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7-1 侯爵の本性 (シルフィーナ(姉)Side)
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ファリアーナとアシュの再婚は、もう一組のカップルのおかげで、世間には好意的に取られていた。
新婚初日に押しかけてきた姉に夫を奪われた妹として、ファリアーナに同情する声が多かったのだ。
しかも、その姉というのが、アシュの元妻のシルフィーナであり、夫が領地を視察するため家を空けている時に家を出ていたので、計画的犯行ではないかと思う人が多かった。実家ではなく妹夫婦の家に押しかけたことも、最初から義弟を奪うつもりだったのではないかと考えさせる根拠にもなった。
その噂が耳に入ったロヴァンスは、怒りで体を打ち震わせていた。
「シルは被害者なんだ。事情を何も知らないくせに好き勝手言うなんて許せない。みんな公爵家が怖くて、そんな嘘を信じようとしているんだな!」
「ロヴァンス、私のために怒ってくれてありがとう。きっと、行き場のなくなったファリアーナが怒って嘘の噂を流しているんだわ」
「行き場がないとはどういうことだ? ファリアーナはレイン公爵令息と結婚するんだぞ?」
「そんなわけがありません」
公式に発表されているにもかかわらず、シルフィーナはアシュとファリアーナの結婚は嘘だと決めつけていた。それほど、シルフィーナにとって妹は出来損いであり、アシュに選ばれる女性だとは思えなかった。
「ここ最近、イクフェ侯爵令嬢がレイン公爵家によく来ているらしいから、本当の相手は彼女だろうか」
「そうです! そうに違いありません!」
「だが、それならどうして公爵家は噂を否定しないんだ?」
「きっと、ファリアーナに同情してあげているんでしょう」
「そうだろうか……」
ロヴァンスは納得はいかなかったが、今の段階では答えが出そうにもなかったので話題を変える。
「……なぜ、ファリアーナは実家に戻らないかったんだろうか?」
「さ、さあ? もしかしたら、あなたに捨てられて自棄糞になっているのかもしれません」
「結婚して早々に離婚することになったことは、彼女に申し訳ないと思っている。だが、君のような優しい人を虐げるような人物とは夫婦でいたくなかった」
「優しいのはロヴァンスだわ」
「ありがとう。シル、愛しているよ」
シルフィーナは、ロヴァンスが完全に自分に夢中になっていると考えた。だから、彼を見て心の中ではせせら笑っていた。
「ねえ、ロヴァンス、このままじゃ私たちは悪者よ。どうにかしないといけないわ」
「そうだな。そうだ。俺たちも結婚式を挙げよう。多くの人を呼んで味方につけるんだ」
「そうすれば公爵家の嘘が暴けますね!」
「そうだ」
ロヴァンスが頷いた時、メイドがやって来てソーダ伯爵家の人たちが来ていると、彼に報告した。
今までファリアーナは自分が家族に嫌われていることをロヴァンスに伝えていなかった。そんなことが知られれば、嫌われてしまうと思ったからだ。そして、それを知ったシルフィーナは、自分とファリアーナの立場を入れ替えて話をしていた。
「君のことを叱りに来たんだろうか」
心配そうにするロヴァンスに、シルフィーナは目を伏せて答える。
「きっとそうだわ。私、お話してきます」
「一人で行くのは良くない。俺も行こう」
「お気持ちだけで十分です。あ、そうだわ。お願いがあります。応接室を貸していただけませんか?」
「もちろんだ。君は俺の妻なんだから、好きなように使えばいい」
「ありがとうございます!」
シルフィーナはロヴァンスに抱きついて頬を寄せる。アシュには通じなかった演技だが、ロヴァンスは騙されてくれている。シルフィーナは声を上げて笑いたくなる衝動を抑え、家族と話をするためにロヴァンスから身を離した。
彼女が部屋を出ていったあと、ロヴァンスが素敵な笑みを浮かべていたことを、彼を舐めきっているシルフィーナが知る由もなかった。
シルフィーナは応接室で家族と話をした。
「どうして、元々の夫よりも格下の嫁になるなんて馬鹿な真似をしたんだ! しかも、ファリアーナが公爵家に嫁ぐなんて!」
「お父様、アシュ様がファリアーナを嫁にするわけがないでしょう。お相手は別にいるわ」
「そうか。そうだよな。あんな粗大ゴミを嫁にもらうわけがないか」
ファリアーナの父は豪快に笑ったが、すぐに眉尻を下げる。
「侯爵には悪い噂があるが大丈夫そうか?」
「大丈夫です。彼は私に夢中ですから」
「そうか。それならいい」
父は頷いたが兄と母はまだ心配そうだった。
「公爵家は報復してくるだろうか」
「それはないかと思います。そのかわりファリアーナをこき使うでしょう」
