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本編
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しおりを挟む「まずは精霊の卵の状態をまず確認したいのじゃ。私たちの魔力を吸収していないところを見ると、もう大丈夫だとは思うがの。もし、まだ精霊の卵が危険な状態ならば、先に精霊の卵の方を癒やしてやらねば、アクア嬢の意識が回復せぬかもしれぬのでな。もうちょっと辛抱しておくれよ。」
「・・・わかりました。」
トリードット先生の言葉にしっかりと頷く。
「じゃあ、まずは精霊の卵を探さないとね。トリードット先生、精霊の卵はこの子の近くに落ちていなかった?」
「いや。近くを探したがみつからなかったわい。」
「そう。じゃあ、まだこの子が持っているのかしら。」
そう言うなりジェリードット先生がアクアさんの全身を服の上から触っていく。
どうやら精霊の卵がどこにあるか探しているらしい。
全身をくまなく探していたジェリードット先生だが、アクアさんの胸元で手が止まった。
精霊の卵があったのだろうか。
「・・・ちっ。私よりでかいなんて許せないわ。」
なんだか、ジェリードット先生が小声で呟いたがよく聞き取れなかった。
「ジェリードット先生?精霊の卵があったんですか?」
ジェリードット先生に確認をしてみる。
「あったわよ。」
そう言って、ジェリードット先生はおもむろにアクアさんの胸元に手を突っ込んだ。
「きゃっ!」
思わず私は声を上げて目をつむってしまった。
まさか、ジェリードット先生がアクアさんの胸元に手を入れるだなんて。そんな破廉恥な。
その次の瞬間、この治癒室にはトリードット先生という若干萎びれたが男性がいるということに気づき、慌ててトリードット先生がいた方向に目を向けた。
だけれども、そこにはトリードット先生の姿は見当たらなかった。
いったいどこに・・・。
と思って辺りを見回すがどうやら治癒室にはいないようだ。
どこに行ったんだろうか。
そう思っていると治癒室のドアが遠慮がちにノックされた。
「・・・もういいかの?」
「いいわよ。入って来てちょうだい。」
どうやらトリードット先生だったらしい。
ジェリードット先生が、アクアさんの身体を調べるとわかるなりすぐに治癒室から出ていったようだ。
トリードット先生ってば配慮のできる先生のようで安心した。
「精霊の卵は無事だったかの?」
「これよ。ヒビが入っているわ。」
ジェリードット先生はそう言ってアクアさんの胸元から取り出した虹色に輝く精霊の卵を私たちの目の前に差し出した。
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