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13 公爵家からの申し出
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私の予想通り、ラフリード様は近視だった。眼鏡をかけている時は、相手がはっきり見えるので目を細めなくて済む。
すると、爽やかな美青年になり、眼鏡がなければ、愛想の悪い美青年というわけだ。
しかもいつもは真っ黒な服装なのに、使者の時には真っ白な服という極端なことをしているから、判断を鈍らせる。
かといって、数回しか会っていない私にも気づくことができるのだから、イメージチェンジだと言われてしまえばそれまで、と言ったところか。
「どうしてずっと眼鏡をかけておかないのですか?」
「公爵令息だから威厳があったほうが良いだろう。眼鏡をかけていると、物腰が柔らかく見えるそうだ」
「話し方もまったく違いますよね」
「眼鏡をかけている時は、爽やかな青年ってやつを演じている」
「使い分けているのですね」
納得すると、ラフリード様は長い脚を組んで頷く。
「さっきの君の義妹のような反応を見せる人物が一定数はいるから、人を見極めるのにちょうど良い」
「明らかに気づいてませんでしたね」
フララさんは義母のウララ様と同じでお金が好きみたい。公爵家からの使者だし、変装したラフリード様のことを、顔は知らないけれど高位貴族だと思って媚びようとしていた。
「彼女は君の夫と関係を持っているのに、俺に声をかけようとしてきていたな」
「お金を持っている人なら誰でも良いのかもしれません」
「そうか。なら、弟や俺もターゲットにされる可能性があるのか」
呆れた表情のラフリード様に尋ねる。
「とても有り難いことは確かなのですが、どうしてラフリード様自らが来てくださったのです?」
「知らなかったとはいえ、間接的に浮気の手助けをしていた。ジゼル公爵家は君に申し訳ないことをしたと思っている。だから、人任せにしないことにした」
「浮気をしたのは私の夫です。迷惑をかけられたのはジゼル公爵家だと思います」
「いや、もっと早くに気づいていれば、君と夫の関係を修復できたかもしれないだろう」
修復したいかと言われてもそうではないのよね。
「気になさらないでください。同じ家に住み続けるのでしたら、どうせまた浮気するでしょう」
トータムの場合、今は火がついている状態で、冷めたら私の所に戻ってくるかもしれない。
ただ、今の私は彼を許してあげられる自信がない。それなら時間を無駄にしないためにも別れるべきだ。
そのことを伝えると、ラフリード様は難しい顔をして言う。
「今日は公爵家に滞在して、母と今後のことを話をしてもらいたい。女性同士のほうが話しやすいだろう」
「あの……、お気持ちはとてもありがたいのですが、そこまでしていただくわけにはいきません」
トータムに舐めたことをされたことで腹を立てるのはわかる。だけど、私の面倒を見る必要はないわ。
「ファルナがご立腹でな。彼女を可愛がっているディーラス公爵夫妻から、ビレディ侯爵夫人が幸せになるような結果を出せないなら、アリムとの婚約を解消すると言われた」
そこまで言ったあと、ラフリード様は大きなため息を吐く。
「アリムがファルナに夢中なのは知っているだろう?」
「お二人は仲が良いことで有名ですから」
ディーラス公爵夫妻にしてみれば、くだらない浮気騒動を解決できない家に大事な娘をやれないといったところなのでしょう。
ファルナ様もアリム様のことを慕っているはず。それなのに婚約解消だなんて……。
もう、うだうだ考えている場合ではないわね。
「わかりました。お言葉に甘えて離婚に向けての相談をさせていただきます。そして、厚かましいとわかっていますが、一つお願いしたいことがあります」
「なんだ?」
公爵家の力を借りたほうが、トータムたちに考えていた以上のダメージを与えられるはず。
それに、どうしても調べたいことがあった。
「義父が亡くなる前の義母のことを調べていただきたいのです」
「どういうことだ?」
「父の病状の悪化具合が不自然だとお医者様がこぼしておられたのです。私が嫁ぐまで義父の看病をしていたのは、下の世話以外は義母一人です。今回のことで義母を信用できなくなり確認したくなったのです」