シルフィーナは父に自信ありげに答えたが、彼女の思い通りになることはなかった。
新婚初日に押しかけてきた姉に夫を奪われた妹として、ファリアーナに同情する声が多かったのだ。
しかも、その姉というのが、アシュの元妻のシルフィーナであり、夫が領地を視察するため家を空けている時に家を出ていたので、計画的犯行ではないかと思う人が多かった。実家ではなく妹夫婦の家に押しかけたことも、最初から義弟を奪うつもりだったのではないかと考えさせる根拠にもなった。
その噂が耳に入ったロヴァンスは、怒りで体を打ち震わせていた。
「シルは被害者なんだ。事情を何も知らないくせに好き勝手言うなんて許せない。みんな公爵家が怖くて、そんな嘘を信じようとしているんだな!」
「ロヴァンス、私のために怒ってくれてありがとう。きっと、行き場のなくなったファリアーナが怒って嘘の噂を流しているんだわ」
「行き場がないとはどういうことだ? ファリアーナはレイン公爵令息と結婚するんだぞ?」
「そんなわけがありません」
公式に発表されているにもかかわらず、シルフィーナはアシュとファリアーナの結婚は嘘だと決めつけていた。それほど、シルフィーナにとって妹は出来損いであり、アシュに選ばれる女性だとは思えなかった。
「ここ最近、イクフェ侯爵令嬢がレイン公爵家によく来ているらしいから、本当の相手は彼女だろうか」
「そうです! そうに違いありません!」
「だが、それならどうして公爵家は噂を否定しないんだ?」
「きっと、ファリアーナに同情してあげているんでしょう」
「そうだろうか……」
ロヴァンスは納得はいかなかったが、今の段階では答えが出そうにもなかったので話題を変える。
「……なぜ、ファリアーナは実家に戻らないかったんだろうか?」
「さ、さあ? もしかしたら、あなたに捨てられて自棄糞になっているのかもしれません」
「結婚して早々に離婚することになったことは、彼女に申し訳ないと思っている。だが、君のような優しい人を虐げるような人物とは夫婦でいたくなかった」
「優しいのはロヴァンスだわ」
「ありがとう。シル、愛しているよ」
シルフィーナは、ロヴァンスが完全に自分に夢中になっていると考えた。だから、彼を見て心の中ではせせら笑っていた。
「ねえ、ロヴァンス、このままじゃ私たちは悪者よ。どうにかしないといけないわ」
「そうだな。そうだ。俺たちも結婚式を挙げよう。多くの人を呼んで味方につけるんだ」
「そうすれば公爵家の嘘が暴けますね!」
「そうだ」
ロヴァンスが頷いた時、メイドがやって来てソーダ伯爵家の人たちが来ていると、彼に報告した。
今までファリアーナは自分が家族に嫌われていることをロヴァンスに伝えていなかった。そんなことが知られれば、嫌われてしまうと思ったからだ。そして、それを知ったシルフィーナは、自分とファリアーナの立場を入れ替えて話をしていた。
「君のことを叱りに来たんだろうか」
心配そうにするロヴァンスに、シルフィーナは目を伏せて答える。
「きっとそうだわ。私、お話してきます」
「一人で行くのは良くない。俺も行こう」
「お気持ちだけで十分です。あ、そうだわ。お願いがあります。応接室を貸していただけませんか?」
「もちろんだ。君は俺の妻なんだから、好きなように使えばいい」
「ありがとうございます!」
シルフィーナはロヴァンスに抱きついて頬を寄せる。アシュには通じなかった演技だが、ロヴァンスは騙されてくれている。シルフィーナは声を上げて笑いたくなる衝動を抑え、家族と話をするためにロヴァンスから身を離した。
彼女が部屋を出ていったあと、ロヴァンスが素敵な笑みを浮かべていたことを、彼を舐めきっているシルフィーナが知る由もなかった。
シルフィーナは応接室で家族と話をした。
「どうして、元々の夫よりも格下の嫁になるなんて馬鹿な真似をしたんだ! しかも、ファリアーナが公爵家に嫁ぐなんて!」
「お父様、アシュ様がファリアーナを嫁にするわけがないでしょう。お相手は別にいるわ」
「そうか。そうだよな。あんな粗大ゴミを嫁にもらうわけがないか」
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「侯爵には悪い噂があるが大丈夫そうか?」
「大丈夫です。彼は私に夢中ですから」
「そうか。それならいい」
父は頷いたが兄と母はまだ心配そうだった。
「公爵家は報復してくるだろうか」
「それはないかと思います。そのかわりファリアーナをこき使うでしょう」
シルフィーナは父に自信ありげに答えたが、彼女の思い通りになることはなかった。
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