視できないのに何をされているのかが鮮明に分かる。恥ずかしさは消えないけれど、それを上回る快感に身を委ねたくもあり、与えられている愛撫を受け入れていた。
「あ、やっ……!」
舌で散々弄られ、グズグズに溶けた秘部に異物感を感じて、足が震えた。探るように奥へと進むそれは彼の指だろうか。違和感はあるが、痛みはない。それどころか『何か』が芽生えそうだ。
「痛い……?」
心配そうな晴輝の声は、しかし息が上がっていて、凛香との行為に興奮してくれているのが分かった。無性に嬉しくて愛しくて、再び胸がキュウと締め付けられる。ああ、彼が好きだと身体全体で叫んでいる。
「だ、大丈夫、痛くはないから……」
「じゃあ、もうちょっと、いいか?」
「うん……ああっ!」
晴輝から安堵の空気を感じたと同時に、舌による刺激が再開され足に力が籠ってシーツを蹴った。大事な部分に全意識が集中していて、なにも考えられない。ただ大きく膨れ上がったような何かが破裂寸前だということは分かる。
「あ、あっ!ダメッ!」
ジュッと強く突起が吸われて、膨れた『何か』が勢いよく弾けた。頭の中が真っ白になって、何もない空間に投げ出されてしまったかのよう。ふんわりと漂っていたいのに、晴輝の指の動きは止まらない。
「や、もう……」
「もうちょっと……ほぐしたほうが」
晴輝の真面目で丁寧なところはとても大好きだけれど、こういうところにまで発揮されるなんて。凛香の気持ちを正しく受け止めたようで、宥めるようにキスをされれば、治まっていた『何か』がまた急速に膨れだす。さっきのような強い刺激ではないけれど、確実に忍び寄ってきている。
「あ、変、なにか変なの……来ちゃう」
今度こそとんでもないところに放り出されそうな気がして、晴輝にしがみついた。
「あー……可愛い」
「もう、大丈夫だから、その……」
「ん。ちょっと待って。着けるから」
額にキスをされて晴輝が身体を起こしている間に、息を整えて待つ。しかし治まらないうちに、すぐにベッドのスプリングが軋んで、膝を優しく左右に開かれた。硬いものが押し当てられ、グッとこじ開けるような感触に無意識に身体が強張ってしまう。
「力、抜けるか?」
「うぅ……頑張る……」
「……無理なら止めるか?」
大きく首をブンブンと振る。頭に優しい手の感触がして、動きを止めると唇が重なった。舌が絡まって、そっちに意識が持っていかれたのか身体の力が抜けたらしい。さっきよりもスムーズに侵入を試みている熱は、圧迫感こそ与えてくるものの身構えたような痛みは然程なかった。やがて最奥にたどり着いたのか、身体が密着する。ギュッと抱きしめられて、凛香の目尻から涙が一粒流れた。
「ああ……やっと」
思わず零れた言葉はどちらのものだったのか。ゆっくりと晴輝が動き出すと、少しの痛みと窮屈さの奥から甘い何かが見え隠れする。初心者の凛香は知らないはずなのに、それがいつか堪らない快感に変わることを知っている気がした。一体どういうことなのだろう?
不思議な感覚だった。人と関わることを避けていた凛香は、もちろん今まで誰とも身体を重ねたことがない。それどころかキスですら晴輝が初めてである。レベッカだって婚約者はいてもエスコートで手を取られたくらいで。それも手袋越しであった。
それなのになぜ、懐かしさを感じたのか? 小説だけでなく、本というものが好きな凛香は漫画も幅広く読むから、色んな知識が重ね合ったのかもしれない。けれどもそれにしては身体の感覚として『知っている』のが不思議だった。どうしてなのか探りたいけれど、揺さぶられながら口内を舌で弄られたり、胸の先を指で弾かれては霧散してしまう。それに今はこの時間を大切にしたいし、晴輝にも失礼だ。
やがて、彼が小さく呻いて動きが止まり、中を満たしていた存在が出ていった。凛香が肩で息をしていると、強く抱きしめられた。素肌同士が触れ合って心地よい。
「好きだ。ずっと。今までも、これからも」
そう耳元で囁かれて胸が高鳴った。初めは押された感はあったものの、今では凛香もちゃんと晴輝が好きだ。好きだった人と添い遂げられなかったレベッカの分まで幸せになれれば、彼女の記憶も薄れていくのかな、と漠然と思ったりした。
「私も……。ずっと一緒にいてくれてありがとう」
「…………」
「……えっ!ちょっと、大丈夫?」
ポタリと頬に何かが落ちた気がして晴輝の顔をジッと見れば、暗がりでも分かるくらい目が潤んでいる。突然のことに驚いて言葉を失って身体を起こすと、再び抱きしめてきた。
「離してやれなくてごめん」
「ううん、いいの。これからも離さないでほしい」
いつもは頼りになる晴輝なのに、子供のように縋りつかれて母性本能がくすぐられる。今日は彼のいい意味で意外な面を沢山見れたかも、なんて。全身の疲労感に包まれながらも幸せを感じていた。
37
あなたにおすすめの小説
【短編】ちゃんと好きになる前に、終わっただけ
月下花音
恋愛
曖昧な関係を続けていたユウトとの恋は、彼のインスタ投稿によって一方的に終わりを告げた。
泣くのも違う。怒るのも違う。
ただ静かに消えよう。
そう決意してトーク履歴を消そうとした瞬間、指が滑った。
画面に表示されたのは、間の抜けたクマのスタンプ。
相手に気付かれた? 見られた?
「未練ある」って思われる!?
恐怖でブロックボタンを連打した夜。
カモメのフンより、失恋より、最後の誤爆が一番のトラウマになった女子大生の叫び。
10回目の婚約破棄。もう飽きたので、今回は断罪される前に自分で自分を追放します。二度と探さないでください(フリではありません)
放浪人
恋愛
「もう、疲れました。貴方の顔も見たくありません」
公爵令嬢リーゼロッテは、婚約者である王太子アレクセイに処刑される人生を9回繰り返してきた。 迎えた10回目の人生。もう努力も愛想笑いも無駄だと悟った彼女は、断罪イベントの一ヶ月前に自ら姿を消すことを決意する。 王城の宝物庫から慰謝料(国宝)を頂き、書き置きを残して国外逃亡! 目指せ、安眠と自由のスローライフ!
――のはずだったのだが。
「『顔も見たくない』だと? つまり、直視できないほど私が好きだという照れ隠しか!」 「『探さないで』? 地の果てまで追いかけて抱きしめてほしいというフリだな!」
実は1周目からリーゼロッテを溺愛していた(が、コミュ障すぎて伝わっていなかった)アレクセイ王子は、彼女の拒絶を「愛の試練(かくれんぼ)」と超ポジティブに誤解! 国家権力と軍隊、そしてS級ダンジョンすら踏破するチート能力を総動員して、全力で追いかけてきた!?
物理で逃げる最強令嬢VS愛が重すぎる勘違い王子。 聖女もドラゴンも帝国も巻き込んだ、史上最大規模の「国境なき痴話喧嘩」が今、始まる!
※表紙はNano Bananaで作成しています
婚約破棄される前に、帰らせていただきます!
パリパリかぷちーの
恋愛
ある日、マリス王国の侯爵令嬢クロナは、王子が男爵令嬢リリィと密会し、自分を「可愛げのない女」と罵り、卒業パーティーで「婚約破棄」を言い渡そうと画策している現場を目撃してしまう。
普通なら嘆き悲しむ場面だが、クロナの反応は違った。
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる