なんでも奪っていく妹に、婚約者まで奪われました

ねむ太朗

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  無事にリーベル家とプラメル家の婚約が整った。

  三日後。私は、リーベル公爵家に遊びに来ていた。

「こんにちは、クラウス様」

「いらっしゃい。リリアーナ嬢。お茶にする?」

「いいえ、クラウス様走りましょう!」

「……走る?」

「はい、今からダイエットを始めますよ」

  そう言うと、私はにっこり笑った。

「はぁはぁ……無理。リリアーナ嬢……もう、走れない」

「クラウス様、まだ走り始めたばかりですよ。うーん。いきなり走るのは無理だったのかしら」

「休憩!  休憩にしよう?」

「それは、さすがに……」

  二人で話し合い私達は、散歩をすることから始めた。

  屋敷の裏にある小さな森に来ていた。ゆっくり歩いていたが、早くもクラウス様の息が荒くなってきている。

「クラウス様、大丈夫ですか」

「だ、大丈夫。はぁ、はぁ」

「少し木陰で休みましょう」

  二人で樹の根に腰かけた。

「ごめんね。俺全く運動していなかったから」

「クラウス様は、いつも何して過ごされているんですか」

  クラウス様は少し考えてから、言葉を濁しつつ……

「食べて……寝て……勉強をしているよ」

  私は、クラウス様の生活を事細かに聞き出した。
  まとめると食事は、一日三回。
  勉強は、領地に関することなど幅広く。
  ダンスの練習は、なにかと理由を付けてサボり……おやつは、一日三回。夜食付き。

  何てことだ、そんな生活をしていたら私だって太ってしまう。

「クラウス様……」

  私が冷ややかな声で彼の名前を呼ぶと、クラウス様の肩がびくついた。

「今日からおやつは、一日一回です。夜食はなし。ダンスの練習もサボってはいけません」

「えっ、でも」

「分かりましたね?  約束ですよ」

「……はい」

  遠巻きに見ていた。従者の顔がひきつっていたのに気づいたが、クラウス様から、小さな声だが返事をもらい、私は満足したのであった。

  それから、さらに進んで行くと小さな池があった。

「うわー。水が綺麗」

「懐かしいな。昔、弟のユリアスとよく来たよ」

「弟さんと仲良しなんですね」

「そういえば、まだ会ったことなかったね。今度紹介するよ」

「はい!  楽しみにしていますね。それにしても、とっても綺麗な池ですね。ここで、お昼御飯食べたら楽しそう」

「それいいな。今度は、ここでランチをしようか」

  次回は食事を持ってくる約束をして、公爵家に戻って行った。

  公爵家に戻るとリーベル公爵夫人に会った。

「あら、リリアーナちゃん!  こんにちは。クラウスと婚約をしてくれてありがとう」

  リーベル公爵夫人は、ご機嫌で話し掛けて来た。クラウス様の話では、婚約が決まってから、機嫌が良すぎて恐いらしい。

「こんにちは、公爵夫人。クラウス様の婚約者になれてうれしいです。これから、よろしくお願いいたします」

  隣でクラウス様が少し顔を赤くしていた。

  私は当たり障りなく、返答が出来てほっとしていた。

「まあまあ。公爵夫人だなんで、他人見たいだわ。ナディアって呼んでね。なんなら、お義母さんでもいいわよ」

「では、ナディア様と……」

  ナディア様は、うれしそうな顔をした。すると、遠くから大きな声が聞こえてきた。

「あれー!  もしかして、兄さんの婚約者?」

  いきなり現れた、金髪青目の男の子。10歳……いや、11歳くらいだろうか。 

「ユリアス!  挨拶をしなさい」

「ちぇー。ユリアス・リーベルです。よろしく」

  ナディア様は、ユリアス様を睨んだがユリアス様は、全然気にしていない様子。

「リリアーナ・プラメルと申します。よろしくお願いいたします」

「ふーん。兄さんのどこがいいの?」

  クラウス様とナディア様は、はっと息を飲む。 

「一緒にいて楽しい所です。まだ、出会ったばかりなので、クラウス様の好きな所は、これから増えていく予定ですよ」

  クラウス様は顔を真っ赤にし、ナディア様は、ほっとしていた。

  ニヤリと笑ったユリアス様。
  いったい、何を考えているのだろうか。

「へー。良かったね兄さん」

「ああ。リリアーナ嬢、暗くなる前に帰った方がいい」

  クラウス様はそう言い、私は返事をした。

「そうですね。ナディア様、ユリアス様そろそろおいとま致します」

  クラウス様に見送られて、私は伯爵家の馬車に向かう。

「あっ!  クラウス様。おやつは、一日一回、夜食はなしですよ」

「ああ。分かっているよ」

  クラウス様は、苦笑いをしていた。

「では、二日後に伺いますね」

  私を乗せた馬車は、プラメル伯爵家に向かって行った。
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