29 / 43
26 怪しい気がします
しおりを挟む
お医者様は安静にしていれば、本調子になるまでに時間はかかるかもしれないけれど、回復していくだろうと診断してくださいましたので、忘れない内に旦那様にジャスミンと話をしていた話をしてみる事にしました。
「あの、旦那様」
「どうした?」
「元気になられてからで良いのですが、寝室を一緒にするのはどうでしょう?」
「は?」
「一緒にすれば、今回の様な異変にも気付けるかと…」
「今日からでも、いや、今からでもいいぞ」
「はい?」
横になっていた旦那様が飛び起きるようにして、身を起こされたので、驚いて聞き返すと、旦那様は興奮した様子で言われます。
「そうだな。ここ最近は仕事をしすぎた気がする。エレノアと一緒に眠る事によって疲れが癒せそうだ」
「え、えーと、そう言っていただけると、ありがたくはありますが、旦那様は本当に良いのですか?」
「何がだ?」
「一人で眠りたいとか、そういう事は…」
「別にエレノアと同室になる事は嫌じゃない。よし、善は急げだな。まずは部屋の準備をさせよう」
旦那様が使用人を呼ぼうとされましたので、慌てて止めます。
「旦那様、毒をもられたばかりじゃないですか。もう少し、慎重になさっては? それに、毒をもったと思われる人物を探し出さなくてはいけないですし」
「言い出したのは君だろう」
「それはそうなんですが、まさか、こんなにあっさりと頷かれるとは思っていませんでした」
「そ、それはだな…」
焦った顔をされる旦那様に聞いてみます。
「もしかして、今回の事で、一人で眠る事が怖くなってしまわれたのですか?」
よっぽど、辛かったのかもしれません。
それはそうですよね。
死んでしまうかもしれないという恐怖に一人で戦っておられたのですから。
「いや、そういう訳ではないが…」
「私なんかで良ければ、一緒にいますからね。もし、旦那様が中々、寝室に来られないようでしたら確認しに行く様にしますので」
「いや、君が待っていてくれるなら、そんなに夜遅くまで仕事を頑張るつもりはない。夜に一緒にいられる様に昼に仕事を頑張ればいいだけだ。もしくは早起きする」
「無理はなさらないで下さいね」
「もちろんだ」
旦那様は頷いた後、また、使用人を呼ぼうとされるので、慌てて大事な話をする事にします。
「あの、旦那様。昨日のお茶を持ってきてくれたのは、どなたかわかりますか?」
「……ちょっと待ってくれ」
まだ本調子ではない旦那様に、こんな話をするのもどうかと思いますが、また、同じ様な事が起きないように、犯人を捕まえねばなりません。
屋敷の誰かだと思いたくはありませんが、屋敷の誰かではないと、そんな事は出来ないのです。
「昨日は、そういえば、ラムダが持ってきてくれた様な気がしたな。だから、ラムダに…」
「旦那様、少し不思議に思っていたのですが、ラムダ様は旦那様の犬化を知りませんが、旦那様がいなくなった時に犬がいるという事は、知っていらっしゃるのでしょうか?」
「それは知っているかもしれないな。使用人が気付き始めているのだから、ラムダが気付き始めていてもおかしくない」
「……ですよね? それなのに、ラムダ様はどうして犬の旦那様が倒れているのに放置していたんでしょう?」
私の質問に旦那様が眉根を寄せて聞き返してきます。
「ラムダが怪しいと?」
「だってそうではないですか? 犬が苦しそうにしていたら、普通は誰かに話すものではないでしょうか? しかも、旦那様と何らかの関係がありそうな犬なんですよ? それなのに、ソファーに寝かせたままにしておくなんておかしいです! それに、旦那様の声も聞こえないのでしょう? という事はちょっと怪しい気がします」
人を疑う様な真似はあまりしたくありませんが、どうしてもラムダ様の行動は私には不自然な様に思えました。
「まあ、それはそうかもしれないな。かといって、犬を放置していたからといって、罪にはならないだろう? 例えば、屋敷で飼っている犬と認めていたら別だが、神出鬼没な犬だからな」
「屋敷で飼っている犬と言ってしまいますと、世話係などがつけられますし、そうなると、もう旦那様の犬化は秘密ではなくなりますね」
