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32 恋は盲目
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※ 前話の魅了につきましては、話に大きく関わってこない為、バーキンの発言を削除させていただきました。
無能発言いただきましたが、バーキンや他キャラではなく、私の責任でございます。
不快な思いをさせてしまい、申し訳ございませんでした。
「ポピーの事を調べてみたら、僕達、貴族の前では品のいい女性の様だけど、平民に対する差別が酷いらしくてね。とある女性の話を聞いたんだけど、その人の子供、女の子だったんだけどね。その子が女性の手を振り払って走り出したみたいで、目当ての店に入ろうとしていた、ポピーの前まで走っていったみたいなんだ。で、子供って、珍しいものに興味を示すだろ? その子はその時に着ていたポピーのドレスに興味を持ったみたいで、彼女に近付いていこうとしたのを護衛に止められたらしいんだ。ま、そこまでは良いとして」
バーキン様は思い出すのも嫌なのか、大きく息を吐いてから話を続けて下さいます。
「で、その女性は慌てて謝りに行ったらしい。そうすると、ポピーは、急に子供が走り出すのは、親の躾が悪いせいだとか言い出したらしくて、護衛に鞭で打つ様に命令したらしい。しかも、次にこんな事をしたら、同じ様な目にあうとわからせる為とか言って、子供が目を背けない様に、護衛に身体をおさえつけさせたらしい」
「ポピー様に触ってしまったわけでもないのでしょう? そこまでしなくても…」
私が言うと、バーキン様は小さく頷いてから口を開きます。
「僕もそう思う。たとえ、身分の差をわきまえていなかった行為だとしても、鞭で打たなければいけない程、悪い事はしてないと思う。それに、実際、子供は護衛に止められて、彼女に触れたりもしていないから、そこまで怒る事でもないんだよ」
「でも、貴族なんてたくさんいるでしょう? なのに、その女性がどうしてパーカー公爵令嬢だとわかったんです?」
フィアナに聞かれ、バーキン様は眉根を寄せた後、彼女に向かって、とても言いにくそうに答えます。
「……ポピー様、と名前を呼んだ侍女がいたらしくて、それを聞いたみたいだ。あと、ポピーで間違いないかは、彼女と一緒に過ごしている事の多い侍女に確認した」
「そうですか。ポピー様は他にも何か理由をつけて、平民を虐げてるんですね?」
「それはそうだけど、待ってくれ。先に言わせてほしい。フィアナ、君を好きだと言っているのは、リサちゃんの事を探る為なんかじゃない! それに、ポピーの侍女に確認したというのも、話す機会があったから話しただけで」
バーキン様が言いにくそうにしていた理由がわかりました。
ポピー様の噂が本当か調べる為にポピー様の侍女に近付いたけれど、フィアナに近付いた理由はそうではないと言いたいみたいです。
「私にそんな説明はいりません。どうして、クレイ様にその事を伝えなかったんです?」
フィアナが尋ねると、バーキン様は少し拗ねた顔をして答えます。
「実際に僕が見たものじゃないからって信じなかったんだよ。自分の目で確かめないと納得できないというのもあったんだろう。それに、恋してる人間に何を言っても無駄な時はあるだろう?」
「そうなんですか…?」
首を傾げて聞き返すと、バーキン様は言います。
「たとえば、リサちゃん。クレイは実は嫌な奴なんだ」
「そ、そうなんですか?」
「人が見ていないところで嫌がらせする様な奴なんだ」
「クレイはそんな人では…って、ああ、そういう事ですね」
バーキン様が例え話をして下さった事に気が付いて頷きます。
「言っても信じない、という事ですか」
「そういう事」
「ポピー様はお姉様と同じで外面が良い人なのですね…」
そういう話を聞いてしまうと、何とも複雑な気持ちになります。
だって、私もバーキン様の話を聞くまでは、ポピー様がその様な事をする人には思えませんでした。
まあ、バーキン様に対して、すごく執着しているな、と思うところもあったので、イメージ通りの人というわけではないのかな、なんて思っていましたから、バーキン様の言葉をすんなり信じられたというのもありますが…。
恋をしている方は、友人の助言よりも、好きな人を信じてしまいがちですから、クレイもそうだったんでしょう。
「クレイは、これからもポピー様の事を思い続けるんでしょうね」
「……は?」
肩を落として言うと、バーキン様が聞き返してきてから続けます。
「もしかして、リサちゃん。まだクレイがポピーの事を好きだと思ってる?」
「違うんですか?」
「違うだろ! って、ああ、あの時、僕が邪魔したからか! ほんと、ごめん! そこから進展がないんだな?」
「邪魔ですか? 邪魔された覚えは全くないのですが…?」
不思議そうにしていると、バーキン様がフィアナの方を見ました。
フィアナは苦笑してから私に言います。
「クレイ様がまだ、ポピー様を思ってらっしゃるかは、クレイ様にお聞きになってから判断した方が良いかと思われますよ?」
「そうでしょうか…? 先日の様子では忘れている様には思えませんでしたが…」
「リサ様が聞きたいと思われた時があれば、お聞きになったら良いかと思います」
フィアナが笑顔で言ってくれます。
クレイがポピー様の事を忘れていなかったら、私が悲しむ事になりますから、フィアナはこんな笑顔を見せないはずです。
「機会があったら聞いてみます!」
「頑張れ、リサちゃん! そんで、クレイと上手くいったら、僕とフィアナの応援を頼む!」
「フィアナがバーキン様を好きになったら、いつでも応援します!」
