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3−3 オルザベート視点
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私達がカイジス公爵の手から逃れて、一ヶ月が経とうとしていた。
少しずつ場所を移動し、エアリスのいる公爵邸に近付きながら、今は魅了魔法をかけた3人目の女性の家にいる。
この家の持ち主の女性は、今は働きに出ている。
両親が亡くなり、広い一軒家で一人暮らしをしている女性。
ティンカーの魅了魔法のおかげで、衣食住に困る事なく、毎日が過ぎていたのだけど、ある日、新聞記事を読んでいたティンカーが私に言った。
「エアリスが結婚するんだそうだよ」
「なんですって!? いつ!?」
「はっきりとした日は書かれてない。それにカイジス公爵が結婚すると書かれているだけで、相手の女性の名前までは書かれていないんだ」
「エアリスとカイジス公爵が別れてくれていたらいいんだけど…。ちょっと見せて!」
私はティンカーから新聞を奪い取って、カイジス公爵の結婚について書いてある記事を読んだ。
幼馴染であるご令嬢と書かれているから、たぶん、エアリスの事だと思う。
私からエアリスを奪ったんだもの。
彼女を捨てたりしていたら許せない。
でも、それはないわよね。
私を軟禁するために、苦労したでしょうから。
それくらいするんだから、簡単には捨てたりしないはず。
まあ、捨てていたとしたら、カイジス公爵の事を許せない気持ちもあるけれど、それこそ私の出番だわ!
エアリスを慰めてあげたい…。
「オルザベート、もう、エアリスの事は忘れて、2人で静かに暮らさないか?」
ティンカーは最近、この話ばかりしてくる。
逃亡生活に疲れたのかもしれないけれど、私に協力してくれないのなら、この男には用はない。
そろそろ、新しい誰かを探さないといけないかしら。
でも、魔法を使えるから、彼は便利なのよね。
「考えておくわ」
「本当かい?」
「ええ」
「絶対だよ!」
ティンカーが本当にウザくなってきた。
何度言ったらわかるの。
私にはエアリスしかいないのよ。
だって、あなたは私が泣いて困っていた時に助けてくれなかったじゃないの。
いじめられていた私を助けてくれたエアリスは、私にとってのヒーローだった。
エアリスは、今頃、何をしているのかしら。
会いたい。
会って、今までの事を謝りたい。
そばにいてあげられなくてごめんね。
これからは、ずっとそばにいるからね、って。
あの時、エアリスは私を守ってくれた。
今度は私が守ってあげる番なのだから。
二階の部屋の窓を開けて、外の景色を眺める。
この家の周辺は、平民といっても裕福な家の人間が多く、家も大きくて、家と家との間隔があいているせいか、とても静か。
だから、風に当たりながら、これからの事を考えようと思った。
それなのに、私はとんでもないものを視界に入れてしまった。
家の前の通りを歩く男性の姿を見て息を呑んだ。
ロンバートだった。
こちらには気付いていないようだったので、慌てて隠れてから薄いカーテンを引いて、隙間から覗き見る。
どうして、彼がこんな所にいるの?
もしかして、私を探して?
「どうかしたのか、オルザベート?」
「な、なんでもないわ! それよりも、もうここは飽きたから、そろそろ新しい場所へ行かない?」
ティンカーは突然のお願いに、不思議そうな顔をしたけれど、嫌とは言わなかった。
彼がどうして、私にこんなに夢中になっているのかわからないけれど、もしかしたら、私は無意識に魅了魔法が使えているのかもしれない。
それとも、私が本当に魅力的なだけ?
もちろん、昔より綺麗になったという自覚はあるわ。
ロンバートがどうしてこんな所にいるのかわからないけれど、きっと私を探しているのね。
そろそろティンカーの見た目に辟易していたし、ロンバートと一緒に過ごしてもいいかもしれない。
もちろん、私の言う事を何でも聞いてくれるという条件にはなるけれど…。
少しずつ場所を移動し、エアリスのいる公爵邸に近付きながら、今は魅了魔法をかけた3人目の女性の家にいる。
この家の持ち主の女性は、今は働きに出ている。
両親が亡くなり、広い一軒家で一人暮らしをしている女性。
ティンカーの魅了魔法のおかげで、衣食住に困る事なく、毎日が過ぎていたのだけど、ある日、新聞記事を読んでいたティンカーが私に言った。
「エアリスが結婚するんだそうだよ」
「なんですって!? いつ!?」
「はっきりとした日は書かれてない。それにカイジス公爵が結婚すると書かれているだけで、相手の女性の名前までは書かれていないんだ」
「エアリスとカイジス公爵が別れてくれていたらいいんだけど…。ちょっと見せて!」
私はティンカーから新聞を奪い取って、カイジス公爵の結婚について書いてある記事を読んだ。
幼馴染であるご令嬢と書かれているから、たぶん、エアリスの事だと思う。
私からエアリスを奪ったんだもの。
彼女を捨てたりしていたら許せない。
でも、それはないわよね。
私を軟禁するために、苦労したでしょうから。
それくらいするんだから、簡単には捨てたりしないはず。
まあ、捨てていたとしたら、カイジス公爵の事を許せない気持ちもあるけれど、それこそ私の出番だわ!
エアリスを慰めてあげたい…。
「オルザベート、もう、エアリスの事は忘れて、2人で静かに暮らさないか?」
ティンカーは最近、この話ばかりしてくる。
逃亡生活に疲れたのかもしれないけれど、私に協力してくれないのなら、この男には用はない。
そろそろ、新しい誰かを探さないといけないかしら。
でも、魔法を使えるから、彼は便利なのよね。
「考えておくわ」
「本当かい?」
「ええ」
「絶対だよ!」
ティンカーが本当にウザくなってきた。
何度言ったらわかるの。
私にはエアリスしかいないのよ。
だって、あなたは私が泣いて困っていた時に助けてくれなかったじゃないの。
いじめられていた私を助けてくれたエアリスは、私にとってのヒーローだった。
エアリスは、今頃、何をしているのかしら。
会いたい。
会って、今までの事を謝りたい。
そばにいてあげられなくてごめんね。
これからは、ずっとそばにいるからね、って。
あの時、エアリスは私を守ってくれた。
今度は私が守ってあげる番なのだから。
二階の部屋の窓を開けて、外の景色を眺める。
この家の周辺は、平民といっても裕福な家の人間が多く、家も大きくて、家と家との間隔があいているせいか、とても静か。
だから、風に当たりながら、これからの事を考えようと思った。
それなのに、私はとんでもないものを視界に入れてしまった。
家の前の通りを歩く男性の姿を見て息を呑んだ。
ロンバートだった。
こちらには気付いていないようだったので、慌てて隠れてから薄いカーテンを引いて、隙間から覗き見る。
どうして、彼がこんな所にいるの?
もしかして、私を探して?
「どうかしたのか、オルザベート?」
「な、なんでもないわ! それよりも、もうここは飽きたから、そろそろ新しい場所へ行かない?」
ティンカーは突然のお願いに、不思議そうな顔をしたけれど、嫌とは言わなかった。
彼がどうして、私にこんなに夢中になっているのかわからないけれど、もしかしたら、私は無意識に魅了魔法が使えているのかもしれない。
それとも、私が本当に魅力的なだけ?
もちろん、昔より綺麗になったという自覚はあるわ。
ロンバートがどうしてこんな所にいるのかわからないけれど、きっと私を探しているのね。
そろそろティンカーの見た目に辟易していたし、ロンバートと一緒に過ごしてもいいかもしれない。
もちろん、私の言う事を何でも聞いてくれるという条件にはなるけれど…。
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