33 / 107
27
しおりを挟む
私はナディア様と一緒に、廊下を歩く。
「リリアーナちゃん、今から、ここでお茶を飲みましょう」
さっきまでの怒りは嘘のように、ナディア様はご機嫌に言った。
バラ園が見える部屋に通され、ナディア様とお茶をする。
今日もバラの花が、綺麗だった。
「リリアーナちゃん! クラウスがごめんなさいね。女の子と付き合ったことがないから、女心を分かっていないのよね」
ナディア様に急に謝られたので、私は返事をした。
「いいえ。クラウス様は、私にとても優しくして下さっていますよ」
「そうかしら? さっきの見てるとそうは思えないわ」
「さっきのは、たまたまです。この間は、町に連れて行って下さいました。私、はじめて食べ歩きをしました。とっても楽しかったです。あと、かわいいケーキもごちそうになりました」
私は、ニッコリ笑って言った。
「まあ! あそこのカフェかしら?」
「噴水公園の近くのしゃれたカフェ店でした」
「やはり、あのカフェ店に行ったのね。クラウスったら……うふふ」
ナディア様は、なんだか楽しそうだ。
「二人が仲良くやっているなら安心をしたわ。クラウスとリリアーナちゃんを見ていたら昔を思い出しちゃったわ」
ナディア様は、語り始めた。
「セオドリックは、とってもモテていたのよ、昔の話だけど。私と婚約していたのに、夜会でたくさんの女性と踊っていたわ。私とは、最初のダンスと行き帰りのエスコートだけ。私の側には、ほとんど居てくれなかったわ。はじめは我慢していたわ。けれどそれが続いて、耐えられなくなってしまったの」
ナディア様は、遠くを見つめて語っていたが、目線を上げて私をまっすぐ見つめ、続きを話した。
「だから私、セオドリックに言ってやったのよ。愛する女性が他に出来たのなら、どうぞそちらにお乗りかえ下さい。ってね」
ナディアの赤色の瞳が、強く輝いた気がした。
「そうしたら、セオドリックったらね。私が君の他に愛する女性を作るわけないだろう。って言ったのよ。ひどく慌てていたわ。私、怒っていたのに、セオドリックの慌てように可笑しくて笑ってしまったわ」
ナディア様は、クスクス笑っていて楽しそうだ。
「それから、セオドリックは私を公爵領が見渡せる丘に連れて行ってくれてね。『二度と君を傷つけない、この赤いバラに誓うよ』と言ってから赤いバラを一輪くれたの。なんで、赤いバラなの? と聞いたら。告白する時は、赤いバラなんでしょ?ですって。セオドリックったら、何も考えてないんだから」
飽きれたように言ったナディア様に私は、口元から笑みをこぼした。
「それから、何で夜会で私をひとりぼっちにしたの? って、聞いたら、社交界だから色々な人と関わらないといけないと思っていた。ですって。そんなこと言われたら、怒れなくなってしまったわ。だって間違っていないもの。けれど極端なのよね。それ以来は、私との時間も作ってくれるようになったの」
ナディア様は優しいそうな笑みでバラ園を見つめた。それから、一度真顔になってから、口元の口角だけを上げ、私に視線を戻す。
「だからね。セオドリックがあの時のことを忘れないように。庭園の花をほとんどバラにしたのよ」
私の背筋がぞくっとした。
ナディア様は、絶対に怒らせていけない人だ……根に持つタイプね。
「素敵な思い出ですね。私もナディア様達みたいに仲睦まじい夫婦になりたいですわ」
私は、笑顔で感想を述べた。
「リリアーナちゃん、今から、ここでお茶を飲みましょう」
さっきまでの怒りは嘘のように、ナディア様はご機嫌に言った。
バラ園が見える部屋に通され、ナディア様とお茶をする。
今日もバラの花が、綺麗だった。
「リリアーナちゃん! クラウスがごめんなさいね。女の子と付き合ったことがないから、女心を分かっていないのよね」
ナディア様に急に謝られたので、私は返事をした。
「いいえ。クラウス様は、私にとても優しくして下さっていますよ」
「そうかしら? さっきの見てるとそうは思えないわ」
「さっきのは、たまたまです。この間は、町に連れて行って下さいました。私、はじめて食べ歩きをしました。とっても楽しかったです。あと、かわいいケーキもごちそうになりました」
