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8 どう思われるのでしょうね?
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「ぶ、侮辱罪?」
「そうですわ。私がレオン殿下を弄んだなんて嘘ですもの」
「嘘じゃない! 本当のことだ!」
訴えてくるレオン殿下に尋ねる。
「私があなたを弄んだという証拠はありますか?」
「僕の証言で十分だろう!」
「でしたら、そんなことをしていませんという私の証言も通りますわね?」
笑顔のまま尋ねると、レオン殿下は悔しそうな顔をしたが、すぐに悲しげな表情に変わる。
「もうやめてくれ。嘘をつくのは良くないことだ」
「それはこちらの台詞ですわ」
「ぼ、僕は嘘なんてついていない。君の態度に傷ついていたことは確かだ」
「傷ついたと弄ばれたでは意味が違いますわよ?」
「そ、それは……っ」
レオン殿下が劣勢だということに気づいたラブが、ぶりっこポーズで訴える。
「酷い! べリアーナ様はそうやって嘘をついて、レオン殿下のこと貶めようとしているのですよね! レオン殿下が可哀想です!」
「可哀想ねぇ」
私は笑みを消して、これ見よがしに大きなため息を吐く。
「私という婚約者がいながら、他の女性と仲良くしていることもそうですが、大勢の前で婚約破棄の宣言をしたのはどなただったかしら」
「そ、それは……、その過去の話だ!」
「そんなことをされて私が傷つかなかったと思っているのですか」
レオン殿下が相手だから、その時は傷ついてないけどね。
そんな感情は見せずに悲しげな表情を作ると「そういえばそうだな」という声が少し離れた方向から聞こえてきた。ラブの下僕ではない人もまだ多いのは助かる。普通のゲームなら、ヒロインを庇う人ばかりだろうから。
「君は傷つくようなタイプではないだろう」
「あら、失礼ですわね。私にだって感情はありますわよ?」
「君だって僕のことを愛していなかったんだろう? 婚約破棄してほしかったはずだ! それなら、僕に婚約破棄の宣言をされて喜んでいたはずだ!」
「「君だって?」」
聞き返したのは私だけではなかった。違う声に気がついたラブやレオン殿下が振り返った方向に私も目を移す。レオン殿下の背後から人込みを割って入ってきたのはディーク様だった。すると、ラブがすぐさま反応する。
「ディーク様! どうかなさいましたか?」
「……騒がしいから来てみたら、寄ってたかってべリアーナ嬢が責められていた」
「責めていたのではありません! べリアーナ様がレオン殿下を傷つけたので注意していたのです」
「レオン殿下だけならまだわかるけど、君や他の人物もべリアーナ嬢を責めていたんじゃないのか?」
「悪いことをしたのはべリアーナ様ですから!」
拳を作って訴えるラブに、ディーク様は気怠げな表情のまま尋ねる。
「君にべリアーナ嬢を責める権利はないだろう? 君に人を裁く権利があるのか?」
「だ、だって、レオン殿下が可哀想ですし、弱い人を守るのが普通ではないですか」
弱い人ねぇ。
ディーク様がラブに何か言う前に、私はレオン殿下に話しかける。
「レオン殿下はクブスさんに守っていただいているのですね。婚約者の私が不甲斐なくて申し訳ございません。ですが、必要以上に近づくことは、レオン殿下の品位が疑われることになりますわよ」
「ひ、品位?」
「ええ。婚約者以外の女性と親しげにしているなんて、両陛下がお聞きになったらどう思われるでしょうね」
「それは卑怯だぞ!」
「卑怯ですって? 何をおっしゃっているのかわかりませんわ。両陛下にご報告することは卑怯なことではございません」
レオン殿下だって次に問題を起こせば、自分の地位が危なくなることくらい聞かされているでしょう。ラブに上手くのせられたのかもしれないけれど、私の知ったことではないわ。
「そうですわ。私がレオン殿下を弄んだなんて嘘ですもの」
「嘘じゃない! 本当のことだ!」
訴えてくるレオン殿下に尋ねる。
「私があなたを弄んだという証拠はありますか?」
「僕の証言で十分だろう!」
「でしたら、そんなことをしていませんという私の証言も通りますわね?」
笑顔のまま尋ねると、レオン殿下は悔しそうな顔をしたが、すぐに悲しげな表情に変わる。
「もうやめてくれ。嘘をつくのは良くないことだ」
「それはこちらの台詞ですわ」
「ぼ、僕は嘘なんてついていない。君の態度に傷ついていたことは確かだ」
「傷ついたと弄ばれたでは意味が違いますわよ?」
「そ、それは……っ」
レオン殿下が劣勢だということに気づいたラブが、ぶりっこポーズで訴える。
「酷い! べリアーナ様はそうやって嘘をついて、レオン殿下のこと貶めようとしているのですよね! レオン殿下が可哀想です!」
「可哀想ねぇ」
私は笑みを消して、これ見よがしに大きなため息を吐く。
「私という婚約者がいながら、他の女性と仲良くしていることもそうですが、大勢の前で婚約破棄の宣言をしたのはどなただったかしら」
「そ、それは……、その過去の話だ!」
「そんなことをされて私が傷つかなかったと思っているのですか」
レオン殿下が相手だから、その時は傷ついてないけどね。
そんな感情は見せずに悲しげな表情を作ると「そういえばそうだな」という声が少し離れた方向から聞こえてきた。ラブの下僕ではない人もまだ多いのは助かる。普通のゲームなら、ヒロインを庇う人ばかりだろうから。
「君は傷つくようなタイプではないだろう」
「あら、失礼ですわね。私にだって感情はありますわよ?」
「君だって僕のことを愛していなかったんだろう? 婚約破棄してほしかったはずだ! それなら、僕に婚約破棄の宣言をされて喜んでいたはずだ!」
「「君だって?」」
聞き返したのは私だけではなかった。違う声に気がついたラブやレオン殿下が振り返った方向に私も目を移す。レオン殿下の背後から人込みを割って入ってきたのはディーク様だった。すると、ラブがすぐさま反応する。
「ディーク様! どうかなさいましたか?」
「……騒がしいから来てみたら、寄ってたかってべリアーナ嬢が責められていた」
「責めていたのではありません! べリアーナ様がレオン殿下を傷つけたので注意していたのです」
「レオン殿下だけならまだわかるけど、君や他の人物もべリアーナ嬢を責めていたんじゃないのか?」
「悪いことをしたのはべリアーナ様ですから!」
拳を作って訴えるラブに、ディーク様は気怠げな表情のまま尋ねる。
「君にべリアーナ嬢を責める権利はないだろう? 君に人を裁く権利があるのか?」
「だ、だって、レオン殿下が可哀想ですし、弱い人を守るのが普通ではないですか」
弱い人ねぇ。
ディーク様がラブに何か言う前に、私はレオン殿下に話しかける。
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「ひ、品位?」
「ええ。婚約者以外の女性と親しげにしているなんて、両陛下がお聞きになったらどう思われるでしょうね」
「それは卑怯だぞ!」
「卑怯ですって? 何をおっしゃっているのかわかりませんわ。両陛下にご報告することは卑怯なことではございません」
レオン殿下だって次に問題を起こせば、自分の地位が危なくなることくらい聞かされているでしょう。ラブに上手くのせられたのかもしれないけれど、私の知ったことではないわ。
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