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2 もう耐えられない
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ロバートは私に一歩近付いてから言う。
「わかってもらえないなんて残念だよ、アイリス」
「それはこっちの台詞よ。私が家族の悪戯に困っているという事はあなたも知っていたはずでしょう? それなのに一緒になって、こんな事をするなんて!」
「これは悪戯じゃない。愛を試したんだ。わかってくれよ!」
「時と場合というものがあるでしょう? これは度を越してるわ! 愛の試し方なんて他にもあったし、この場でなくても良かった!」
「この場での方が、よりリアル感が出ると思ったんだ! アイリスは俺の事を信じてくれると思ったのに!」
ロバートは一瞬、怒りの表情を見せたけれど、すぐに柔らかな表情になって続ける。
「アイリス。今回は許してあげるよ。これからはこんな悪戯に騙されずに、俺を信じるようにしてくれよな?」
「婚約者を信じられなかった事については謝らないといけないのかもしれないけど…」
「だろう? ほら、仲直りしてあげるよ」
ロバートが手を差し出してきたので、後ろに下がってから言い返そうとした時、背後から男性の声が聞こえてきた。
「まったく、人騒がせだな! そんな演技しなくても、もういいよ。余興ならもう楽しんだんだから、そんなに被害者のフリをするな」
「演技なんてしていません!」
カッとなって言ってしまった。
すると、男性のパートナーらしき女性が彼によりかかって笑う。
「ちょっと止めなさいよ。ここは笑ってあげないと可哀想じゃない。ほら、見てよ。あの必死そうな顔」
「本当だな。必死過ぎて笑えるな」
「そうです、笑ってやって下さい!」
2人の会話を聞いたお父様は「それ見ろ」と言わんばかりに笑顔になって叫んだ。
「ここは笑うところなんですよ!」
「本当に面白いわ」
さっきの2人が私を指差して笑う。
こんな事を認める人達がいるから、余計に家族は悪戯をやめない。
――多くの人は、私を気の毒そうに見ているのに、そんな事にも気付かないなんて!
「ほら、アイリス! 何をしているんだ! お前のせいで場がしらけるじゃないか!」
お父様が私の腕をつかみ、もう片方の手で無理矢理、頭を押さえつけようとした。
「やめてください!」
手を振り払って、お父様から距離を置く。
――騒がせてしまった事には申し訳ないけれど、今ここで謝れば、お父様達を調子にのらせるだけだわ!
あとで、主催のマオニール公爵にお詫びに行かないといけないと考えたあと、お父様に向かって言う。
「この場を騒がしくしたのはお父様達でしょう。まず謝らないといけないのはお父様達です!」
この場にこのまま留まれば、家族からの謝れコールが終わらないと思った私は、とにかく場所を移動する事にした。
その気配に気が付いたのか、お父様が話し始める。
「皆さん、お騒がせしてすみません。謝らない娘の代わりに父親である私が謝ります。これは、家族の間で流行っている遊びです。娘が冗談の通じない奴で申し訳ない! でも、楽しかったでしょう?」
「いや、面白かったよ。特に、そこの女性の必死の表情がさ!」
「ねぇ、ちょっとやめなさいよ! うっふふ」
私を見てニヤニヤ笑っている男女二人を見つめる。
あまり、パーティーに出席しない私だけれど、相手が誰だかわかった。
同じ学園に通っていた同学年の生徒二人だった。
たしか、2人共、子爵家だった気がする。
――私が男爵家だと知ってて馬鹿にしてるのね。人の不幸を見て楽しむだなんて信じられない!
