夜の帝王の一途な愛

ラヴ KAZU

文字の大きさ
43 / 100
第九章 忍び寄る影

ライバル、加々美社長

しおりを挟む
私の怪我はだいぶ回復に向かっていた。 
ある日、本社の社長から話があると食事に招かれた。 
私は松葉杖を使い歩けるようになったので招待を受けることにした。 
彼が迎えに来てくれる時間までには戻る予定だったので、彼には特には伝えなかった。 
しかし、道が混んでいたため、店に戻って来るのが八時を回ってしまった。 
店に到着すると、本社の社長は車のドアを開けてくれて、私の身体を支えてくれた。 
加々美フラワー社長加々美健永三十八歳独身。 
「大丈夫?うちまで送るよ」 
「大丈夫です、今日はご馳走様でした」 
「あゆみ、遅かったな」 
彼が迎えに来てくれていた、怪訝そうな表情で私達を見ていた。 
「あゆみさん、僕に紹介してくれる?」 
加々美社長は彼の存在が気になったらしく私に聞いた。 


私が答えようとした瞬間彼が口を開いた。 
「ホストクラブを経営しています麻生凌ですあゆみは俺の女です、人の女に手を出さないで頂きたい」 
「麻生さん、失礼な事言わないでください」 
「社長、すみません、そんなつもりないですよね」 
「確かに失礼だな、でもこれからあゆみさんを自分のものにしたいと思っていたのは事実だ」 
「えっ?」 
私は加々美社長のまさかの言葉に驚きを隠せなかった。 
「残念だったな」 
彼は加々美社長を睨んでいた。 
「残念じゃないさ、選ぶのはあゆみさんだからね」 
彼は闘争心剥き出しの表情を見せた。 
「あゆみさん、明日連絡くれ、今日はおとなしく引き下がるよ、彼に殴られそうだから」 
「本当にすみません、失礼な事ばかり言ってしまって」 
「あゆみさんが謝る事じゃないよ、じゃまた明日」 
加々美社長は車を発車させた。 
「あの野郎、むかつく」 
「もう、私を無職にするつもりですか?社長にあんな失礼な事言って・・・」 
「何が失礼だよ、あいつ本気の目だったぜ」 
「そんなわけありませんよ」 
「あゆみ、自覚ないのか?お前は最高にいい女だ」 
「もう、やめてください、帰りましょう」 
社長が私に対して好意を持ってくれているなんてありえないよ、あ~あ、凌が変な事言うから意識しちゃう、そう言えば明日何の連絡だっけ? 
と考えていると、彼は急に車を停めた。 
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

友達の肩書き

菅井群青
恋愛
琢磨は友達の彼女や元カノや友達の好きな人には絶対に手を出さないと公言している。 私は……どんなに強く思っても友達だ。私はこの位置から動けない。 どうして、こんなにも好きなのに……恋愛のスタートラインに立てないの……。 「よかった、千紘が友達で本当に良かった──」 近くにいるはずなのに遠い背中を見つめることしか出来ない……。そんな二人の関係が変わる出来事が起こる。

溺愛ダーリンと逆シークレットベビー

吉野葉月
恋愛
同棲している婚約者のモラハラに悩む優月は、ある日、通院している病院で大学時代の同級生の頼久と再会する。 立派な社会人となっていた彼に見惚れる優月だったが、彼は一児の父になっていた。しかも優月との子どもを一人で育てるシングルファザー。 優月はモラハラから抜け出すことができるのか、そして子どもっていったいどういうことなのか!?

灰かぶりの姉

吉野 那生
恋愛
父の死後、母が連れてきたのは優しそうな男性と可愛い女の子だった。 「今日からあなたのお父さんと妹だよ」 そう言われたあの日から…。 * * * 『ソツのない彼氏とスキのない彼女』のスピンオフ。 国枝 那月×野口 航平の過去編です。

冷酷総長は、彼女を手中に収めて溺愛の檻から逃さない

彩空百々花
恋愛
誰もが恐れ、羨み、その瞳に映ることだけを渇望するほどに高貴で気高い、今世紀最強の見目麗しき完璧な神様。 酔いしれるほどに麗しく美しい女たちの愛に溺れ続けていた神様は、ある日突然。 「今日からこの女がおれの最愛のひと、ね」 そんなことを、言い出した。

忘れられたら苦労しない

菅井群青
恋愛
結婚を考えていた彼氏に突然振られ、二年間引きずる女と同じく過去の恋に囚われている男が出会う。 似ている、私たち…… でもそれは全然違った……私なんかより彼の方が心を囚われたままだ。 別れた恋人を忘れられない女と、運命によって引き裂かれ突然亡くなった彼女の思い出の中で生きる男の物語 「……まだいいよ──会えたら……」 「え?」 あなたには忘れらない人が、いますか?──

愛のかたち

凛子
恋愛
プライドが邪魔をして素直になれない夫(白藤翔)。しかし夫の気持ちはちゃんと妻(彩華)に伝わっていた。そんな夫婦に訪れた突然の別れ。 ある人物の粋な計らいによって再会を果たした二人は…… 情けない男の不器用な愛。

甘い束縛

はるきりょう
恋愛
今日こそは言う。そう心に決め、伊達優菜は拳を握りしめた。私には時間がないのだと。もう、気づけば、歳は27を数えるほどになっていた。人並みに結婚し、子どもを産みたい。それを思えば、「若い」なんて言葉はもうすぐ使えなくなる。このあたりが潮時だった。 ※小説家なろうサイト様にも載せています。

アラフォー×バツ1×IT社長と週末婚

日下奈緒
恋愛
仕事の契約を打ち切られ、年末をあと1か月残して就職活動に入ったつむぎ。ある日街で車に轢かれそうになるところを助けて貰ったのだが、突然週末婚を持ち出され……

処理中です...