「君が来るまでは、頻繁に犬になっていたわけではなかったから、そう怪しまれていなかったのかもしれないが、君が来てから、俺はよく犬になってしまっているからな」
「申し訳ございません」
「言い方が悪かった。別に、君のせいだと言ってるんじゃない。君がここに来てくれて嬉しいのは確かだ」
優しく微笑んで言って下さったので、少しだけ気持ちが楽になりました。
「でも、私が調子にのって旦那様に犬になる様にお願いしたせいで、仕事の事もそうですし、色々な人に迷惑をかけてしまっています」
「妻のワガママをきくのも、夫の務めだ」
「旦那様は犬化の事がなければ、きっと私なんかよりも素敵な方を奥様に出来たのでしょうね」
微笑んで言うと、旦那様はなぜか眉を寄せます。
「俺は君で良かったと思っているんだが?」
「ですが、私は家族にまで変わり者だと言われているんですよ?」
「人間には合う合わないがある。エレノアは俺にとって、合う人物だと思う」
「あ、ありがとうございます」
真剣な目で見つめられてしまったからか、何だかドキドキしてしまい、俯いてからお礼を言って、話を戻します。
「まずは、メイドに話を聞く様にいたしますが、ラムダ様が関わってくるようでしたら、私からお話を聞いてみても良いでしょうか。ラムダ様とローラ様がつながっているのかも気になります」
「話を聞くのは、俺も一緒ならかまわない」
「ですが、旦那様はまだ動ける状態ではありませんし」
「ここに呼べばいいだろう」
「…わかりました。ただ、メイドに話を聞きにいくのは私一人でも良いですよね?」
「ジャスミンを連れて行くように」
「わかりました」
「あと、話を聞きに行くついでに、寝室を今日から使えるようにしておいてほしいと伝えておいてくれないか」
旦那様の言葉に即答は出来ませんでしたが、元々は私から言い出した事ですし、無言で首を縦に振ると、なぜか旦那様はとても満足そうなお顔をされたのでした。
「あの、旦那様」
「どうした?」
「元気になられてからで良いのですが、寝室を一緒にするのはどうでしょう?」
「は?」
「一緒にすれば、今回の様な異変にも気付けるかと…」
「今日からでも、いや、今からでもいいぞ」
「はい?」
横になっていた旦那様が飛び起きるようにして、身を起こされたので、驚いて聞き返すと、旦那様は興奮した様子で言われます。
「そうだな。ここ最近は仕事をしすぎた気がする。エレノアと一緒に眠る事によって疲れが癒せそうだ」
「え、えーと、そう言っていただけると、ありがたくはありますが、旦那様は本当に良いのですか?」
「何がだ?」
「一人で眠りたいとか、そういう事は…」
「別にエレノアと同室になる事は嫌じゃない。よし、善は急げだな。まずは部屋の準備をさせよう」
旦那様が使用人を呼ぼうとされましたので、慌てて止めます。
「旦那様、毒をもられたばかりじゃないですか。もう少し、慎重になさっては? それに、毒をもったと思われる人物を探し出さなくてはいけないですし」
「言い出したのは君だろう」
「それはそうなんですが、まさか、こんなにあっさりと頷かれるとは思っていませんでした」
「そ、それはだな…」
焦った顔をされる旦那様に聞いてみます。
「もしかして、今回の事で、一人で眠る事が怖くなってしまわれたのですか?」
よっぽど、辛かったのかもしれません。
それはそうですよね。
死んでしまうかもしれないという恐怖に一人で戦っておられたのですから。
「いや、そういう訳ではないが…」
「私なんかで良ければ、一緒にいますからね。もし、旦那様が中々、寝室に来られないようでしたら確認しに行く様にしますので」
「いや、君が待っていてくれるなら、そんなに夜遅くまで仕事を頑張るつもりはない。夜に一緒にいられる様に昼に仕事を頑張ればいいだけだ。もしくは早起きする」
「無理はなさらないで下さいね」
「もちろんだ」
旦那様は頷いた後、また、使用人を呼ぼうとされるので、慌てて大事な話をする事にします。
「あの、旦那様。昨日のお茶を持ってきてくれたのは、どなたかわかりますか?」
「……ちょっと待ってくれ」
まだ本調子ではない旦那様に、こんな話をするのもどうかと思いますが、また、同じ様な事が起きないように、犯人を捕まえねばなりません。
