俺様御曹司は十二歳年上妻に生涯の愛を誓う

ラヴ KAZU

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第十六章 ライバル出現

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「あの時会社に来たなら声をかけてくれたら良かったのに」

美希の表情がちょっと強張った。

「そうでしたね、気がつきませんでした、慰めてあげてください、女の子は弱いんですから」

「美希は弱くないのか」

「おばさんは強いんです」

この時人一倍か弱い美希に気づいてあげる事が出来なかった。

モデルの騒動の時も、嫌だったと泣きじゃくったのに、俺はこの時そこまで気が回らなかったのだ。

「麗子に連絡取って見るよ」

俺が麗子と呼び捨てすることに、入り込めない関係だと思い込んだことなど感じ取る事は出来なかった。

俺は病室を後にした。

この夜、美希は俺の名を呼び、涙で枕を濡らしたことなど知る由もなかった。

次の日、美希は退院の許可を貰った。

しかし、その事は俺には伏せて、一人で退院してしまった、もちろん、マンションには戻らずに……

この日、望月が美希を心配して、病院に来た時、既にベッドはもぬけの殻だった。

「あのう、ここに入院していた鏑木美希さんはどうされたのですか」



「退院されましたよ」

「そうですか、ありがとうございます」

望月は俺のスマホに連絡を入れた。

「望月、この間は済まなかった」

「そんな事はどうでもいい、美希ちゃん、退院したのか?」

「いや、まだだ、退院の許可は降りていないはずだが……」

「今、病院に来てるんだが、美希ちゃんは退院したぞ」

俺はまさかの事態に呆然とした。

「病院に連絡してみるよ、情報ありがとうな」

俺は早速病院へ連絡を入れた。

「鏑木と申します、妻がお世話になっていると思いますが、退院したのですか、私の方に連絡頂いておりませんが」

「少々お待ち下さい、今、担当医に変わります」

美希の担当医が電話口に出た。

「お電話変わりました、鏑木美希さんは退院の許可がおりましたので、本人にお伝えしたところ、ご主人様はお仕事がお忙しいとのことで、一人で退院されるとご希望がありましたので、午前中に退院されましたよ」

「わかりました、大変お世話になりました」

俺は電話を切った。

美希、何を考えてるんだ。



俺は望月に連絡を入れた。

「美希は一人で退院した」

「そうか、お前のマンションに行ったが、まだ、帰っていなかったぞ」

「美希はどこに行ったんだ」

「美希ちゃんと何を話したんだ」

「会社の前で一緒だった麗子の話をした」

「誰だ」

「鏑木建設会社と古くから付き合いがある、今村不動産の令嬢だ」

「お前、美希ちゃんの前で麗子って呼び捨てにしたのか」

「ああ、幼い頃から兄弟のように育ったからな」

望月は大きなため息をついたことが電話越しに伝わった。

「美希ちゃんは嫌だったんじゃないか、お前が麗子さんを呼び捨てすることも、相談にのってあげる事も」

「美希が相談にのってあげてと言ったんだぞ」

「蓮、お前は美希ちゃんの言う事を鵜呑みにしたのか」

「だって」

「とにかく、今は美希ちゃんを探すことが先決だ」

俺と望月は美希を探した。

その頃、私は行くところが無く、マンションに戻った。

「美希様、お帰りなさいませ、鏑木様が大変心配されていましたよ」



私を気遣ってくれたのはこのマンションのコンシェルジュ佐藤さんである。

「申し訳ありません」

「お部屋にお戻りになってお休みください」

私の家出はあっという間に終わった。

俺はコンシェルジュ佐藤から連絡を受けた。

「鏑木様、美希様がお戻りになりました」

「そうか、すぐに戻る」

俺はマンションに戻った。

コンシェルジュ佐藤が出迎えてくれた。

「鏑木様、お帰りなさいませ」

「連絡感謝する」

「とんでもございません」



俺は美希が待つ部屋へ急ぐ。

「美希、美希、どこだ」

「蓮さん」

美希が寝室から出てきた。

俺は美希の姿を確認すると、思わず抱き締めた。

「美希」

「蓮さん、ごめんなさい、わたし……」

俺は美希を抱きしめ、頬を両手で包み、唇を塞いだ。

俺と美希は見つめ合った。

「望月に連絡しないと、今頃あいつ死物狂いで美希を探してるからな」

俺は望月のスマホに連絡した。

「美希ちゃん、見つかったか」

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