「罰が当たりますように」
そう呟いてから、何も考えずに会場を飛び出した。
「アイリス!」
ロバートが私の名を呼ぶ声が聞こえたけれど、振り返る気にもならなかった。
私が出た場所は中庭につながっているらしく、小さな小道に沿って外灯が照らされているのが見えた。
外灯は薄暗くはあるけれど思った以上に明るく、1人でそのまま外へ出ていく気になれた。
「ああ、もう嫌! うじうじしている自分も嫌! パーティー会場にも家にも帰りたくない。家族なんて論外だし、ロバートの事も許せない。笑っていた2人にも腹が立つ!」
ブツブツ言いながら、綺麗に整備された小道を行く宛もなく進んでいく。
すると、ライトアップされている噴水が見え、その近くにベンチが2つほどあった。
外灯の真下のベンチに座り、紺色のシュミーズドレスの裾をつかんでまくりあげてから座った。
靴を脱ぎ、自由になった足を靴の上に乗せる。
慣れない靴を履いたからか、両足の踵が真っ赤になっていた。
空を見上げると、たくさんの星が輝いている。
夜風が気持ちよくて、少しだけ冷静な気分になり、過去の事を思い返す。
子供の頃は私もわけのわからないまま、家族と一緒になってイタズラをして遊んでいた。
けれど、年齢を重ねるにつれて、イタズラをされる事が鬱陶しくなり、何より、それをする事によって誰かを傷つける恐れがある事に気が付いた。
だから、8歳を過ぎたあたりから、外では悪戯をする事をやめ、1年も経たない内に家の中でも悪戯をやめた。
家族はそれが気に食わなかった。
私が悪戯に無関心になってからは、まるでいじめの様に、悪戯をする対象は私だけになった。
きっと、ターゲットが1人いれば、それで良かったのだと思う。
この国の成人である18歳になったら、住み込みのできる働き先を探して、家族に内緒で家を出ようと思っていた。
すでに働き先の目星もつけている。
家の家計の管理など、家の仕事を今は私がほとんどやっているから、私がいなくなって、少しは困ればいいと思っていた。
イタズラをする事ばかり考えて、家の財政や任された領地の管理を全くしなかったのは両親なのだから、痛い目を見ないとわからないだろうとも思っていた。
ロバートに、この事は話していないけれど、家を出る前に相談して、婚約を継続するか、もしくは解消するかを判断してもらえばいいと思っていた。
彼に伝えていなかったのは、両親に知らせる可能性があったからだ。
あと3ヶ月で18歳の誕生日を迎える。
だから、あともう少し、もう少し、と思いながら耐えてきたのに。
――もう耐えられない!
「どうして私だけが悪いの!? お父様達は悪くないの!? 悪いでしょ!? あの人達はぶん殴られないとわからないの!?」
「君が怪我せずに相手を殴れるなら殴って良かったと思うよ。というか、さっきの騒ぎは何だったの?」
ダンスホールに続く小道の方から、私の叫びに対する答えと質問が返ってきた。
「わかってもらえないなんて残念だよ、アイリス」
「それはこっちの台詞よ。私が家族の悪戯に困っているという事はあなたも知っていたはずでしょう? それなのに一緒になって、こんな事をするなんて!」
「これは悪戯じゃない。愛を試したんだ。わかってくれよ!」
「時と場合というものがあるでしょう? これは度を越してるわ! 愛の試し方なんて他にもあったし、この場でなくても良かった!」
「この場での方が、よりリアル感が出ると思ったんだ! アイリスは俺の事を信じてくれると思ったのに!」
ロバートは一瞬、怒りの表情を見せたけれど、すぐに柔らかな表情になって続ける。
「アイリス。今回は許してあげるよ。これからはこんな悪戯に騙されずに、俺を信じるようにしてくれよな?」
「婚約者を信じられなかった事については謝らないといけないのかもしれないけど…」
「だろう? ほら、仲直りしてあげるよ」
ロバートが手を差し出してきたので、後ろに下がってから言い返そうとした時、背後から男性の声が聞こえてきた。
「まったく、人騒がせだな! そんな演技しなくても、もういいよ。余興ならもう楽しんだんだから、そんなに被害者のフリをするな」
「演技なんてしていません!」
カッとなって言ってしまった。
すると、男性のパートナーらしき女性が彼によりかかって笑う。
「ちょっと止めなさいよ。ここは笑ってあげないと可哀想じゃない。ほら、見てよ。あの必死そうな顔」
「本当だな。必死過ぎて笑えるな」
「そうです、笑ってやって下さい!」
2人の会話を聞いたお父様は「それ見ろ」と言わんばかりに笑顔になって叫んだ。
「ここは笑うところなんですよ!」
「本当に面白いわ」
さっきの2人が私を指差して笑う。
こんな事を認める人達がいるから、余計に家族は悪戯をやめない。
――多くの人は、私を気の毒そうに見ているのに、そんな事にも気付かないなんて!
