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第二部
9 女王陛下の思いつき
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現れたのは、ピンク色の髪をシニヨンにした大きなピンク色のリボンをつけた可愛らしい少女と、その隣には小柄で華奢な体型のセーラ女王陛下よりもはるかに背が高く、すらりとした体型の男性だった。
たぶん、彼が王配のディール殿下なのだと思われる。
私達のいる位置からは少し遠いので、リアムに促されて、ゆっくりと近寄っていくと、余計に女王様の顔が小顔でとても可愛いらしいということがわかった。
そして、その配偶者であるディール殿下も、リアムとは違い、堀の深いワイルドな感じの整った顔立ちで、女性に人気のありそうなお顔をされていた。
お二人が可愛い、そして、格好良いので、ついつい見惚れていると、強く肩を抱き寄せられたので、リアムのほうを見る。
「ど、どうしたんですか?」
「見すぎだよ」
「え? あ、そんなに失礼でしたかね」
「違う。セーラ女王陛下を見るのはいいけど、ディール殿下を見すぎ」
「もっと私を信用してください。そういう気持ちで見ていたんじゃありません」
「そういうように見えたんだけど?」
両思いになるまでは落ち着いたイメージのリアムだったけど、思いが通じ合ってからのリアムは嫉妬深くもなった。
束縛とまではいかないけれど、私が他の男性と一緒にいたりすると、少しだけ不機嫌になる。
たとえ、私が誰かに見惚れたとしても、相手は私になんて興味がないのだから、気にしなくても良いのに。
って、そういう問題じゃなかったりする?
「別に殿下だけを見て、惚けていたわけじゃありません。セーラ女王陛下のことも素敵な方だなあ、と思って見惚れていましたから」
「でも、アイリス、これからは気を付けてね? 最近、気付いたんだけど、僕は嫉妬深いみたいだから」
それは知ってます。
それにしても、私の言葉は彼の耳に届かなかったのかしら?
女王陛下のことも見ていたと言ったはずなんだけど?
そうこうしている内に、女王陛下からの挨拶があり、それが終わると、また先程の様に歓談の時間になった。
会場のど真ん中に、これまたピンク色の椅子が置かれていて、そこに両陛下が座られたので、貴族は順番に挨拶していくことになった。
「僕達も行かないといけないね」
「はい! あの、リアム! 挨拶が終わったら、あっちのスイーツを食べても良いですか?」
少しだけ緊張がほぐれてきたのもあり、リアムに聞いてみると、優しく微笑んでくれる。
「いいよ。食べすぎて苦しくならないようにね」
「加減くらい出来ます!」
ムッとして言い返すと、リアムは微笑んだまま、何も言わずに私の頬を撫でた。
子供扱いされてるわ!
でも、スイーツは食べたいのよね。
だって、住んでる国では見かけないスイーツが並んでるんだもの!
別にスイーツを食べたいという気持ちは、私以外の大人にだってあるんだから、子供扱いしないでほしい。
「何を言われようが私は食べますから。ちょっとくらいワガママ言っても良いと思うんです」
「うん、いいよ。そんな可愛いワガママなら大歓迎だし、アイリスはもっとワガママ言ってもいいんだよ?」
「十分ワガママを言ってるからいいんです!」
リアムが優しすぎて、ついつい意地を張ってしまう。
それに、彼は私よりも大人だからなのか、公爵という自覚からなのか、大人な余裕を見せてくるのが悔しい。
そんなことを思っていたら、ついに私達が挨拶する番になった。
リアムと私が定型文のような挨拶の言葉を述べて頭を下げると、女王陛下は言った。
「可愛らしい奥様ね! それにしても、マオニール公爵は噂で聞いていた通り、本当に素敵だわ!」
女王陛下は壇上から私達を見下ろし、ぱちんと手を打つと叫んだ。
「私、マオニール公爵が欲しいわ!」
「はい?」
私とリアムの聞き返す声が重なった。
たぶん、彼が王配のディール殿下なのだと思われる。
私達のいる位置からは少し遠いので、リアムに促されて、ゆっくりと近寄っていくと、余計に女王様の顔が小顔でとても可愛いらしいということがわかった。
そして、その配偶者であるディール殿下も、リアムとは違い、堀の深いワイルドな感じの整った顔立ちで、女性に人気のありそうなお顔をされていた。
お二人が可愛い、そして、格好良いので、ついつい見惚れていると、強く肩を抱き寄せられたので、リアムのほうを見る。
「ど、どうしたんですか?」
「見すぎだよ」
「え? あ、そんなに失礼でしたかね」
「違う。セーラ女王陛下を見るのはいいけど、ディール殿下を見すぎ」
「もっと私を信用してください。そういう気持ちで見ていたんじゃありません」
「そういうように見えたんだけど?」
両思いになるまでは落ち着いたイメージのリアムだったけど、思いが通じ合ってからのリアムは嫉妬深くもなった。
束縛とまではいかないけれど、私が他の男性と一緒にいたりすると、少しだけ不機嫌になる。
たとえ、私が誰かに見惚れたとしても、相手は私になんて興味がないのだから、気にしなくても良いのに。
って、そういう問題じゃなかったりする?
「別に殿下だけを見て、惚けていたわけじゃありません。セーラ女王陛下のことも素敵な方だなあ、と思って見惚れていましたから」
「でも、アイリス、これからは気を付けてね? 最近、気付いたんだけど、僕は嫉妬深いみたいだから」
それは知ってます。
それにしても、私の言葉は彼の耳に届かなかったのかしら?
女王陛下のことも見ていたと言ったはずなんだけど?
そうこうしている内に、女王陛下からの挨拶があり、それが終わると、また先程の様に歓談の時間になった。
会場のど真ん中に、これまたピンク色の椅子が置かれていて、そこに両陛下が座られたので、貴族は順番に挨拶していくことになった。
「僕達も行かないといけないね」
「はい! あの、リアム! 挨拶が終わったら、あっちのスイーツを食べても良いですか?」
少しだけ緊張がほぐれてきたのもあり、リアムに聞いてみると、優しく微笑んでくれる。
「いいよ。食べすぎて苦しくならないようにね」
「加減くらい出来ます!」
ムッとして言い返すと、リアムは微笑んだまま、何も言わずに私の頬を撫でた。
子供扱いされてるわ!
でも、スイーツは食べたいのよね。
だって、住んでる国では見かけないスイーツが並んでるんだもの!
別にスイーツを食べたいという気持ちは、私以外の大人にだってあるんだから、子供扱いしないでほしい。
「何を言われようが私は食べますから。ちょっとくらいワガママ言っても良いと思うんです」
「うん、いいよ。そんな可愛いワガママなら大歓迎だし、アイリスはもっとワガママ言ってもいいんだよ?」
「十分ワガママを言ってるからいいんです!」
リアムが優しすぎて、ついつい意地を張ってしまう。
それに、彼は私よりも大人だからなのか、公爵という自覚からなのか、大人な余裕を見せてくるのが悔しい。
そんなことを思っていたら、ついに私達が挨拶する番になった。
リアムと私が定型文のような挨拶の言葉を述べて頭を下げると、女王陛下は言った。
「可愛らしい奥様ね! それにしても、マオニール公爵は噂で聞いていた通り、本当に素敵だわ!」
女王陛下は壇上から私達を見下ろし、ぱちんと手を打つと叫んだ。
「私、マオニール公爵が欲しいわ!」
「はい?」
私とリアムの聞き返す声が重なった。
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