俺を好きになるな、お前を愛していない、極道の目覚めた独占欲

第ニ章 私を連れ出して

④

シャワーヘッドから勢いよく出る水に、加子は全身ずぶ濡れの状態だった。

蓮也はシャワーを止めて、加子の身体をバスタオルで覆った。

尋常じゃない様子に、蓮也は救急車を呼んだ。

蓮也は病院に付き添った。

加子は目を覚さない。

そのうち、林田ホールディングス社長林田克成が現れた。

加子がベッドに横になり、その傍らにいる蓮也に声をかけた。

「君は誰だ、加子さんとどう言う関係だ」

蓮也は立ち上がり、廊下に出るように促した。

廊下に出た蓮也は林田に話し始めた。

「あんたが林田か」

「そうだ」

「加子の親と契約は済んだのか」

「いやまだだ、加子さんが救急搬送されたと連絡が入って、安達社長もまもなく到着する」

「俺は三国コーポレーション社長、三国蓮也だ、安達社長と買収の話が進んでいたんだが、
急に断りの連絡が入って、加子とはそこで知り合った」

「救急車が向かった先は、君のマンションだと聞いている、どう言うことかな」

「なんか、知らねえけど、あんたとの契約は加子は乗り気じゃねえみたいで、
元々、進んでいた三国コーポレーションとの買収の話を進めてくれって、
俺のマンションに押しかけたんだよ」