王太子妃クラリスと王子たちの絆【完】

mako

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王子たちの憩いの間

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三羽ガラスの一角、フィリップス。近頃、彼の頭を悩ませることが増えていた。

アルフレッド第一王子が、何かと理由をつけて王太子執務室に入り浸るようになっていたのだ。最初こそ、妃殿下へのお礼という名目で菓子や花を持参していた。しかしそれも今となってはフェイク。今では手ぶらで現れ、弟とお茶を飲み、まるで兄弟の時間を取り戻すかのように楽しんでいる。

それだけではない。アルフレッドの下で鍛え直すという名目で、第3王子のヨハネスまで便乗してお茶に参加している。しかも二人とも王子である以上、常に側近が控えているのだから、人数は自然と膨れ上がる。

確かに王太子執務室は広い。しかし、王子三人にその側近たち、そしてなぜか妃殿下まで現れる日は、側近のテオドールまで加わって総勢八人がこの部屋に集結することになる。

…全員集合かよ。

フィリップスは元来マイペースで、他人にペースを乱されることを何より嫌う。

…おいおい、おかわりしてるよ。

能天気な第3王子は、あれほど妃殿下にひどいことをしておきながら、その相手にお茶のおかわりをねだっている。

…立場わかってるのか?

怪訝な顔でその光景を見つめていると、クラリスがそっとデスクにお茶を置いた。

「フィリップス、貴方も少し休んだらどう?」

…女神だ。

顔を上げ、かつての主に柔らかい笑みを返すフィリップス。

「そうだぞ?お前も息抜きくらいしなきゃ身が持たねえぞ!」

テオドールがカップを片手に声をかける。

…お前は何故ソファに座り込み、殿下と共にお茶を飲んでる?他の側近は後ろで控えてるだろう?

フィリップスがテオドールを睨みつけると、クラリスが笑みを浮かべて言った。

「そうよ、テオは息抜きばっかりだわ。ほら、ファビウスもアンドラもご一緒にね?」

アルフレッドとヨハネスの側近たちにも気を配るクラリスに、二人は小さく頭を垂れた。

今日はまだましだ。クラリスがいるおかげで、部屋には華がある。普段は男ばかりで、ここにいるだけで息が詰まりそうなほどむさ苦しいのだ。

…そろそろ帰れよ。ここは茶飲み場じゃないんだぞ?

フィリップスは、三人の王子たちの憩いの場となりつつあるこの現状に頭を抱えていた。

…毎日毎日、勘弁してくれよ。
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