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18 公爵令息の来訪 ①
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トータムが家にいるようになり、ウララ様は私に仕事を押し付けることができなくなった。
そのため、彼女は私が使っていた執務室に籠もっており、ここ最近は顔を合わせずに済んでいた。
フララさんは使者について教えてほしいとしつこく言ってきたけれど、本人に確認してほしいと突っぱねた。
次の日のティータイムの時間。空を見ると曇天で遠くのほうの空には黒くて厚い雲が見えた。
窓を開けると、雨雲が近づいてきているのか雨の匂いがした。
今日は泊まっていってもらったほうがよさそうね。
ラフリード様のことだから、近くに宿をとっているでしょうけれど、雨の日の夜の移動は特に危険だ。
次期公爵に何かあってはいけないわ。
でも、ビレディ侯爵家にいるのも嫌かしら。断られた時は断られた時ね。何も用意しないよりも良いわ。
そう考えた私は、屋敷内にいる数少ないまともなメイドに、今すぐに複数の客室が使えるように準備してほしいと伝え、もうすぐ来るであろう、ラフリード様を待つことにした。
1時間後、使者の格好をしたラフリード様がやって来た。
トータムとウララ様は出迎えには来ず、私とフララさんがエントランスホールで、彼を歓迎した。
「お久しぶりです! 先日はありがとうございました」
フララさんはラフリード様に近づき、上目遣いで彼を見つめた。トータム含む、多くの男性は彼女にこんな目で見られたら骨抜きになってしまうのでしょう。
だが、ラフリード様に彼女の上目遣い攻撃は効かなかった。
彼は貼り付けたような笑顔でフララ様に挨拶すると、私に目を向けた。私はカーテシーをして挨拶する。
「本日は足元の悪い中、足を運んでいただきありがとうございました」
「日程はこちらが決めたのですから、お気になさらず。急に押しかけてしまい申し訳ございません」
「とんでもないことでございます。今日はぜひ泊まっていってくださいませ。御者や騎士が休める部屋も用意させていただいています」
「ありがとうございます。気持ちはとても有り難いのですが、宿を取っておりますので遠慮させていただきます」
「残念ですが無理強いはできません。暗くならないうちにここを出たほうがよろしいですわね」
ウララ様についての話を聞きたいけれど、ラフリード様に身の危険のリスクが少しでもないことが一番だ。
でもそうなると、ウララ様のことについての話はいつ聞けるのかしら。明日、泊まっている宿屋に向かえば良いの?
「ぜひ泊まっていってくださいませ。色々とお礼をして差し上げたいんです」
必要以上に近づこうとするフララさんの前に、屈強な騎士が立ちはだかったため、彼女は渋々といった様子で後ろに下がった。
色々とお礼の内容が気になるけど、どうせ碌でもないことでしょう
「応接にご案内いたします」
話が途切れると、メイドではなく私がラフリード様を応接室まで案内することにした。フララさんも付いてきて、一緒に応接室の中に入ってこようとしたが、入られる前に扉を閉めた。
「ちょっ、ちょっと! 開けてくださいよ!」
フララさんを無視し、ラフリード様に話しかける。
「すぐに当主がまいりますので、少しお待ちくださいね」
「承知した」
「開けてください! まだ、お礼を言えてないんです!」
フララさんがドンドンと扉を叩きながら叫んでいると、トータムがやって来た。
素早く鍵を解錠して、彼が入ってくるのを待つ。
「何を騒いでいるんだよ」
「だってえ! ミアリナ様が意地悪するんだもの!」
「おい、ミアリナ! 何をしているんだよ」
廊下で騒ぐトータムに答える。
「開いているわよ」
トータムは苦虫を噛み潰したような顔で、フララさんと一緒に入ってきた。
「……何を遊んでいるんだ」
「フララさんがうるさかったから、迷惑にならないようにしただけよ」
「勝手なことをしないでくれ」