私は、ニッコリ笑って言った。
「まあ! あそこのカフェかしら?」
「噴水公園の近くのしゃれたカフェ店でした」
「やはり、あのカフェ店に行ったのね。クラウスったら……うふふ」
ナディア様は、なんだか楽しそうだ。
「二人が仲良くやっているなら安心をしたわ。クラウスとリリアーナちゃんを見ていたら昔を思い出しちゃったわ」
ナディア様は、語り始めた。
「セオドリックは、とってもモテていたのよ、昔の話だけど。私と婚約していたのに、夜会でたくさんの女性と踊っていたわ。私とは、最初のダンスと行き帰りのエスコートだけ。私の側には、ほとんど居てくれなかったわ。はじめは我慢していたわ。けれどそれが続いて、耐えられなくなってしまったの」
ナディア様は、遠くを見つめて語っていたが、目線を上げて私をまっすぐ見つめ、続きを話した。
「だから私、セオドリックに言ってやったのよ。愛する女性が他に出来たのなら、どうぞそちらにお乗りかえ下さい。ってね」
ナディアの赤色の瞳が、強く輝いた気がした。
「そうしたら、セオドリックったらね。私が君の他に愛する女性を作るわけないだろう。って言ったのよ。ひどく慌てていたわ。私、怒っていたのに、セオドリックの慌てように可笑しくて笑ってしまったわ」
ナディア様は、クスクス笑っていて楽しそうだ。
「それから、セオドリックは私を公爵領が見渡せる丘に連れて行ってくれてね。『二度と君を傷つけない、この赤いバラに誓うよ』と言ってから赤いバラを一輪くれたの。なんで、赤いバラなの? と聞いたら。告白する時は、赤いバラなんでしょ?ですって。セオドリックったら、何も考えてないんだから」
飽きれたように言ったナディア様に私は、口元から笑みをこぼした。
「それから、何で夜会で私をひとりぼっちにしたの? って、聞いたら、社交界だから色々な人と関わらないといけないと思っていた。ですって。そんなこと言われたら、怒れなくなってしまったわ。だって間違っていないもの。けれど極端なのよね。それ以来は、私との時間も作ってくれるようになったの」
ナディア様は優しいそうな笑みでバラ園を見つめた。それから、一度真顔になってから、口元の口角だけを上げ、私に視線を戻す。
「だからね。セオドリックがあの時のことを忘れないように。庭園の花をほとんどバラにしたのよ」
私の背筋がぞくっとした。
ナディア様は、絶対に怒らせていけない人だ……根に持つタイプね。
「素敵な思い出ですね。私もナディア様達みたいに仲睦まじい夫婦になりたいですわ」
私は、笑顔で感想を述べた。
34
あなたにおすすめの小説
婚約者を譲れと姉に「お願い」されました。代わりに軍人侯爵との結婚を押し付けられましたが、私は形だけの妻のようです。
ナナカ
恋愛
メリオス伯爵の次女エレナは、幼い頃から姉アルチーナに振り回されてきた。そんな姉に婚約者ロエルを譲れと言われる。さらに自分の代わりに結婚しろとまで言い出した。結婚相手は貴族たちが成り上がりと侮蔑する軍人侯爵。伯爵家との縁組が目的だからか、エレナに入れ替わった結婚も承諾する。
こうして、ほとんど顔を合わせることない別居生活が始まった。冷め切った関係になるかと思われたが、年の離れた侯爵はエレナに丁寧に接してくれるし、意外に優しい人。エレナも数少ない会話の機会が楽しみになっていく。
(本編、番外編、完結しました)
虐げられ続けてきたお嬢様、全てを踏み台に幸せになることにしました。
ラディ
恋愛
一つ違いの姉と比べられる為に、愚かであることを強制され矯正されて育った妹。
家族からだけではなく、侍女や使用人からも虐げられ弄ばれ続けてきた。
劣悪こそが彼女と標準となっていたある日。
一人の男が現れる。
彼女の人生は彼の登場により一変する。
この機を逃さぬよう、彼女は。
幸せになることに、決めた。
■完結しました! 現在はルビ振りを調整中です!
■第14回恋愛小説大賞99位でした! 応援ありがとうございました!
■感想や御要望などお気軽にどうぞ!
■エールやいいねも励みになります!
