【完結】異世界召喚されたのはこの俺で間違いない?

苔原りゐ

文字の大きさ
1 / 68

異世界ガチャ外れました(1/3 修正)

しおりを挟む
俺の人生は、つまらないものだった。

高校中退後、何の目標もなく、漠然とフリーターの道を選んだ。
日々の仕事は単調で、未来に対する希望なんて一切なかった。
何をしても面白くなく、ただ時間が過ぎるのを待つだけの生活。
自分に何か特別な才能があるわけでもなく、友人もいなければ、家族とは疎遠だった。

誰にも期待されることはない。だから、むしろ気楽だと思っていた。
誰かに責任を負わされることも、強制されることもなく、こんな毎日を送ることが、自分の性にあってる、そんな風に自分を誤魔化しながら過ごしていた。

ある意味、無気力なまま日常が続くことに、俺は安堵していたのかもしれない。
何かを変えたいとも思わなかった。
目の前に広がるのは、ただの無機質な日々だけだ。

その日も、何の変わりもない普通の朝だった。
薄暗い部屋で、スマホをいじりながら、アニメを見て、昼になったらコンビニで買った弁当を食べる。
それでまた一日が過ぎる。そんな毎日が、俺にとっては退屈だが、唯一の安定だと思っていた。

だが、突然、その平凡な日常は音もなく崩れ去った。

「――っ!?」

気づいたとき、俺は道路に横たわっていた。
頭がガンガン痛み、耳鳴りがして、視界がぼやけている。
遠くからかすかに誰かの声が聞こえた。

「誰か、救急車を呼んで!」

何が起きたのか理解する暇もなく、その声が、徐々に遠のいていく。
体が冷たくなっていく感覚を覚えながら、俺はぼんやりと思った。

「ああ、俺、死ぬんだな……」

そこに対する後悔は一切なかった。
これが俺の人生の終わりだと受け入れるしかなかった。
もし後悔があるとすれば、もっとまともな人生を送りたかったという思いだけだった。
けれども、もうそれもどうしようもないことだ。

次の瞬間、まばゆい光に包まれた。
目を開けると、俺は何処かで見たような場所にいた。
豪華絢爛、玲瓏たるステンドグラスの天窓、玉座の間とでも言った所か。
目の前には、不釣り合いなほど立派な王冠をかぶった小太りの男が偉そうに足を組んで座っている。
その男は、俺を見下ろしながら不愉快そうに言った。

「おい、このザコが勇者だと?」

その場にいたのは、立派な服を着た家臣たちで、みんなが俺に嘲笑を浴びせている。
信じられない光景だった。理解できなかった。

「貴様、どこの物乞いだ? 奴隷でももっとまともな服装をしている、勇者らしさの欠片もないではないか。」

その言葉が心に刺さる。
俺はただ呆然とするしかなかった。
何が起こったのか、何のためにここにいるのか、全く分からない。
ただ一つ言えるのは、この場にいることが場違いでかつ不愉快だということだけだ。

小太りの男は、俺を指差しながら、冷ややかに言い放った。

「使えんようなら処分すればいい。異世界召喚に手間がかかったというのに、このザマか。
いや、まぁ、魔王討伐の囮ぐらいにはなるだろう。」

周りの家臣たちがその言葉に賛同し、嘲笑の声を上げる。

「なぁに、せいぜい死ぬ前に役に立てよ。
お前の命など、この国では犬の糞ほどの価値もないのだからな!」

その言葉で俺は決めた、少なくとも俺はこの世界を救わないだろう。

怒りと困惑が入り混じり、どうしてこんなことが自分に降りかかるのか分からなかった。

心の中で、せめて一発くらいぶん殴ってやろうかとも思ったが、体は動かなかった。

言い返すこともできず、ただ拳を握りしめることしかできなかった。

「さて、時間も勿体無い、その薄汚いエルフの末裔を追い出せ!」

男が背後の扉を指さすと、衛兵たちが俺の腕を無理矢理掴み、乱暴に引きずり出す。

ああ、もう最悪だ……。転生したら最高の人生が待っているんじゃないのかよ!

こうして、俺の異世界生活が始まった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

無限に進化を続けて最強に至る

お寿司食べたい
ファンタジー
突然、居眠り運転をしているトラックに轢かれて異世界に転生した春風 宝。そこで女神からもらった特典は「倒したモンスターの力を奪って無限に強くなる」だった。 ※よくある転生ものです。良ければ読んでください。 不定期更新 初作 小説家になろうでも投稿してます。 文章力がないので悪しからず。優しくアドバイスしてください。 改稿したので、しばらくしたら消します

異世界転生はどん底人生の始まり~一時停止とステータス強奪で快適な人生を掴み取る!