屋敷の誰かだと思いたくはありませんが、屋敷の誰かではないと、そんな事は出来ないのです。
「昨日は、そういえば、ラムダが持ってきてくれた様な気がしたな。だから、ラムダに…」
「旦那様、少し不思議に思っていたのですが、ラムダ様は旦那様の犬化を知りませんが、旦那様がいなくなった時に犬がいるという事は、知っていらっしゃるのでしょうか?」
「それは知っているかもしれないな。使用人が気付き始めているのだから、ラムダが気付き始めていてもおかしくない」
「……ですよね? それなのに、ラムダ様はどうして犬の旦那様が倒れているのに放置していたんでしょう?」
私の質問に旦那様が眉根を寄せて聞き返してきます。
「ラムダが怪しいと?」
「だってそうではないですか? 犬が苦しそうにしていたら、普通は誰かに話すものではないでしょうか? しかも、旦那様と何らかの関係がありそうな犬なんですよ? それなのに、ソファーに寝かせたままにしておくなんておかしいです! それに、旦那様の声も聞こえないのでしょう? という事はちょっと怪しい気がします」
人を疑う様な真似はあまりしたくありませんが、どうしてもラムダ様の行動は私には不自然な様に思えました。
「まあ、それはそうかもしれないな。かといって、犬を放置していたからといって、罪にはならないだろう? 例えば、屋敷で飼っている犬と認めていたら別だが、神出鬼没な犬だからな」
「屋敷で飼っている犬と言ってしまいますと、世話係などがつけられますし、そうなると、もう旦那様の犬化は秘密ではなくなりますね」
「君が来るまでは、頻繁に犬になっていたわけではなかったから、そう怪しまれていなかったのかもしれないが、君が来てから、俺はよく犬になってしまっているからな」
「申し訳ございません」
「言い方が悪かった。別に、君のせいだと言ってるんじゃない。君がここに来てくれて嬉しいのは確かだ」
優しく微笑んで言って下さったので、少しだけ気持ちが楽になりました。
「でも、私が調子にのって旦那様に犬になる様にお願いしたせいで、仕事の事もそうですし、色々な人に迷惑をかけてしまっています」
「妻のワガママをきくのも、夫の務めだ」
「旦那様は犬化の事がなければ、きっと私なんかよりも素敵な方を奥様に出来たのでしょうね」
微笑んで言うと、旦那様はなぜか眉を寄せます。
「俺は君で良かったと思っているんだが?」
「ですが、私は家族にまで変わり者だと言われているんですよ?」
「人間には合う合わないがある。エレノアは俺にとって、合う人物だと思う」
「あ、ありがとうございます」
真剣な目で見つめられてしまったからか、何だかドキドキしてしまい、俯いてからお礼を言って、話を戻します。
「まずは、メイドに話を聞く様にいたしますが、ラムダ様が関わってくるようでしたら、私からお話を聞いてみても良いでしょうか。ラムダ様とローラ様がつながっているのかも気になります」
「話を聞くのは、俺も一緒ならかまわない」
「ですが、旦那様はまだ動ける状態ではありませんし」
「ここに呼べばいいだろう」
「…わかりました。ただ、メイドに話を聞きにいくのは私一人でも良いですよね?」
「ジャスミンを連れて行くように」
「わかりました」
「あと、話を聞きに行くついでに、寝室を今日から使えるようにしておいてほしいと伝えておいてくれないか」
旦那様の言葉に即答は出来ませんでしたが、元々は私から言い出した事ですし、無言で首を縦に振ると、なぜか旦那様はとても満足そうなお顔をされたのでした。
85
あなたにおすすめの小説
私は既にフラれましたので。
椎茸
恋愛
子爵令嬢ルフェルニア・シラーは、国一番の美貌を持つ幼馴染の公爵令息ユリウス・ミネルウァへの想いを断ち切るため、告白をする。ルフェルニアは、予想どおりフラれると、元来の深く悩まない性格ゆえか、気持ちを切り替えて、仕事と婚活に邁進しようとする。一方、仕事一筋で自身の感情にも恋愛事情にも疎かったユリウスは、ずっと一緒に居てくれたルフェルニアに距離を置かれたことで、感情の蓋が外れてルフェルニアの言動に一喜一憂するように…?
