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11 夕食前の話し合い
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夕食の時間が近づいてきたので、私とリュカはエマ様の部屋を出た。
リュカが部屋まで送ってくれると言うから、部屋に向かって歩きながら話をすることにした。
「俺が狙われる理由はなんとなくわかってくれたかな?」
「ええ。でも、あなたは何も悪くないし、エマ様への逆恨みも一因のような気がするわね。それにしても諦めたとはいえ、時間を巻き戻してしまう程、陛下はエマ様のことを愛していらっしゃったのに、他の女性と関係を持たれてしまったのはどうしてなの?」
跡継ぎは必要だし、結婚したなら初夜を迎える。
当たり前のことなんでしょうけれど、なんだか複雑だわ。
ソフィー様が可哀想な気もするし、自分がエマ様の立場になるのかとも思うと、余計に嫌だった。
エマ様もそうだと思うけれど、側室は娶らずに、自分だけ見ていてほしいと思ってしまうから。
――って、私ったら、なんて恥ずかしいことを考えてるのかしら!
リュカは私の動揺に気付くこともなく話し始める。
「兄さんのことなんだが、ただの噂というか確証はないから、全面的に信じないでほしいんだけど」
「どうかしたの?」
「もしかしたら兄さんは、父上の子じゃないのかもしれないんだよな」
「どういうこと?」
「父上が言うには身に覚えがないらしい。食事後、急に眠くなって、それから朝までの記憶がないらしい。目覚めたら寝室に運ばれていて、横に裸のソフィー様がいたんだってさ。それを周りに訴えたけど、信じてもらえなかったらしい」
「……なんだか怪しいわね。それきり、国王陛下とソフィー様は体の関係はなかったのかしら?」
「そうみたいだ。警戒した父上は食事さえも部屋でするようになったらしいから」
私は周囲を見回し、問題の人物が近くにいないか確認したあと、小声でリュカに尋ねる。
「そういえば城内でソフィー様と顔を合わせたりすることがあるのかしら?」
「いや、ないな。城内は広いし、偶然バッタリ会うなんてことはない。それに王妃と側室の部屋は城の端と端に用意されたから」
「城の人たちも色々と気を遣ったのね」
他国とはいえ、王家がここまでドロドロした関係だなんて思っていなかったわ。
まだ話足りなかったのでリュカを自分の部屋に招き入れた。
ティーテーブルをはさんで、リュカと向かい合って座る。
人間関係が複雑になってきたので、紙とペンを用意して書き出すことにした。
「頭に叩き込んだら焼いて捨てるから、ちょっと紙に書いて整理させてね?」
「ああ」
「まずは、あなたのほうからね。怪しいのは、あなたの側近のレイクウッド、それからあなたのお兄様、そして、側室のソフィー様ね?」
「ああ。ただ、兄さんが関わっていたとしても、俺を罠にはめようとした発案者ではないと思う」
「どういうこと?」
聞き返すと、リュカは苦笑する。
「一度、兄さんに会ってみてほしい。近い内に紹介するよ」
「お願いするわ。とにかく、私が今、1番にどうにかしないといけないと思っているのはこの人よ」
そう言って、紙に書いていた、ザライス・レイクウッドという名前にマルをつけた。
それと同時に、彼の自分への嫌悪感丸出しの態度を思い出してイライラしてしまった。
だから、怒りをぶつけるように何度も彼の名前の周りにマルを書いていると、最終的に彼の名前が黒く塗りつぶされてしまった。
「リリー、奴に何か言われたり、されたりした?」
そんな私の様子を見て、リュカが呆れた顔をして尋ねてきた。
「初めて会った時もそうだし、何度か顔を合わせるたびに舌打ちとかするのよ、なんなの、あの人! もしかしてリュカが好きだったりする!? 俺のリュカに近付くなという感じで牽制しているの!?」
「好きだったら罠にはめようとしたりしないだろ」
「可愛さ余って憎さ百倍みたいな感じじゃないのかしら」
「勘弁してくれ。絶対にそれはない」
リュカはテーブルに肘をついて頭を抱えながら、私の考えを否定する。
「あいつ、好きな女性がいると思うんだ。だから絶対に違う」
「そうだったの? 相手が誰なのかリュカは知っているの?」
「知らない」
リュカが吐き捨てるように答えた。
「レイクウッドなんだけど、あなたの元婚約者が来た時、なんだか気にしていた様子だったけれど、何かあるのかしら?」
「さあな。昔は色々な話をしたけど、あいつが側近になってからは、プライベートなことは一切話さなくなったんだよ」
「リュカ!」
興味なさげにしているリュカに向かって手を伸ばし、私は彼の左頬をつねる。
「な、なんだよ!?」
「あなたは彼にあんなことをされたのだから、彼と関わりたくない気持ちはわかるわ。だけど、レイクウッドは、自分が裏切ろうとしたことにあなたが気付いているかどうかは半信半疑なはずよ。だから、今は今まで通りを装って、奴の考えを探った方がいいわ!」
「奴って……。しかもレイクウッドって呼び捨てかよ」
「それくらい言ってもいいでしょ。私だって、看守と話をしたんだもの。言葉遣いは悪くなるし、私の言葉遣いの悪さはリュカのせいだとも前に言ったじゃないの!」
「そうだな。看守からは、たしか彼女へのプレゼントをどうしようかとか、リリーは相談されてたもんな」
リュカは独房にいた時のことを思い出したのか笑う。
そしてつねっている私の手を自分の頬から離させた。
でも、なぜか私の手首は掴んだままだ。
「何よ! 看守といっても男爵家の人だったのよ! 言葉は悪かったけど、良い人だったし相談にのってあげただけじゃない!」
「何の見返りもないのに」
「そんなことは見返りを求めてやるものじゃないでしょう?」
「お人好し」
「リュカ!」
掴まれていないほうの手で今度はリュカの右頬をつねろうとした。
でも、つねる前にリュカに右腕を掴まれてしまい、両腕を上げられてしまった。
「リュカ! いつか覚えてなさいよ。リュカよりも強くなって、同じことをしてあげるから!」
「え? この細い腕で? そりゃあ楽しみだ。何年、っていうか一生無理だろうな」
「ううう。リュカって王子のくせに力はあるのね」
「普通の男はリリーよりかは力が強いんじゃないか? それに俺も一応、鍛えてるし」
そう言って、リュカは私の手首を離すと、着ていた白い長袖のシャツの袖をまくりあげて、二の腕の筋肉を見せてくれた。
「すごい! すごいわ! 私もトレーニングをしたら、こんな風になれるかしら!?」
さっきまで怒っていた私だったけれど、目を輝かせて顔の前で手を合わせて叫んだ。
「こんな風になってどうするんだよ?」
「とりあえず、クソ野郎とクソ女を殴るわ!」
クソ野郎が元婚約者、クソ女が元友人と理解しているリュカは、私の言葉を聞いて声を上げて笑った。
リュカが部屋まで送ってくれると言うから、部屋に向かって歩きながら話をすることにした。
「俺が狙われる理由はなんとなくわかってくれたかな?」
「ええ。でも、あなたは何も悪くないし、エマ様への逆恨みも一因のような気がするわね。それにしても諦めたとはいえ、時間を巻き戻してしまう程、陛下はエマ様のことを愛していらっしゃったのに、他の女性と関係を持たれてしまったのはどうしてなの?」
跡継ぎは必要だし、結婚したなら初夜を迎える。
当たり前のことなんでしょうけれど、なんだか複雑だわ。
ソフィー様が可哀想な気もするし、自分がエマ様の立場になるのかとも思うと、余計に嫌だった。
エマ様もそうだと思うけれど、側室は娶らずに、自分だけ見ていてほしいと思ってしまうから。
――って、私ったら、なんて恥ずかしいことを考えてるのかしら!
