悪役令嬢は始祖竜の母となる

葉柚

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本編

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それから私はプーちゃんのことを受け入れた。

受け入れたといっても始祖竜ってところにはかなりの違和感があるけれども。

なんで私が始祖竜の母親的存在に選ばれたのかはまだわからない。

プーちゃんに聞いてもなんとなくとしか答えてくれなかった。

「おおっ!始祖竜様。今日も麗しい鱗ですな。どれ、その麗しい鱗を今日こそ一枚いただけませんかな?」

「断る。痛いのは嫌なのだ。」

プーちゃんと仲直りはしたんだけれども、プーちゃんが始祖竜だとわかってからトリードット先生がかなりうざい。

って、先生に向かってうざいって言っちゃダメだった。

ええと、トリードット先生は非常に煩わしい存在になった。

って、これもあまり良くないか・・・。

じゃあ、始終まとわりついてきてうざい・・・。

って、またうざいって言っちゃった。

もう、しょうがない。

トリードット先生に面と向かって言わなければいいよね。うん。

まあ、そんな感じでプーちゃんが始祖竜とわかってから毎日のようにトリードット先生が私の元へとやってくるのだ。目的はプーちゃんだけれども。プーちゃんと私は常に一緒にいるので必然的にトリードット先生と私も会うことになる。

邪竜の卵が孵るまでは頼れる先生だったのに、なぜこうなったんだろう。

「あらぁ~ん。始祖竜様ぁ~。怪我を治してくれてありがとうございますぅ~。始祖竜様が治してくださった怪我がちゃんとに治っているか確認しませんかぁ~?」

「我がポカをしたというのかっ!?」

そう言ってこちらにすり寄ってくるのはジェリードット先生だった。

お色気ムンムンの服装でプーちゃんにしな垂れかかってくる。

が、プーちゃんは手のひらサイズの蛇なので必然的に私にしな垂れかかってきている。

こちらもうざいことこの上ない。

ジェリードット先生も邪竜の卵が孵るまでは普通の頼りになる先生だったのになぁ。

どうしたことか。

「プーちゃん・・・。先生方がなんだか怖くなっちゃったね。」

「うむ。まさかここまで影響が出るとは思わなかった・・・。」

プーちゃんが私の肩で疲れたようにガックリと項垂れた。

「ほんとね、ひどい有様だわ。見ているこっちも疲れてしまうわね。」

そう言ったのはアクアさんだった。

アクアさんと私は一緒にいることが多いので必然的に、トリードット先生やジェリードット先生と鉢合わせる回数が増えているのだ。

というか、プーちゃん今、なんて言った。

なんか、先生方の性格が極端になってしまったのには訳があるような言い方だったんだけれども・・・。

 

 

 

 

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