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本編
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しおりを挟む「プーちゃん、影響ってどういうこと・・・?」
プーちゃんが先生方がこんなに欲望むき出しな状態になってしまったことに関して何かしら知っていそうなので念のため確認してみる。
「ふむ。我の血を飲んだからなのだ。」
「はあ?」
「・・・理解ができないわ。」
驚いて思わず変な声が出てしまった。
アクアさんも驚いたのか、頭を抱え込んでしまっている。
というか、なぜ先生方はプーちゃんの血を飲んだのだろうか。
「えっと・・・。どうして、トリードット先生とジェリードット先生はプーちゃんの血を飲んだの?」
「ん?母があやつらの治療をするように我にお願いしたであろう?」
「えっ。もしかして、治療って・・・。」
「うむ。我の血を飲ませたのだっ。」
プーちゃんの言葉に思わず顔色が青くなる。
つまりは、プーちゃんがトリードット先生とジェリードット先生を治療するためにプーちゃんの血を飲ませたということ・・・?
えっ。ちょっと待って・・・。
プーちゃんって信じたくないけれども始祖竜なんだよね?
そんな始祖竜の血なんか飲んでしまってトリードット先生もジェリードット先生も大丈夫なのだろうか。
アクアさんも私と同じ結論に至ったのか同じように顔を青くしている。
「・・・プーちゃんの血って。先生たちを治癒させるにはそれしか方法がなかったの?」
「うむ。精霊王が治癒出来ねば我の涙か血を飲ませるしかないのだ。だが、涙は人前で流すものではないと教わったのでな、今回は血を一滴ずつ飲ませてみたのだ。」
事も無げに告げるプーちゃんに青い顔をしたままたのアクアさんがポツリと呟いた。
「・・・始祖竜の血って、不老不死の効果がありませんでしたっけ・・・?」
「えっ!!?」
その言葉に私は思わず息を飲む。
アクアさんの言葉が本当だとしたら私は知らず知らずのうちにトリードット先生とジェリードット先生を人外の存在にしてしまったことになる。
まさか、プーちゃんに治癒してもらうことが先生方を人外の存在にしてしまうだなんて思ってもみなかったのだ。
だから、あの時精霊王が警告したのか。
「ふむ。不老不死の効果があると言われている。あとはちょっとだけ欲望に忠実になる。」
「・・・げっ。」
「・・・あぁ。」
プーちゃんの血の力の説明に思わず私とアクアさんの声がハモる。
まさか、本当に不老不死になるとは・・・。
そうして、トリードット先生とジェリードット先生の様子がおかしいのもプーちゃんの血を飲んで、欲望に忠実になっているかららしかった。
私はもしかして、先生方の人生を歪めてしまったのだろうか。
そう脱力してトリードット先生とジェリードット先生を見つめた。
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