※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。
【完結】王妃はもうここにいられません
なか
恋愛
「受け入れろ、ラツィア。側妃となって僕をこれからも支えてくれればいいだろう?」
長年王妃として支え続け、貴方の立場を守ってきた。
だけど国王であり、私の伴侶であるクドスは、私ではない女性を王妃とする。
私––ラツィアは、貴方を心から愛していた。
だからずっと、支えてきたのだ。
貴方に被せられた汚名も、寝る間も惜しんで捧げてきた苦労も全て無視をして……
もう振り向いてくれない貴方のため、人生を捧げていたのに。
「君は王妃に相応しくはない」と一蹴して、貴方は私を捨てる。
胸を穿つ悲しみ、耐え切れぬ悔しさ。
周囲の貴族は私を嘲笑している中で……私は思い出す。
自らの前世と、感覚を。
「うそでしょ…………」
取り戻した感覚が、全力でクドスを拒否する。
ある強烈な苦痛が……前世の感覚によって感じるのだ。
「むしろ、廃妃にしてください!」
長年の愛さえ潰えて、耐え切れず、そう言ってしまう程に…………
◇◇◇
強く、前世の知識を活かして成り上がっていく女性の物語です。
ぜひ読んでくださると嬉しいです!
真実の愛のお相手様と仲睦まじくお過ごしください
LIN
恋愛
「私には真実に愛する人がいる。私から愛されるなんて事は期待しないでほしい」冷たい声で男は言った。
伯爵家の嫡男ジェラルドと同格の伯爵家の長女マーガレットが、互いの家の共同事業のために結ばれた婚約期間を経て、晴れて行われた結婚式の夜の出来事だった。
真実の愛が尊ばれる国で、マーガレットが周囲の人を巻き込んで起こす色んな出来事。
(他サイトで載せていたものです。今はここでしか載せていません。今まで読んでくれた方で、見つけてくれた方がいましたら…ありがとうございます…)
(1月14日完結です。設定変えてなかったらすみません…)
【完結】「お前とは結婚できない」と言われたので出奔したら、なぜか追いかけられています
22時完結
恋愛
「すまない、リディア。お前とは結婚できない」
そう告げたのは、長年婚約者だった王太子エドワード殿下。
理由は、「本当に愛する女性ができたから」――つまり、私以外に好きな人ができたということ。
(まあ、そんな気はしてました)
社交界では目立たない私は、王太子にとってただの「義務」でしかなかったのだろう。
未練もないし、王宮に居続ける理由もない。
だから、婚約破棄されたその日に領地に引きこもるため出奔した。
これからは自由に静かに暮らそう!
そう思っていたのに――
「……なぜ、殿下がここに?」
「お前がいなくなって、ようやく気づいた。リディア、お前が必要だ」
婚約破棄を言い渡した本人が、なぜか私を追いかけてきた!?