■こちらの他にいくつか話を書いてますのでよろしければ、登録コンテンツから是非に。
※一部サブタイトルが文字化けで表示されているのは演出上の仕様です。お使いの端末、表示されているページは正常です。
【完結】虐げられて自己肯定感を失った令嬢は、周囲からの愛を受け取れない
春風由実
恋愛
事情があって伯爵家で長く虐げられてきたオリヴィアは、公爵家に嫁ぐも、同じく虐げられる日々が続くものだと信じていた。
願わくば、公爵家では邪魔にならず、ひっそりと生かして貰えたら。
そんなオリヴィアの小さな願いを、夫となった公爵レオンは容赦なく打ち砕く。
※完結まで毎日1話更新します。最終話は2/15の投稿です。
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています。
【完結】虐げられていた侯爵令嬢が幸せになるお話
彩伊
恋愛
歴史ある侯爵家のアルラーナ家、生まれてくる子供は皆決まって金髪碧眼。
しかし彼女は燃えるような紅眼の持ち主だったために、アルラーナ家の人間とは認められず、疎まれた。
彼女は敷地内の端にある寂れた塔に幽閉され、意地悪な義母そして義妹が幸せに暮らしているのをみているだけ。
............そんな彼女の生活を一変させたのは、王家からの”あるパーティー”への招待状。
招待状の主は義妹が恋い焦がれているこの国の”第3皇子”だった。
送り先を間違えたのだと、彼女はその招待状を義妹に渡してしまうが、実際に第3皇子が彼女を迎えにきて.........。
そして、このパーティーで彼女の紅眼には大きな秘密があることが明らかにされる。
『これは虐げられていた侯爵令嬢が”愛”を知り、幸せになるまでのお話。』
一日一話
14話完結
0歳児に戻った私。今度は少し口を出したいと思います。
アズやっこ
恋愛
❈ 追記 長編に変更します。
16歳の時、私は第一王子と婚姻した。
いとこの第一王子の事は好き。でもこの好きはお兄様を思う好きと同じ。だから第二王子の事も好き。
私の好きは家族愛として。
第一王子と婚約し婚姻し家族愛とはいえ愛はある。だから何とかなる、そう思った。
でも人の心は何とかならなかった。
この国はもう終わる…
兄弟の対立、公爵の裏切り、まるでボタンの掛け違い。
だから歪み取り返しのつかない事になった。
そして私は暗殺され…
次に目が覚めた時0歳児に戻っていた。
❈ 作者独自の世界観です。
❈ 作者独自の設定です。こういう設定だとご了承頂けると幸いです。
王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi(がっち)
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
姉に代わって立派に息子を育てます! 前日譚
mio
恋愛
ウェルカ・ティー・バーセリクは侯爵家の二女であるが、母亡き後に侯爵家に嫁いできた義母、転がり込んできた義妹に姉と共に邪魔者扱いされていた。
王家へと嫁ぐ姉について王都に移住したウェルカは侯爵家から離れて、実母の実家へと身を寄せることになった。姉が嫁ぐ中、学園に通いながらウェルカは自分の才能を伸ばしていく。
数年後、多少の問題を抱えつつ姉は懐妊。しかし、出産と同時にその命は尽きてしまう。そして残された息子をウェルカは姉に代わって育てる決意をした。そのためにはなんとしても王宮での地位を確立しなければ!
自分でも考えていたよりだいぶ話数が伸びてしまったため、こちらを姉が子を産むまでの前日譚として本編は別に作っていきたいと思います。申し訳ございません。
【完結】異世界から来た聖女ではありません!
五色ひわ
恋愛
ミシュリーヌは、第四王子オーギュストの妃としてフルーナ王国の王宮で暮らしている。しかし、夫であるオーギュストがミシュリーヌの寝室に訪れることはない。ミシュリーヌは聖女の力を持っていたため、妻に望まれただけなのだ。それでも、ミシュリーヌはオーギュストとの関係を改善したいと考えている。
どうすれば良いのかしら?
ミシュリーヌは焦っていた。七年間かけて国中の水晶を浄化したことにより、フルーナ王国は平穏を取り戻しつつある。それは同時に聖女の力がこの国に必要なくなったことを意味していた。
このまま、オーギュストの優しさに縋ってお飾りの妻を続けるしかないのだろうか。思い悩むミシュリーヌの前に現れたのは、オーギュストの恋人を名乗る女性だった。
・本編141話
・おまけの短編 ①9話②1話③5話
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる