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本編
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まず、高等魔術学院に入らなければ精霊の卵を育てることなんてなくなる。
つまり、高等魔術学院に入学しなければいいんだと言うことに気がついた。
ただ、高等魔術学院は魔力を持っている貴族はもれなく入学しなければならないという規則がある。
これを破ったものは、この国に逆らったと同意とされ、国を追われる。
私だけならまだいいのだが、これは一族が追放処分となる。
私を育ててくれた両親が追放されるのはかなり堪える。
それに、私の屋敷に勤めてくれている侍女たちも居場所を失うだろう。
だって、うちの侍女たちはほとんどが元孤児なのだ。
他の貴族の家で職を得るのは厳しい道かもしれない。
でも、このまま私が邪竜を育ててしまえば、同じく一族追放になる可能性がある。
まあ、この辺は乙女ゲームでは語られてなかったので、ハッキリとは言えないけれども。
世界を破滅に導く存在を育ててしまったのだ。
追放されても、他の国でも受け入れてくれない可能性の方が高いだろう。
むしろ、処刑されてしまうかもしれない。
それならば、まだ高等魔術学院に入学しない方がマシなのではなかろうか。
そう思い至り、父に相談しに行くことにした。
この屋敷の中でも一番奥にある部屋。そこに父の書斎がある。
だいたいはいつもそこで父は職務をおこなっているのだ。
「お父様、折り入ってお話があるのです。入ってもよろしいでしょうか。」
私は父の書斎のドアをトントントンとノックしながら中にいるであろう父に向かって問いかけた。
すると、中からすぐに返事があった。
「可愛いエメロード。入っておいで。なにがあったんだい?」
優しい父は私をすぐに書斎に招き入れてくれた。
私は書斎に入ると父の元に駆け寄った。
「おやおや。僕の天使。そんなに急いで転んでしまったらどうするんだい?さあ、ソファに座りなさい。」
父は駆け寄る私を抱き止めると、書斎の中に用意されているソファに誘導した。
私はふかふかなソファに腰かける。するとすぐに、父も私の隣に座った。
「さて、そんなに急いでどうしたんだい?」
心配そうな瞳が私を見つめる。その視線がくすぐったくて思わず首をすくめる。
前世の私は家族に恵まれなかった。
母や私に暴力を振るってばかりの父。父の顔色を伺うばかりで、私が父に暴力を振るわれていても、助ける素振りすらみせない母。
ゆえに、独り立ちできる年になるとすぐに家をでたものだ。
それからは実家には近寄ることもしていない。
それほど希薄な親子関係だった。
だから、今のこの優しい暖かな親子関係がとても眩しいのだ。
「お父様、私高等魔術学院に入学したくないのです。」
つまり、高等魔術学院に入学しなければいいんだと言うことに気がついた。
ただ、高等魔術学院は魔力を持っている貴族はもれなく入学しなければならないという規則がある。
これを破ったものは、この国に逆らったと同意とされ、国を追われる。
私だけならまだいいのだが、これは一族が追放処分となる。
私を育ててくれた両親が追放されるのはかなり堪える。
それに、私の屋敷に勤めてくれている侍女たちも居場所を失うだろう。
だって、うちの侍女たちはほとんどが元孤児なのだ。
他の貴族の家で職を得るのは厳しい道かもしれない。
でも、このまま私が邪竜を育ててしまえば、同じく一族追放になる可能性がある。
まあ、この辺は乙女ゲームでは語られてなかったので、ハッキリとは言えないけれども。
世界を破滅に導く存在を育ててしまったのだ。
追放されても、他の国でも受け入れてくれない可能性の方が高いだろう。
むしろ、処刑されてしまうかもしれない。
それならば、まだ高等魔術学院に入学しない方がマシなのではなかろうか。
そう思い至り、父に相談しに行くことにした。
この屋敷の中でも一番奥にある部屋。そこに父の書斎がある。
だいたいはいつもそこで父は職務をおこなっているのだ。
「お父様、折り入ってお話があるのです。入ってもよろしいでしょうか。」
私は父の書斎のドアをトントントンとノックしながら中にいるであろう父に向かって問いかけた。
すると、中からすぐに返事があった。
「可愛いエメロード。入っておいで。なにがあったんだい?」
優しい父は私をすぐに書斎に招き入れてくれた。
私は書斎に入ると父の元に駆け寄った。
「おやおや。僕の天使。そんなに急いで転んでしまったらどうするんだい?さあ、ソファに座りなさい。」
父は駆け寄る私を抱き止めると、書斎の中に用意されているソファに誘導した。
私はふかふかなソファに腰かける。するとすぐに、父も私の隣に座った。
「さて、そんなに急いでどうしたんだい?」
心配そうな瞳が私を見つめる。その視線がくすぐったくて思わず首をすくめる。
前世の私は家族に恵まれなかった。
母や私に暴力を振るってばかりの父。父の顔色を伺うばかりで、私が父に暴力を振るわれていても、助ける素振りすらみせない母。
ゆえに、独り立ちできる年になるとすぐに家をでたものだ。
それからは実家には近寄ることもしていない。
それほど希薄な親子関係だった。
だから、今のこの優しい暖かな親子関係がとても眩しいのだ。
「お父様、私高等魔術学院に入学したくないのです。」
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