見習い料理人はテキトー料理で今日も人々を魅了する

葉柚

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「決まったか。では、各自持ち場について思い思いの方法でコカトリスの卵を割ってくれ。判定はより速く割れた方を勝者とする。また、もし仮に同時に割れた場合はより綺麗に割ったものを勝者とする。道具は何を使っても構わない。必要であればギルドから道具の貸し出しもおこなうが、どうするか?」

「オレは何もいりません。」

「……オレは、自分で用意したからいらない。」

 コカトリスの卵くらいだったら特別な道具は必要ないし、手でも割れる。だからあえて道具は不要と告げた。ユージンさんは、自分で道具を用意していたらしくギルドマスターの提案にかぶりを振った。
 よく見るとユージンさんの手になにかが握られているようだった。だが、オレからはユージンさんの身体が死角になりよく見えなかった。

「そうか、では今から始める。ユージン、リューニャ。準備はいいか?」

「はい。」

「ああ。」

「そうか。よし!では始めるとしよう。はっけよーい、のこったぁーーーー!!!」

 オレ達はギルドマスターのかけ声を合図にしてコカトリスの卵を割り出した。オレはコカトリスの卵を持ち上げると力一杯机の角に向けてコカトリスの卵を振り下ろす。
 
 ガッ。

 ガッ。

 ガッ。

 机に打ち付けること3回。コカトリスの卵にヒビが入った。オレは、ヒビの入った箇所に指をあてると、思いっきり指に力を込めた。
 指がコカトリスの卵の殻にめり込む。
 そして、大きめの器にコカトリスの卵を割って中の白身と黄身を入れた。

「流石……速いな。1分かかってないぞ。」

 オレがコカトリスの卵が割れたことをギルドマスターに告げると、ギルドマスターが唖然とした表情で告げた。対するユージンさんの方を見ると、手に持ったなにかでクイーンコカトリスの卵を何度も叩いているが一向にヒビが入る気配もない。
 ギルドマスターのオレが卵を割ったという言葉を聞いたユージンさんは大きく目を見開いてオレのことを見てきた。そうして、すぐに卵の方に視線を向けると今まで以上に力を込めて卵を叩いた。

「うをっ……っ!?」

 その瞬間、ユージンさんの手元にあったクイーンコカトリスの卵がまばゆいばかりの光を放った。

 へぇ……クイーンコカトリスの卵ってヒビが入ると光るのか。

 なあんてことを思わず思ってしまった。

 ……ん?
 ヒビが入った?
 それって、大問題じゃ……。

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