「ほら、アイリス! 何をしているんだ! お前のせいで場がしらけるじゃないか!」
お父様が私の腕をつかみ、もう片方の手で無理矢理、頭を押さえつけようとした。
「やめてください!」
手を振り払って、お父様から距離を置く。
――騒がせてしまった事には申し訳ないけれど、今ここで謝れば、お父様達を調子にのらせるだけだわ!
あとで、主催のマオニール公爵にお詫びに行かないといけないと考えたあと、お父様に向かって言う。
「この場を騒がしくしたのはお父様達でしょう。まず謝らないといけないのはお父様達です!」
この場にこのまま留まれば、家族からの謝れコールが終わらないと思った私は、とにかく場所を移動する事にした。
その気配に気が付いたのか、お父様が話し始める。
「皆さん、お騒がせしてすみません。謝らない娘の代わりに父親である私が謝ります。これは、家族の間で流行っている遊びです。娘が冗談の通じない奴で申し訳ない! でも、楽しかったでしょう?」
「いや、面白かったよ。特に、そこの女性の必死の表情がさ!」
「ねぇ、ちょっとやめなさいよ! うっふふ」
私を見てニヤニヤ笑っている男女二人を見つめる。
あまり、パーティーに出席しない私だけれど、相手が誰だかわかった。
同じ学園に通っていた同学年の生徒二人だった。
たしか、2人共、子爵家だった気がする。
――私が男爵家だと知ってて馬鹿にしてるのね。人の不幸を見て楽しむだなんて信じられない!
「罰が当たりますように」
そう呟いてから、何も考えずに会場を飛び出した。
「アイリス!」
ロバートが私の名を呼ぶ声が聞こえたけれど、振り返る気にもならなかった。
私が出た場所は中庭につながっているらしく、小さな小道に沿って外灯が照らされているのが見えた。
外灯は薄暗くはあるけれど思った以上に明るく、1人でそのまま外へ出ていく気になれた。
「ああ、もう嫌! うじうじしている自分も嫌! パーティー会場にも家にも帰りたくない。家族なんて論外だし、ロバートの事も許せない。笑っていた2人にも腹が立つ!」
ブツブツ言いながら、綺麗に整備された小道を行く宛もなく進んでいく。
すると、ライトアップされている噴水が見え、その近くにベンチが2つほどあった。
外灯の真下のベンチに座り、紺色のシュミーズドレスの裾をつかんでまくりあげてから座った。
靴を脱ぎ、自由になった足を靴の上に乗せる。
慣れない靴を履いたからか、両足の踵が真っ赤になっていた。
空を見上げると、たくさんの星が輝いている。
夜風が気持ちよくて、少しだけ冷静な気分になり、過去の事を思い返す。
子供の頃は私もわけのわからないまま、家族と一緒になってイタズラをして遊んでいた。
けれど、年齢を重ねるにつれて、イタズラをされる事が鬱陶しくなり、何より、それをする事によって誰かを傷つける恐れがある事に気が付いた。
だから、8歳を過ぎたあたりから、外では悪戯をする事をやめ、1年も経たない内に家の中でも悪戯をやめた。
家族はそれが気に食わなかった。
私が悪戯に無関心になってからは、まるでいじめの様に、悪戯をする対象は私だけになった。
きっと、ターゲットが1人いれば、それで良かったのだと思う。
この国の成人である18歳になったら、住み込みのできる働き先を探して、家族に内緒で家を出ようと思っていた。
すでに働き先の目星もつけている。
家の家計の管理など、家の仕事を今は私がほとんどやっているから、私がいなくなって、少しは困ればいいと思っていた。
イタズラをする事ばかり考えて、家の財政や任された領地の管理を全くしなかったのは両親なのだから、痛い目を見ないとわからないだろうとも思っていた。
ロバートに、この事は話していないけれど、家を出る前に相談して、婚約を継続するか、もしくは解消するかを判断してもらえばいいと思っていた。
彼に伝えていなかったのは、両親に知らせる可能性があったからだ。
あと3ヶ月で18歳の誕生日を迎える。
だから、あともう少し、もう少し、と思いながら耐えてきたのに。
――もう耐えられない!
「どうして私だけが悪いの!? お父様達は悪くないの!? 悪いでしょ!? あの人達はぶん殴られないとわからないの!?」
「君が怪我せずに相手を殴れるなら殴って良かったと思うよ。というか、さっきの騒ぎは何だったの?」
ダンスホールに続く小道の方から、私の叫びに対する答えと質問が返ってきた。
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