夜の帝王の一途な愛

ラヴ KAZU

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第八章 嫉妬

元旦那は、今目の前にいる麻生凌

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「じゃあ友梨ちゃん、気をつけて帰ってね」 
「ありがとうございます」 
彼は車を走らせた。 
「あゆみ、助手席座るか?」 
私は返事をしなかった。 
彼は車を運転しながらバッグミラー越しに私に話しかけた。 
「足痛いのか?」 
私は首を横に振った。 
「じゃあ、さっきからどうして黙っている、なんか怒っているのか?」 
私のおへそはしばらく曲がったままだった 
マンションに着いた。 
ロビーでコンシェルジュの宮田さんが挨拶をしてくれた。 
「麻生様、あゆみ様、お帰りなさいませ、あゆみ様足のお怪我の具合は大丈夫ですか?」 
「大丈夫です、すみません、ご心配おかけしてしまって・・・」 
宮田さんがエレベーターの階数ボタンを押してくれた。 
エレベーターに乗り込み部屋に向かった。 
部屋に入り、ソファに私を座らせて、彼は私と目線を合わし、言葉を発した。 
「あゆみ、何を怒っているの?」 
「怒ってなんかいません、友梨ちゃんはすごくいい子ですよ、付き合ったらどうですか」 
「はあ、何言っている?」 
「若いし、かわいいし、同世代だから話合うと思いますよ」 
「あゆみとだって話合うよ」 
「それに私連絡取ってみようかなって思って・・・」 
「誰と?」 

「元旦那さんと、友梨ちゃんが待っているかもしれないって、後悔しているけど連絡出来ないのかもって・・・」 
「嫌な思いしただろう?俺に文句ぶつけていたじゃないか、それに待ってないよ」 
「なんでそんなひどい事言うのですか?」 
「俺と同じ年だろ?若い子とよろしくやっているよ」 
「麻生さんもそうですか?」 
「俺はあゆみがいい、友梨ちゃんはあゆみの仕事仲間だから邪険に出来ないだろう?それにうちの店は高いからアルバイトの稼ぎじゃ来られない」 
「友梨ちゃん、社長令嬢ですよ、いっぱいお小遣い貰っているって話してくれました」 
「マジか!でも客として来る事が出来ても、俺とすぐにデート出来るわけじゃないから」 
「そうじゃなくて、プライベートで彼女にするって事ですよ」 
「プライベートで彼女にしたいのはあゆみだからだから元旦那と連絡取るな」 
彼は私を見つめて「絶対連絡するな」と言って私を抱きしめた。 
元旦那は今、目の前にいる麻生凌。 
私に嫌な思いをさせたことも、過去に私を全力で愛してくれたことも全て記憶にない。 
だから彼は自分に嫉妬している、そう、そのこともわからない。 
今も私を全力で愛してくれる、彼の愛情に疑う余地はない、だけどまた記憶がなくなったら、また手離されたら私は立ち直る勇気はない。 
だから、今の彼の気持ちに答える勇気もない。 
彼は私を見つめて口を開いた。 
「俺はあゆみを口説いているのに、その相手から他の女性を薦められるとは、俺の気持ちは全然伝わってないのかよ」 
「私相手じゃ、心変わりするかもしれないじゃないですか、二十代のかわいい子の方がいいに決まっているし・・・」 

「俺は元旦那とは違う、心変わりなんかしない」 
彼は私を抱きしめてキスしようとした。 
私は咄嗟に顔を背けた、しかし彼は背けた私の顔を自分に向けて唇を重ねた。 
嫌じゃない、寧ろ望んでいた彼とのキス、そして彼の愛情溢れる愛撫。 
彼は私をベッドに運び「俺を愛してくれ」そう言うと、キスの嵐を私に浴びせた。 
「駄目」と言いながら身体は正直で、彼に抱かれると歓びに胸が高鳴る。 
彼を愛している気持ちに嘘偽りはない。 
彼と一つになり私は最高潮に達した。

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