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第十七章 お前と共に生きる

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「ああ、心配をかけたが、マンションに戻っていたよ」

「良かった、ちゃんと話し合えよ」

「色々とありがとうな」

そしてスマホを切った。

「望月に怒られたよ、美希を泣かしたら、俺がもらうと脅された」

「いやです、蓮さんの側がいいです」

「美希」

「麗子さんにも会わないでください、麗子さんは蓮さんを恋愛対象として見ています、ずっと私の側にいてください、私、ヤキモチ焼きなんです」

「ずっと我慢していたのか?」

美希は頷いた。

「バカだな、これからは嫌な事は嫌ってはっきり言ってくれ、変な気を回すな、
わかったか」

「はい」

「今村不動産のお嬢さんには、ちゃんと俺の気持ちを伝えるよ」

俺と美希は唇を重ねた。

舌が絡み合い、熱い永いキスを朝まで求め合った。

「蓮さん、大好きです」

「美希、俺もお前を愛している、これから先、お前と共に生きる」

俺は美希に誓った。

次の日俺は麗子の元へ向かった。

「蓮様、麗子に会いに来てくれたんですか」

「いや、もう相談にも乗れないし、食事も出来ないと伝えに来た」

「どう言う事ですか」

「俺は美希と結婚した、もうすぐ父親になる、美希が嫌だと言う事はしないと誓った
だから、お前とはもう会えない」

「蓮様とは兄弟同然の付き合いをしてきました、可愛い妹を切り離すのですか」

「お前が俺を恋愛対象として見ている限り、悪いが、会う事は出来ない、
お互い自分の会社を継いで行く立場だ、お前もその気になれ」

「蓮様、わかりました、でも私は諦めませんよ」

「麗子、いい男見つけろ」

俺は麗子の元を去った。

それから、平穏な日々が流れ、美希は臨月を迎えた。

「蓮さん、大丈夫でしょうか、すごく不安です」

「大丈夫だ、俺と美希の子供だ、あっという間に出てくるよ」

「散歩に行くか」

美希は嬉しそうに頷いた。

季節は春を迎えようとしていた。

「もうすぐ、桜の季節ですね、その頃この子は産まれてきますね」

「そうだな、名前を考えないとな」

「男の子なら蓮也、女の子ならさくらはどうですか」

「いいな、美希に似た可愛い女の子がいいな」

「私は蓮さんに似た男の子がいいです」

俺と美希は日が暮れるまで、子供の名前の話をしていた。
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