なんでも奪っていく妹に、婚約者まで奪われました

ねむ太朗

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  お兄様達は、噴水が見える部屋でお茶をしていた。私達が戻ってくると、お兄様が声を掛けてきた。

「リリアーナ、一人にしてしまってごめんね」

  お兄様が謝ってきた。
  それに続き、ジャックとユリアス様からも、軽く謝られた。

「いえいえ。私は、なんとも思っていないので、皆さんにご迷惑を掛けしてしまい、こちらこそ、すみませんでした」

「リリアーナ、もういいから。それよりも、お茶を楽しもう」

  クラウスの言葉にみんなが賛成をした。

「師匠!  今日は、とても勉強になりました。次は、いつ来られますか?」

  ユリアス様は、ジャックに向かって話し掛ける。

  ジャック様は、クラウスの顔を見る。

「我が家は、いつでも歓迎ですよ」

  クラウスは、笑顔で言っていた。

「ユリアス、予定を確認してから手紙を送るね。ルイス達の予定も聞いてからね」

  ユリアス様に向かって、ジャック様が言った。

  あら、私もまた一緒に行くのね。それよりも、師匠、師匠って何? 
  確かに、ジャック様の剣は誰よりも強いけれど。ユリアス様……先生になってもらう人は、よく選んだ方がいいわ。

「ジャックとユリアス様とても仲良くなってね。ずっと、ああなんだ」

  私に気づいたお兄様が教えてくれた。

「それでさ、このままだとリリアーナ嬢だけ剣の稽古が出来ないでしょう。だから、妹のエレーナも呼ぼうと思っているんだけど、どうかな。もちろん、クラウス様の許可は貰っているよ」

  ジャック様が笑顔で私に提案をしてきた。

  ジャック様の妹さん?  妹さんは、私と一緒にいてもつまらないかもしれないわ。

「大丈夫だよ、リリアーナ。エレーナ嬢は、優しい人だから。リリアーナと仲良くなれるよ」

  黙り込んでしまった私にお兄様は、穏やかな声で言った。

「ありがとうございます。ジャック様、クラウス。私、エレーナ様と会ってみたいわ」

  私の返事にみんな笑顔になった。中でも、お兄様が一番喜んでいる様子だった。

  お兄様は、こんな風に笑う人だっけ?  と思ったが、私のことを心配してくれていたのね。と思い、心が暖かい気持ちになった。

  それからはみんなでおしゃべりを楽しみ、とうとうジャック様がキャサリンちゃんへの愛を爆発させた。

「キャサリンちゃんはね。とっても、優しいんだ。振られて落ち込んでいた俺にね、もう丁度処分しようと思っていたからって。六輪のチューリップをくれたんだ。初めて会った俺にだよ」

  ジャック様は、ユリアスに向かって語っていた。

「そして言ったんだ。元気出して下さい。綺麗なお顔が台無しですよ。って。俺、その日のうちに立ち直ってさ、家に帰って気づいたんだ。」

  なぜかユリアス様は、ジャック様の情けない話に目を輝かせて聞いていた。

「六輪のチューリップ……『5+1=6』『5・1』『こい』『恋!』きっと、キャサリンちゃんは俺に恋をしてるんだ!  そう思った俺は、次の日にキャサリンちゃんに好きだと伝えて、今は付き合っているんだ」

「さすが、師匠です!  僕も師匠みたいになりたいです」

  ならないで!  絶対にジャック様みたいにならないで。
  どうして六輪のチューリップが恋をしています。になるのよ。

  私は、ジャック様の頭の中がどうなっているのか、開けて覗いて見たかった。

「そろそろ、暗くなりますね」

  考え事をしていた私は、クラウスの声で意識が戻った。

  お兄様が、代表で返事をする。

「そうですね。そろそろ帰りますね」

  私もジャック様も、お兄様に賛成をした。

  馬車に乗るぎりぎりまで、ユリアス様は、ジャック様にまた来てね。と、念を押して言っていた。

  クラウスとユリアス様に見送られて私達は、プラメル領に帰って行った。
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