回復していたのに、急激に悪化することもある。怪しいところが何もなければそれで良い。
父の死にまだ納得がいっていない私は、ラフリード様にそうお願いしたのだった。
すると、爽やかな美青年になり、眼鏡がなければ、愛想の悪い美青年というわけだ。
しかもいつもは真っ黒な服装なのに、使者の時には真っ白な服という極端なことをしているから、判断を鈍らせる。
かといって、数回しか会っていない私にも気づくことができるのだから、イメージチェンジだと言われてしまえばそれまで、と言ったところか。
「どうしてずっと眼鏡をかけておかないのですか?」
「公爵令息だから威厳があったほうが良いだろう。眼鏡をかけていると、物腰が柔らかく見えるそうだ」
「話し方もまったく違いますよね」
「眼鏡をかけている時は、爽やかな青年ってやつを演じている」
「使い分けているのですね」
納得すると、ラフリード様は長い脚を組んで頷く。
「さっきの君の義妹のような反応を見せる人物が一定数はいるから、人を見極めるのにちょうど良い」
「明らかに気づいてませんでしたね」
フララさんは義母のウララ様と同じでお金が好きみたい。公爵家からの使者だし、変装したラフリード様のことを、顔は知らないけれど高位貴族だと思って媚びようとしていた。
「彼女は君の夫と関係を持っているのに、俺に声をかけようとしてきていたな」
「お金を持っている人なら誰でも良いのかもしれません」
「そうか。なら、弟や俺もターゲットにされる可能性があるのか」
呆れた表情のラフリード様に尋ねる。
「とても有り難いことは確かなのですが、どうしてラフリード様自らが来てくださったのです?」
「知らなかったとはいえ、間接的に浮気の手助けをしていた。ジゼル公爵家は君に申し訳ないことをしたと思っている。だから、人任せにしないことにした」
「浮気をしたのは私の夫です。迷惑をかけられたのはジゼル公爵家だと思います」
「いや、もっと早くに気づいていれば、君と夫の関係を修復できたかもしれないだろう」
修復したいかと言われてもそうではないのよね。
「気になさらないでください。同じ家に住み続けるのでしたら、どうせまた浮気するでしょう」
トータムの場合、今は火がついている状態で、冷めたら私の所に戻ってくるかもしれない。
ただ、今の私は彼を許してあげられる自信がない。それなら時間を無駄にしないためにも別れるべきだ。
そのことを伝えると、ラフリード様は難しい顔をして言う。
「今日は公爵家に滞在して、母と今後のことを話をしてもらいたい。女性同士のほうが話しやすいだろう」
「あの……、お気持ちはとてもありがたいのですが、そこまでしていただくわけにはいきません」
トータムに舐めたことをされたことで腹を立てるのはわかる。だけど、私の面倒を見る必要はないわ。
「ファルナがご立腹でな。彼女を可愛がっているディーラス公爵夫妻から、ビレディ侯爵夫人が幸せになるような結果を出せないなら、アリムとの婚約を解消すると言われた」
そこまで言ったあと、ラフリード様は大きなため息を吐く。
「アリムがファルナに夢中なのは知っているだろう?」
「お二人は仲が良いことで有名ですから」
ディーラス公爵夫妻にしてみれば、くだらない浮気騒動を解決できない家に大事な娘をやれないといったところなのでしょう。
ファルナ様もアリム様のことを慕っているはず。それなのに婚約解消だなんて……。
もう、うだうだ考えている場合ではないわね。
「わかりました。お言葉に甘えて離婚に向けての相談をさせていただきます。そして、厚かましいとわかっていますが、一つお願いしたいことがあります」
「なんだ?」
公爵家の力を借りたほうが、トータムたちに考えていた以上のダメージを与えられるはず。
それに、どうしても調べたいことがあった。
「義父が亡くなる前の義母のことを調べていただきたいのです」
「どういうことだ?」
「父の病状の悪化具合が不自然だとお医者様がこぼしておられたのです。私が嫁ぐまで義父の看病をしていたのは、下の世話以外は義母一人です。今回のことで義母を信用できなくなり確認したくなったのです」
回復していたのに、急激に悪化することもある。怪しいところが何もなければそれで良い。
父の死にまだ納得がいっていない私は、ラフリード様にそうお願いしたのだった。
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