リュカは私の動揺に気付くこともなく話し始める。
「兄さんのことなんだが、ただの噂というか確証はないから、全面的に信じないでほしいんだけど」
「どうかしたの?」
「もしかしたら兄さんは、父上の子じゃないのかもしれないんだよな」
「どういうこと?」
「父上が言うには身に覚えがないらしい。食事後、急に眠くなって、それから朝までの記憶がないらしい。目覚めたら寝室に運ばれていて、横に裸のソフィー様がいたんだってさ。それを周りに訴えたけど、信じてもらえなかったらしい」
「……なんだか怪しいわね。それきり、国王陛下とソフィー様は体の関係はなかったのかしら?」
「そうみたいだ。警戒した父上は食事さえも部屋でするようになったらしいから」
私は周囲を見回し、問題の人物が近くにいないか確認したあと、小声でリュカに尋ねる。
「そういえば城内でソフィー様と顔を合わせたりすることがあるのかしら?」
「いや、ないな。城内は広いし、偶然バッタリ会うなんてことはない。それに王妃と側室の部屋は城の端と端に用意されたから」
「城の人たちも色々と気を遣ったのね」
他国とはいえ、王家がここまでドロドロした関係だなんて思っていなかったわ。
まだ話足りなかったのでリュカを自分の部屋に招き入れた。
ティーテーブルをはさんで、リュカと向かい合って座る。
人間関係が複雑になってきたので、紙とペンを用意して書き出すことにした。
「頭に叩き込んだら焼いて捨てるから、ちょっと紙に書いて整理させてね?」
「ああ」
「まずは、あなたのほうからね。怪しいのは、あなたの側近のレイクウッド、それからあなたのお兄様、そして、側室のソフィー様ね?」
「ああ。ただ、兄さんが関わっていたとしても、俺を罠にはめようとした発案者ではないと思う」
「どういうこと?」
聞き返すと、リュカは苦笑する。
「一度、兄さんに会ってみてほしい。近い内に紹介するよ」
「お願いするわ。とにかく、私が今、1番にどうにかしないといけないと思っているのはこの人よ」
そう言って、紙に書いていた、ザライス・レイクウッドという名前にマルをつけた。
それと同時に、彼の自分への嫌悪感丸出しの態度を思い出してイライラしてしまった。
だから、怒りをぶつけるように何度も彼の名前の周りにマルを書いていると、最終的に彼の名前が黒く塗りつぶされてしまった。
「リリー、奴に何か言われたり、されたりした?」
そんな私の様子を見て、リュカが呆れた顔をして尋ねてきた。
「初めて会った時もそうだし、何度か顔を合わせるたびに舌打ちとかするのよ、なんなの、あの人! もしかしてリュカが好きだったりする!? 俺のリュカに近付くなという感じで牽制しているの!?」
「好きだったら罠にはめようとしたりしないだろ」
「可愛さ余って憎さ百倍みたいな感じじゃないのかしら」
「勘弁してくれ。絶対にそれはない」
リュカはテーブルに肘をついて頭を抱えながら、私の考えを否定する。
「あいつ、好きな女性がいると思うんだ。だから絶対に違う」
「そうだったの? 相手が誰なのかリュカは知っているの?」
「知らない」
リュカが吐き捨てるように答えた。
「レイクウッドなんだけど、あなたの元婚約者が来た時、なんだか気にしていた様子だったけれど、何かあるのかしら?」
「さあな。昔は色々な話をしたけど、あいつが側近になってからは、プライベートなことは一切話さなくなったんだよ」
「リュカ!」
興味なさげにしているリュカに向かって手を伸ばし、私は彼の左頬をつねる。
「な、なんだよ!?」
「あなたは彼にあんなことをされたのだから、彼と関わりたくない気持ちはわかるわ。だけど、レイクウッドは、自分が裏切ろうとしたことにあなたが気付いているかどうかは半信半疑なはずよ。だから、今は今まで通りを装って、奴の考えを探った方がいいわ!」
「奴って……。しかもレイクウッドって呼び捨てかよ」
「それくらい言ってもいいでしょ。私だって、看守と話をしたんだもの。言葉遣いは悪くなるし、私の言葉遣いの悪さはリュカのせいだとも前に言ったじゃないの!」
「そうだな。看守からは、たしか彼女へのプレゼントをどうしようかとか、リリーは相談されてたもんな」
リュカは独房にいた時のことを思い出したのか笑う。
そしてつねっている私の手を自分の頬から離させた。
でも、なぜか私の手首は掴んだままだ。
「何よ! 看守といっても男爵家の人だったのよ! 言葉は悪かったけど、良い人だったし相談にのってあげただけじゃない!」
「何の見返りもないのに」
「そんなことは見返りを求めてやるものじゃないでしょう?」
「お人好し」
「リュカ!」
掴まれていないほうの手で今度はリュカの右頬をつねろうとした。
でも、つねる前にリュカに右腕を掴まれてしまい、両腕を上げられてしまった。
「リュカ! いつか覚えてなさいよ。リュカよりも強くなって、同じことをしてあげるから!」
「え? この細い腕で? そりゃあ楽しみだ。何年、っていうか一生無理だろうな」
「ううう。リュカって王子のくせに力はあるのね」
「普通の男はリリーよりかは力が強いんじゃないか? それに俺も一応、鍛えてるし」
そう言って、リュカは私の手首を離すと、着ていた白い長袖のシャツの袖をまくりあげて、二の腕の筋肉を見せてくれた。
「すごい! すごいわ! 私もトレーニングをしたら、こんな風になれるかしら!?」
さっきまで怒っていた私だったけれど、目を輝かせて顔の前で手を合わせて叫んだ。
「こんな風になってどうするんだよ?」
「とりあえず、クソ野郎とクソ女を殴るわ!」
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