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本編
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しおりを挟む「あれ・・・?私・・・?」
「うむぅ・・・。どこもいたくないわい。」
起き上がったジェリードット先生とトリードット先生は自分の身体を見ながら首を傾げている。
「ふむ。我は完璧なのだ。我に出来ぬことなどないのだ。思い知ったか、母よ。」
プーちゃんはそう言って胸を張って見せた。
と言っても蛇なのでどこが胸だかわからないけれども。
「すごいね。プーちゃん。瀕死の状態の人まで一瞬で治せてしまうだなんて。まるで伝説に出てくる聖竜みたい。」
私は思ったままのことをプーちゃんに告げた。
プーちゃんは私の発した言葉に首を傾げた。
あれ?おかしいな。
褒められて喜ぶかと思ったのに。
「聖竜じゃとっ!!?」
私の言葉に反応したのはプーちゃんではなくて、トリードット先生だった。
トリードット先生はプーちゃんの身体をガシッと抱き上げる。
そして、角度を変えてプーちゃんをじっくりと観察しているようだ。
「ぬぬっ!放すのだっ!!」
「ふふふっ。放しませぬぞぉ。」
プーちゃんがジタバタとトリードット先生の腕の中で暴れるが、トリードット先生は動じない。
それどころか、ルーペをどこからか取り出してプーちゃんの身体を隅から隅まで確認し始めた。
「・・・じゃが、伝説にあった聖竜よりも随分と小さいのぉ。」
プーちゃんを観察しながら、トリードット先生が言う。
じゃあ、プーちゃんは聖竜ではないのだろうか。
「・・・?生まれたばかりの赤子は小さいであろう?だんだん大きくなっていくのだろう?だから我も小さい姿をとっておるのだ。」
「ん?つまりわざと小さい姿をしているっていうことかな?」
「うむ。我の本体はでかいぞ。だが、生まれたばかりは小さい方が可愛いのだろう?以前一緒に過ごしていた人間が言っておったぞ。」
うーん。
プーちゃんってその以前一緒に過ごしていた人の感化を受けすぎているのかな。
別に精霊に大小ってあんまり関係ないと思うのだが。
「ほぉぉぉぉぉお!興味深いっ!姿を自在に変えることができるとはっ!!」
トリードット先生が興奮したように叫ぶ。
どうやらトリードット先生も今まで姿を自在に変えることができる精霊とは遭遇したことがないようだ。
「うむ。我は偉大なる始祖竜だからな。我にできないことはないのだ。」
プーちゃんはそう胸を張って告げた。
・・・えっ?
始祖竜・・・?
今、私はとんでもない言葉を聞いたような気がする。
気のせいだろうか。
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