夢・風魔
ファンタジー
若くして死んだ男は、異世界に転生した。恵まれた環境とは程遠い、ダンジョンの上層部に作られた居住区画で孤児として暮らしていた。 ある日、ダンジョンモンスターが暴走するスタンピードが発生し、彼──リヴァは死の縁に立たされていた。 そこで前世の記憶を思い出し、同時に転生特典のスキルに目覚める。 視界に映る者全ての動きを停止させる『一時停止』。任意のステータスを一日に1だけ奪い取れる『ステータス強奪』。 二つのスキルを駆使し、リヴァは地上での暮らしを夢見て今日もダンジョンへと潜る。 *カクヨムでも先行更新しております。

爺さんの異世界建国記 〜荒廃した異世界を農業で立て直していきます。いきなりの土作りはうまくいかない。

秋田ノ介
ファンタジー
  88歳の爺さんが、異世界に転生して農業の知識を駆使して建国をする話。  異世界では、戦乱が絶えず、土地が荒廃し、人心は乱れ、国家が崩壊している。そんな世界を司る女神から、世界を救うように懇願される。爺は、耳が遠いせいで、村長になって村人が飢えないようにしてほしいと頼まれたと勘違いする。  その願いを叶えるために、農業で村人の飢えをなくすことを目標にして、生活していく。それが、次第に輪が広がり世界の人々に希望を与え始める。戦争で成人男性が極端に少ない世界で、13歳のロッシュという若者に転生した爺の周りには、ハーレムが出来上がっていく。徐々にその地に、流浪をしている者たちや様々な種族の者たちが様々な思惑で集まり、国家が出来上がっていく。  飢えを乗り越えた『村』は、王国から狙われることとなる。強大な軍事力を誇る王国に対して、ロッシュは知恵と知識、そして魔法や仲間たちと協力して、その脅威を乗り越えていくオリジナル戦記。  完結済み。全400話、150万字程度程度になります。元は他のサイトで掲載していたものを加筆修正して、掲載します。一日、少なくとも二話は更新します。  

異世界に転生したけど、頭打って記憶が・・・え?これってチート?

よっしぃ
ファンタジー
よう!俺の名はルドメロ・ララインサルって言うんだぜ! こう見えて高名な冒険者・・・・・になりたいんだが、何故か何やっても俺様の思うようにはいかないんだ! これもみんな小さい時に頭打って、記憶を無くしちまったからだぜ、きっと・・・・ どうやら俺は、転生?って言うので、神によって異世界に送られてきたらしいんだが、俺様にはその記憶がねえんだ。 周りの奴に聞くと、俺と一緒にやってきた連中もいるって話だし、スキルやらステータスたら、アイテムやら、色んなものをポイントと交換して、15の時にその、特別なポイントを取得し、冒険者として成功してるらしい。ポイントって何だ? 俺もあるのか?取得の仕方がわかんねえから、何にもないぜ?あ、そう言えば、消えないナイフとか持ってるが、あれがそうなのか?おい、記憶をなくす前の俺、何取得してたんだ? それに、俺様いつの間にかペット(フェンリルとドラゴン)2匹がいるんだぜ! よく分からんが何時の間にやら婚約者ができたんだよな・・・・ え?俺様チート持ちだって?チートって何だ? @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ 話を進めるうちに、少し内容を変えさせて頂きました。

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

異世界転生した俺は、産まれながらに最強だった。

桜花龍炎舞
ファンタジー
主人公ミツルはある日、不慮の事故にあい死んでしまった。 だが目がさめると見知らぬ美形の男と見知らぬ美女が目の前にいて、ミツル自身の身体も見知らぬ美形の子供に変わっていた。 そして更に、恐らく転生したであろうこの場所は剣や魔法が行き交うゲームの世界とも思える異世界だったのである。 異世界転生 × 最強 × ギャグ × 仲間。 チートすぎる俺が、神様より自由に世界をぶっ壊す!? “真面目な展開ゼロ”の爽快異世界バカ旅、始動!

大国に囲まれた小国の「魔素無し第四王子」戦記(最強部隊を率いて新王国樹立へ)

たぬころまんじゅう
ファンタジー
 小国の第四王子アルス。魔素による身体強化が当たり前の時代に、王族で唯一魔素が無い王子として生まれた彼は、蔑まれる毎日だった。  しかしある日、ひょんなことから無限に湧き出る魔素を身体に取り込んでしまった。その日を境に彼の人生は劇的に変わっていく。  士官学校に入り「戦略」「戦術」「武術」を学び、仲間を集めたアルスは隊を結成。アルス隊が功績を挙げ、軍の中で大きな存在になっていくと様々なことに巻き込まれていく。  領地経営、隣国との戦争、反乱、策略、ガーネット教や3大ギルドによる陰謀にちらつく大国の影。様々な経験を経て「最強部隊」と呼ばれたアルス隊は遂に新王国樹立へ。 異能バトル×神算鬼謀の戦略・戦術バトル! 圧倒的不利な状況を武と知略で切り抜ける! ☆史実に基づいた戦史、宗教史、過去から現代の政治や思想、経済を取り入れて書いた大河ドラマをお楽しみください☆

僕だけレベル1~レベルが上がらず無能扱いされた僕はパーティーを追放された。実は神様の不手際だったらしく、お詫びに最強スキルをもらいました~

いとうヒンジ
ファンタジー
 ある日、イチカ・シリルはパーティーを追放された。  理由は、彼のレベルがいつまでたっても「1」のままだったから。  パーティーメンバーで幼馴染でもあるキリスとエレナは、ここぞとばかりにイチカを罵倒し、邪魔者扱いする。  友人だと思っていた幼馴染たちに無能扱いされたイチカは、失意のまま家路についた。  その夜、彼は「カミサマ」を名乗る少女と出会い、自分のレベルが上がらないのはカミサマの所為だったと知る。  カミサマは、自身の不手際のお詫びとしてイチカに最強のスキルを与え、これからは好きに生きるようにと助言した。  キリスたちは力を得たイチカに仲間に戻ってほしいと懇願する。だが、自分の気持ちに従うと決めたイチカは彼らを見捨てて歩き出した。  最強のスキルを手に入れたイチカ・シリルの新しい冒険者人生が、今幕を開ける。

処理中です...