そう言うと、トータムはソファに座っているラフリード様に目を向ける。
「ようこそ、ビレディ侯爵家へ。先日は妹がお世話になりました」
「いいえ。たまたま持っていたものが効いて良かったです」
あんなものをたまたま持っていることなんて滅多にないのですけどね。
「ところで、あなたは一体誰なのです?」
トータムはまだラフリード様だと気づいていないようで、敵意をむき出しにして尋ねた。
そのため、彼女は私が使っていた執務室に籠もっており、ここ最近は顔を合わせずに済んでいた。
フララさんは使者について教えてほしいとしつこく言ってきたけれど、本人に確認してほしいと突っぱねた。
次の日のティータイムの時間。空を見ると曇天で遠くのほうの空には黒くて厚い雲が見えた。
窓を開けると、雨雲が近づいてきているのか雨の匂いがした。
今日は泊まっていってもらったほうがよさそうね。
ラフリード様のことだから、近くに宿をとっているでしょうけれど、雨の日の夜の移動は特に危険だ。
次期公爵に何かあってはいけないわ。
でも、ビレディ侯爵家にいるのも嫌かしら。断られた時は断られた時ね。何も用意しないよりも良いわ。
そう考えた私は、屋敷内にいる数少ないまともなメイドに、今すぐに複数の客室が使えるように準備してほしいと伝え、もうすぐ来るであろう、ラフリード様を待つことにした。
1時間後、使者の格好をしたラフリード様がやって来た。
トータムとウララ様は出迎えには来ず、私とフララさんがエントランスホールで、彼を歓迎した。
「お久しぶりです! 先日はありがとうございました」
フララさんはラフリード様に近づき、上目遣いで彼を見つめた。トータム含む、多くの男性は彼女にこんな目で見られたら骨抜きになってしまうのでしょう。
だが、ラフリード様に彼女の上目遣い攻撃は効かなかった。
彼は貼り付けたような笑顔でフララ様に挨拶すると、私に目を向けた。私はカーテシーをして挨拶する。
「本日は足元の悪い中、足を運んでいただきありがとうございました」
「日程はこちらが決めたのですから、お気になさらず。急に押しかけてしまい申し訳ございません」
「とんでもないことでございます。今日はぜひ泊まっていってくださいませ。御者や騎士が休める部屋も用意させていただいています」
「ありがとうございます。気持ちはとても有り難いのですが、宿を取っておりますので遠慮させていただきます」
「残念ですが無理強いはできません。暗くならないうちにここを出たほうがよろしいですわね」
ウララ様についての話を聞きたいけれど、ラフリード様に身の危険のリスクが少しでもないことが一番だ。
でもそうなると、ウララ様のことについての話はいつ聞けるのかしら。明日、泊まっている宿屋に向かえば良いの?
「ぜひ泊まっていってくださいませ。色々とお礼をして差し上げたいんです」
必要以上に近づこうとするフララさんの前に、屈強な騎士が立ちはだかったため、彼女は渋々といった様子で後ろに下がった。
色々とお礼の内容が気になるけど、どうせ碌でもないことでしょう
「応接にご案内いたします」
話が途切れると、メイドではなく私がラフリード様を応接室まで案内することにした。フララさんも付いてきて、一緒に応接室の中に入ってこようとしたが、入られる前に扉を閉めた。
「ちょっ、ちょっと! 開けてくださいよ!」
フララさんを無視し、ラフリード様に話しかける。
「すぐに当主がまいりますので、少しお待ちくださいね」
「承知した」
「開けてください! まだ、お礼を言えてないんです!」
フララさんがドンドンと扉を叩きながら叫んでいると、トータムがやって来た。
素早く鍵を解錠して、彼が入ってくるのを待つ。
「何を騒いでいるんだよ」
「だってえ! ミアリナ様が意地悪するんだもの!」
「おい、ミアリナ! 何をしているんだよ」
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「開いているわよ」
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