さらに、冷酷な王国宰相や腹黒な公爵まで現れて、次々に私を手に入れようとしてくる。
「お前は王妃になるべき女性だ。逃がすわけがない」
「いいや、俺の妻になるべきだろう?」
「……私、ただ田舎で静かに暮らしたいだけなんですけど!!」
あなただけが私を信じてくれたから
樹里
恋愛
王太子殿下の婚約者であるアリシア・トラヴィス侯爵令嬢は、茶会において王女殺害を企てたとして冤罪で投獄される。それは王太子殿下と恋仲であるアリシアの妹が彼女を排除するために計画した犯行だと思われた。
一方、自分を信じてくれるシメオン・バーナード卿の調査の甲斐もなく、アリシアは結局そのまま断罪されてしまう。
しかし彼女が次に目を覚ますと、茶会の日に戻っていた。その日を境に、冤罪をかけられ、断罪されるたびに茶会前に回帰するようになってしまった。
処刑を免れようとそのたびに違った行動を起こしてきたアリシアが、最後に下した決断は。
寵愛のいる旦那様との結婚生活が終わる。もし、次があるのなら緩やかに、優しい人と恋がしたい。
にのまえ
恋愛
リルガルド国。公爵令嬢リイーヤ・ロイアルは令嬢ながら、剣に明け暮れていた。
父に頼まれて参加をした王女のデビュタントの舞踏会で、伯爵家コール・デトロイトと知り合い恋に落ちる。
恋に浮かれて、剣を捨た。
コールと結婚をして初夜を迎えた。
リイーヤはナイトドレスを身に付け、鼓動を高鳴らせて旦那様を待っていた。しかし寝室に訪れた旦那から出た言葉は「私は君を抱くことはない」「私には心から愛する人がいる」だった。
ショックを受けて、旦那には愛してもられないと知る。しかし離縁したくてもリルガルド国では離縁は許されない。しかしリイーヤは二年待ち子供がいなければ離縁できると知る。
結婚二周年の食事の席で、旦那は義理両親にリイーヤに子供ができたと言い出した。それに反論して自分は生娘だと医師の診断書を見せる。
混乱した食堂を後にして、リイーヤは馬に乗り伯爵家から出て行き国境を越え違う国へと向かう。
もし、次があるのなら優しい人と恋がしたいと……
お読みいただき、ありがとうございます。
エブリスタで四月に『完結』した話に差し替えいたいと思っております。内容はさほど、変わっておりません。
それにあたり、栞を挟んでいただいている方、すみません。
これ以上私の心をかき乱さないで下さい
Karamimi
恋愛
伯爵令嬢のユーリは、幼馴染のアレックスの事が、子供の頃から大好きだった。アレックスに振り向いてもらえるよう、日々努力を重ねているが、中々うまく行かない。
そんな中、アレックスが伯爵令嬢のセレナと、楽しそうにお茶をしている姿を目撃したユーリ。既に5度も婚約の申し込みを断られているユーリは、もう一度真剣にアレックスに気持ちを伝え、断られたら諦めよう。
そう決意し、アレックスに気持ちを伝えるが、いつも通りはぐらかされてしまった。それでも諦めきれないユーリは、アレックスに詰め寄るが
“君を令嬢として受け入れられない、この気持ちは一生変わらない”
そうはっきりと言われてしまう。アレックスの本心を聞き、酷く傷ついたユーリは、半期休みを利用し、兄夫婦が暮らす領地に向かう事にしたのだが。
そこでユーリを待っていたのは…
初恋を諦めたあなたが、幸せでありますように
ぽんちゃん
恋愛
『あなたのヒーローをお返しします。末永くお幸せに』
運命の日。
ルキナは婚約者候補のロミオに、早く帰ってきてほしいとお願いしていた。
(私がどんなに足掻いても、この先の未来はわかってる。でも……)
今頃、ロミオは思い出の小屋で、初恋の人と偶然の再会を果たしているだろう。
ロミオが夕刻までに帰ってくれば、サプライズでルキナとの婚約発表をする。
もし帰ってこなければ、ある程度のお金と文を渡し、お別れするつもりだ。
そしてルキナは、両親が決めた相手と婚姻することになる。
ただ、ルキナとロミオは、友人以上、恋人未満のような関係。
ルキナは、ロミオの言葉を信じて帰りを待っていた。
でも、帰ってきたのは護衛のみ。
その後に知らされたのは、ロミオは初恋の相手であるブリトニーと、一夜を共にしたという報告だった――。
《登場人物》
☆ルキナ(16) 公爵令嬢。
☆ジークレイン(24) ルキナの兄。
☆ロミオ(18) 男爵子息、公爵家で保護中。
★ブリトニー(18) パン屋の娘。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる