価値がないと言われた私を必要としてくれたのは、隣国の王太子殿下でした

風見ゆうみ

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閑話  独白風セイン視点

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※セイン視点のざまぁ回です。イライラする可能性がありますのでご注意ください。どうしても受け入れられない方は読み飛ばしください。






 ルリに本当にフラれてしまった俺は、護衛に連れられ会場の外に出され、騒ぎを聞きつけてやって来たハルトや執事達の手によって、無理矢理、宿に連れて帰られた。

 どこでどう間違えたんだろう?

 俺だって最初は仕事を頑張ってたんだ。

 ある日、ルリにどんな仕事をしているか教えたくなって仕事をしているところを見せてみたら、とても興味があるように見えた。

 俺のほうが詳しいし、ルリが困ったら教えてあげて、カッコ良いところを見せようと思ったのに、ルリは俺にやり方を聞いたら、すぐに書類仕事を捌いてしまった。

 ミスもあったけれど、処理速度は俺よりもかなり速かった。

 俺は運動が苦手だったから、剣術も体術もルリには勝てなかった。
 
 だから、何でもこなすルリが憎くなっていった。

 でも、ルリだって悪いんだ。
 少しは俺に気を遣って、できないふりをするべきだった。

 だから、自分も悪かったとルリが言ってくれるのを待っていた。

 だけど、ルリは与えられた仕事を淡々とこなすだけ。
 俺に文句を言う事もなかった。

 少しは甘えてほしかったんだ。
 せっかく会いに来たのだから、一緒にいたいと。

 ヤキモチを妬かせるために、ルピノを部屋に呼んだけれど、メイド達は何も言わなかった。

 ルリが傷付くと思ったのと、今回はたまたまだと思った事もあるんだろう。

 ルピノは甘え上手だった。
 だから、つい……浮気してしまった。

 浮気する男なんてこの世にはたくさんいる。
 バレなきゃ良い、そう思った時期もあったけれど、バレたらルリはどんな顔をするだろうかも気になった。

 だから、ルリの前ではルピノとわざと仲良くしてみた。
 だけど、ルリは特に気にしなかった。

 その内、ルピノのアピールが激しくなり、とうとう、父上に連絡がいった。

 その後は最悪だった。

 何をしても裏目に出た。
 ただ、ルリに俺を見てほしかっただけなのに……。

 今回の手紙だって、わざと挑発して相手を怒らせようとした。
 そうすれば、ルリが心配してくれると思ったんだ。

 でも、相手は思った以上に怒ってきた。
 なぜなら、送る相手を間違えたんだ。

 ルリは俺がこういうミスが多い事を知っていて、注意してくれていた事を、その時の俺はすっかり忘れていた。




 数日後、城に戻った俺は、父上からメンナナ国に婿入りするように言われた。

 嫌だと訴えたけれど、戦争を回避するためにはしょうがないと言われた。

 この時に、俺は気が付いた。
 父上は最初からこうなる事を望んでいたのではないかと。

「父上は……、俺を捨てるんですか?」
「違う。お前のためだ」

 父上の目が一瞬だけ悲しそうになったのがわかった。
 だから、それ以上、何も言えなかった。


 そして、俺はメンナナ国に向かった。

 俺の相手になる第一王女のワルキーは気が強そうな顔立ちではあるが、小柄で可愛かった。

 上手くやっていけるんじゃないか。
 そう思ったけれど、彼女は俺にとても厳しかった。

「ちょっと、仕事、まだ出来てないの? 遅くないかしら?」
「い、今、やっているんだ。でも、すぐには終わらない。先に食事をしたい。朝から何も食べてないんだ」
「そう。なら、終わるまでは食事抜きね。だって、まだ夜だもの。夜中になったら、料理人もいなくなるから、それまでに終えてくださいね?」
「ま、待ってくれ! 食べたらやるから!」
「あなた、優秀なんでしょう? 人にあんな手紙を送ってくるくらいなんだから。優秀なあなたなら出来るわ。頑張って」

 ワルキーはふわあと欠伸をして部屋から出て行った。

 ここ何日かはほとんど寝れていないし、食事もとれていない……。

 俺は四六時中、見張られていて自由時間がない。

 俺は、このままどうなってしまうのだろうか……。

 あの時、ルリを大事にしていれば、違う未来があったのかと思うと、涙が出そうになった。





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