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翌日の夜。
風呂に入って、ちょうど半分くらい身体を洗ったところで――ドンドン! と浴室の扉が乱暴に叩かれた。
「兄貴! 兄貴! ヤバい、トイレ、マジで爆発しそう! 早く開けて!」
……はぁ。
俺は自分の裸を見下ろし、ため息をついた。
「ちょっと待て。服着るから」
――しまった。替えの服、持ってくるの忘れてた。
理光に取って来てもらおうか……いや、でも。
「もういいって! 男同士だろ! 俺、本当に限界! マジで漏れるって!」
外から必死に叩く音が続く。
仕方なく視線を泳がせると、壁に大きめの服が一枚かかっているのが目に入った。
考える暇もなく、身体を拭くことすらせずにそれをかぶり、急いで扉を開けた。
開けた瞬間、浴室の熱気が一気に外へあふれ出す。
理光は扉の前で立ち尽くし、俺の濡れた髪から胸元、そして足先まで――ゆっくりと視線を滑らせた。
呆けたように俺を見つめる理光。
「……爆発するんじゃなかったのか。早く行けよ」
顔が一気に熱を帯び、耳まで真っ赤になった俺は、慌てて道を譲った。
――うちの寮は四人部屋だが、実際に住んでいるのは光希と理光だけ。
他の二人は一つ上の先輩で、彼女と外に部屋を借りているのだ。
その夜、ベッドに入ってうとうとしかけたときだった。
「なぁ、兄貴」
声がして目を開けると、ベッド脇に人影が立っていた。
大きな体躯――理光だった。
「……理光!? お前、驚かすなよ!」
言う間もなく、俺の体は押し込まれ、布団がめくられる。
そして理光がそのまま俺のベッドに潜り込んできた。
「おい、お前……何してんだ!」
壁際に追いやられた俺に、理光は平然と答える。
「ホラー映画見たらさ……なんか怖くなっちゃって」
……お前、その身長で何言ってんだよ。
苦笑しながら押し返そうとするが、理光は俺の手を抑え込み、さらに足まで絡めて身動きを封じてくる。
「正確に言うと、0.5秒前からもうヤバい。俺、マジで怖いもんは怖いんだよ」
そう言いながら、ぎゅうっと抱き締めてきた。
しばらくすると声もなくなり、寝たのかと思って身じろぎした瞬間――大きな手が俺の動きを止めた。
「兄貴……さっきお前が着てたの、俺の服だったよな」
真っ暗な闇の中、顔が一気に熱くなる。
必死に平静を装いながら答えた。
「忘れてただけだ。替えの服」
それ以上言葉は続かず、けれども空気は妙に熱を帯びて――沈黙が余計に心臓をかき乱す。
……そんな時、寮の廊下から複数の男子の足音と笑い声が響き、直後に宿管のおばちゃんの怒鳴り声が飛んだ。
「夜中に騒ぐな! いい加減に寝ろ!」
風呂に入って、ちょうど半分くらい身体を洗ったところで――ドンドン! と浴室の扉が乱暴に叩かれた。
「兄貴! 兄貴! ヤバい、トイレ、マジで爆発しそう! 早く開けて!」
……はぁ。
俺は自分の裸を見下ろし、ため息をついた。
「ちょっと待て。服着るから」
――しまった。替えの服、持ってくるの忘れてた。
理光に取って来てもらおうか……いや、でも。
「もういいって! 男同士だろ! 俺、本当に限界! マジで漏れるって!」
外から必死に叩く音が続く。
仕方なく視線を泳がせると、壁に大きめの服が一枚かかっているのが目に入った。
考える暇もなく、身体を拭くことすらせずにそれをかぶり、急いで扉を開けた。
開けた瞬間、浴室の熱気が一気に外へあふれ出す。
理光は扉の前で立ち尽くし、俺の濡れた髪から胸元、そして足先まで――ゆっくりと視線を滑らせた。
呆けたように俺を見つめる理光。
「……爆発するんじゃなかったのか。早く行けよ」
顔が一気に熱を帯び、耳まで真っ赤になった俺は、慌てて道を譲った。
――うちの寮は四人部屋だが、実際に住んでいるのは光希と理光だけ。
他の二人は一つ上の先輩で、彼女と外に部屋を借りているのだ。
その夜、ベッドに入ってうとうとしかけたときだった。
「なぁ、兄貴」
声がして目を開けると、ベッド脇に人影が立っていた。
大きな体躯――理光だった。
「……理光!? お前、驚かすなよ!」
言う間もなく、俺の体は押し込まれ、布団がめくられる。
そして理光がそのまま俺のベッドに潜り込んできた。
「おい、お前……何してんだ!」
壁際に追いやられた俺に、理光は平然と答える。
「ホラー映画見たらさ……なんか怖くなっちゃって」
……お前、その身長で何言ってんだよ。
苦笑しながら押し返そうとするが、理光は俺の手を抑え込み、さらに足まで絡めて身動きを封じてくる。
「正確に言うと、0.5秒前からもうヤバい。俺、マジで怖いもんは怖いんだよ」
そう言いながら、ぎゅうっと抱き締めてきた。
しばらくすると声もなくなり、寝たのかと思って身じろぎした瞬間――大きな手が俺の動きを止めた。
「兄貴……さっきお前が着てたの、俺の服だったよな」
真っ暗な闇の中、顔が一気に熱くなる。
必死に平静を装いながら答えた。
「忘れてただけだ。替えの服」
それ以上言葉は続かず、けれども空気は妙に熱を帯びて――沈黙が余計に心臓をかき乱す。
……そんな時、寮の廊下から複数の男子の足音と笑い声が響き、直後に宿管のおばちゃんの怒鳴り声が飛んだ。
「夜中に騒ぐな! いい加減に寝ろ!」
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