「それ、応援いらなくないか?」
バーキン様が眉根を寄せて言われるので、ついつい笑ってしまったのでした。
無能発言いただきましたが、バーキンや他キャラではなく、私の責任でございます。
不快な思いをさせてしまい、申し訳ございませんでした。
「ポピーの事を調べてみたら、僕達、貴族の前では品のいい女性の様だけど、平民に対する差別が酷いらしくてね。とある女性の話を聞いたんだけど、その人の子供、女の子だったんだけどね。その子が女性の手を振り払って走り出したみたいで、目当ての店に入ろうとしていた、ポピーの前まで走っていったみたいなんだ。で、子供って、珍しいものに興味を示すだろ? その子はその時に着ていたポピーのドレスに興味を持ったみたいで、彼女に近付いていこうとしたのを護衛に止められたらしいんだ。ま、そこまでは良いとして」
バーキン様は思い出すのも嫌なのか、大きく息を吐いてから話を続けて下さいます。
「で、その女性は慌てて謝りに行ったらしい。そうすると、ポピーは、急に子供が走り出すのは、親の躾が悪いせいだとか言い出したらしくて、護衛に鞭で打つ様に命令したらしい。しかも、次にこんな事をしたら、同じ様な目にあうとわからせる為とか言って、子供が目を背けない様に、護衛に身体をおさえつけさせたらしい」
「ポピー様に触ってしまったわけでもないのでしょう? そこまでしなくても…」
私が言うと、バーキン様は小さく頷いてから口を開きます。
「僕もそう思う。たとえ、身分の差をわきまえていなかった行為だとしても、鞭で打たなければいけない程、悪い事はしてないと思う。それに、実際、子供は護衛に止められて、彼女に触れたりもしていないから、そこまで怒る事でもないんだよ」
「でも、貴族なんてたくさんいるでしょう? なのに、その女性がどうしてパーカー公爵令嬢だとわかったんです?」
フィアナに聞かれ、バーキン様は眉根を寄せた後、彼女に向かって、とても言いにくそうに答えます。
「……ポピー様、と名前を呼んだ侍女がいたらしくて、それを聞いたみたいだ。あと、ポピーで間違いないかは、彼女と一緒に過ごしている事の多い侍女に確認した」
「そうですか。ポピー様は他にも何か理由をつけて、平民を虐げてるんですね?」
「それはそうだけど、待ってくれ。先に言わせてほしい。フィアナ、君を好きだと言っているのは、リサちゃんの事を探る為なんかじゃない! それに、ポピーの侍女に確認したというのも、話す機会があったから話しただけで」
バーキン様が言いにくそうにしていた理由がわかりました。
ポピー様の噂が本当か調べる為にポピー様の侍女に近付いたけれど、フィアナに近付いた理由はそうではないと言いたいみたいです。
「私にそんな説明はいりません。どうして、クレイ様にその事を伝えなかったんです?」
フィアナが尋ねると、バーキン様は少し拗ねた顔をして答えます。
「実際に僕が見たものじゃないからって信じなかったんだよ。自分の目で確かめないと納得できないというのもあったんだろう。それに、恋してる人間に何を言っても無駄な時はあるだろう?」
「そうなんですか…?」
首を傾げて聞き返すと、バーキン様は言います。
「たとえば、リサちゃん。クレイは実は嫌な奴なんだ」
「そ、そうなんですか?」
「人が見ていないところで嫌がらせする様な奴なんだ」
「クレイはそんな人では…って、ああ、そういう事ですね」
バーキン様が例え話をして下さった事に気が付いて頷きます。
「言っても信じない、という事ですか」
「そういう事」
「ポピー様はお姉様と同じで外面が良い人なのですね…」
そういう話を聞いてしまうと、何とも複雑な気持ちになります。
だって、私もバーキン様の話を聞くまでは、ポピー様がその様な事をする人には思えませんでした。
まあ、バーキン様に対して、すごく執着しているな、と思うところもあったので、イメージ通りの人というわけではないのかな、なんて思っていましたから、バーキン様の言葉をすんなり信じられたというのもありますが…。
恋をしている方は、友人の助言よりも、好きな人を信じてしまいがちですから、クレイもそうだったんでしょう。
「クレイは、これからもポピー様の事を思い続けるんでしょうね」
「……は?」
肩を落として言うと、バーキン様が聞き返してきてから続けます。
「もしかして、リサちゃん。まだクレイがポピーの事を好きだと思ってる?」
「違うんですか?」
「違うだろ! って、ああ、あの時、僕が邪魔したからか! ほんと、ごめん! そこから進展がないんだな?」
「邪魔ですか? 邪魔された覚えは全くないのですが…?」
不思議そうにしていると、バーキン様がフィアナの方を見ました。
フィアナは苦笑してから私に言います。
「クレイ様がまだ、ポピー様を思ってらっしゃるかは、クレイ様にお聞きになってから判断した方が良いかと思われますよ?」
「そうでしょうか…? 先日の様子では忘れている様には思えませんでしたが…」
「リサ様が聞きたいと思われた時があれば、お聞きになったら良いかと思います」
フィアナが笑顔で言ってくれます。
クレイがポピー様の事を忘れていなかったら、私が悲しむ事になりますから、フィアナはこんな笑顔を見せないはずです。
「機会があったら聞いてみます!」
「頑張れ、リサちゃん! そんで、クレイと上手くいったら、僕とフィアナの応援を頼む!」
「フィアナがバーキン様を好きになったら、いつでも応援します!」
「それ、応援いらなくないか?」
バーキン様が眉根を寄せて言われるので、ついつい笑ってしまったのでした。
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