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聞き取り マリーの話
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お母さんといつものように使用人のアンに身だしなみを整えさせてティータイムをしているといきなり知らない男性が入ってきた。
ノックもなしに!
文句を言う間もなく瞬く間に拘束されて地下牢に入れられてしまった。
「アベル様をよんで頂戴!!」
子爵家の衛兵を睨みつけた。
「私が地下牢に入れられたなんてアベル様が知ったらあなた達のクビ全員飛ぶわよ!いいの?!」
「何言ってるんだ。アベル様はお前が拘束された時居たじゃないか。」
私を地下牢に入れた衛兵が呆れたように言った。
はあ?居たら私がこんなところに入れられるのを許すはずがないじゃない!
苦し紛れの嘘にも程がある。
しばらくするとセバスチャンがやってきて隣の牢に入れられたお母さんを連れて行った様だった。
ちゃんとお母さんは説明できんのかしら。
私があの女の予算をつかっても問題ないって。
アベル様は他の使用人よりもブリジットよりも、私を一番に気にかけていたって。
揉めた時ですら、私を優先して考えてくれた。
ブリジットなんて居ない様だったわ。
一番笑ったのはブリジットに届いたアベル様からのバースデーカード。
あの字セバスチャンよねえ?
あは!!
ああ、笑ったら落ち着いてきたわ。
まあアベル様さえ来れば済む話。
待ちましょう。
今の着飾った私を見たらアベル様なんていうかしら。
でも美しさもお金なんだと思ったわ。
あの女のうつくしさも結局お金だったのよ。
「カトリは罪を認めましたよ。次はあなたですね。」
はあ?
しばらくするとセバスチャンが戻ってきてようやく出してもらえるのかと思ったらそんなことを言われる。
セバスチャン、とうとうもうろくしちゃった?
「認める罪なんかどこにあんの?」
いつも無表情なセバスチャンが目をすがめる。
はあ、やれやれ。
一から説明しなきゃいけないらしい。
お母さんちゃんと説明できなかったのね~。
セバスチャンは私を牢から出そうとした衛兵をとめ、椅子を持ってくるよう指示した。
「ご自分の罪がわかりませんか。」
言いながら椅子に座る。
「ブリジット様につけた予算を使い込み。立派な罪です。改めて子爵家から返還を求めることになるでしょう。もちろん罪も償っていただくことになるでしょうね。」
だぁかぁらぁ!!
なんで返還しなくちゃいけないのよ!!
あの女についた予算は本当は私が使う予算だったの!
アベル様は私が使っても文句なんて言わないの!
アベル様が来たら、アンタだってクビになるんだから!
声の限り怒鳴り散らした。
「なんで私が来たらセバスがクビになるんだ?」
アベル様!
「アベル様!皆がひどいのです!こんなところに閉じ込めて……」
「なんでセバスがクビになるんだ?」
「してくれますよね?!私のために!」
「セバスのクビがなんでお前のためになる?」
「酷いんです!お金を返せと!」
「セバスのクビの話はどうしたんだ。」
アベル様は顔を顰めた。
心底わからないという顔をされる。
私は焦った。
上手く通じない。
「ですから!いつも私を気にかけてくださったじゃないですか!他のメイドよりも!あの女よりも!」
「気にかける?あの女?誰のことだ?」
私を胡乱気に見た。
私は次の語を紡げず焦りで口をパクパクと動かすばかりだ。
「お前の話は支離滅裂でよくわからない。少し落ち着いてから話した方が良さそうだ。なあセバス。」
ため息交じりに言うと踵を返してさっさとと出ていってしまった。
嘘でしょう?
「あ……あ……」
引き止めたいのに言葉にならない。
私はクタクタと座り込んでしまった。
「アベル様の朴念仁を舐めちゃいけません。」
淡々とセバスチャンが言う。
「全部あなたの独りよがりだった。そういう事です。」
最後は少し憐れむ様に言うとセバスチャンも去っていった。
そんなはず……ない……
「あ……あ……」
誰もいなくなった牢で言葉にならない声だけが響いてた。
ノックもなしに!
文句を言う間もなく瞬く間に拘束されて地下牢に入れられてしまった。
「アベル様をよんで頂戴!!」
子爵家の衛兵を睨みつけた。
「私が地下牢に入れられたなんてアベル様が知ったらあなた達のクビ全員飛ぶわよ!いいの?!」
「何言ってるんだ。アベル様はお前が拘束された時居たじゃないか。」
私を地下牢に入れた衛兵が呆れたように言った。
はあ?居たら私がこんなところに入れられるのを許すはずがないじゃない!
苦し紛れの嘘にも程がある。
しばらくするとセバスチャンがやってきて隣の牢に入れられたお母さんを連れて行った様だった。
ちゃんとお母さんは説明できんのかしら。
私があの女の予算をつかっても問題ないって。
アベル様は他の使用人よりもブリジットよりも、私を一番に気にかけていたって。
揉めた時ですら、私を優先して考えてくれた。
ブリジットなんて居ない様だったわ。
一番笑ったのはブリジットに届いたアベル様からのバースデーカード。
あの字セバスチャンよねえ?
あは!!
ああ、笑ったら落ち着いてきたわ。
まあアベル様さえ来れば済む話。
待ちましょう。
今の着飾った私を見たらアベル様なんていうかしら。
でも美しさもお金なんだと思ったわ。
あの女のうつくしさも結局お金だったのよ。
「カトリは罪を認めましたよ。次はあなたですね。」
はあ?
しばらくするとセバスチャンが戻ってきてようやく出してもらえるのかと思ったらそんなことを言われる。
セバスチャン、とうとうもうろくしちゃった?
「認める罪なんかどこにあんの?」
いつも無表情なセバスチャンが目をすがめる。
はあ、やれやれ。
一から説明しなきゃいけないらしい。
お母さんちゃんと説明できなかったのね~。
セバスチャンは私を牢から出そうとした衛兵をとめ、椅子を持ってくるよう指示した。
「ご自分の罪がわかりませんか。」
言いながら椅子に座る。
「ブリジット様につけた予算を使い込み。立派な罪です。改めて子爵家から返還を求めることになるでしょう。もちろん罪も償っていただくことになるでしょうね。」
だぁかぁらぁ!!
なんで返還しなくちゃいけないのよ!!
あの女についた予算は本当は私が使う予算だったの!
アベル様は私が使っても文句なんて言わないの!
アベル様が来たら、アンタだってクビになるんだから!
声の限り怒鳴り散らした。
「なんで私が来たらセバスがクビになるんだ?」
アベル様!
「アベル様!皆がひどいのです!こんなところに閉じ込めて……」
「なんでセバスがクビになるんだ?」
「してくれますよね?!私のために!」
「セバスのクビがなんでお前のためになる?」
「酷いんです!お金を返せと!」
「セバスのクビの話はどうしたんだ。」
アベル様は顔を顰めた。
心底わからないという顔をされる。
私は焦った。
上手く通じない。
「ですから!いつも私を気にかけてくださったじゃないですか!他のメイドよりも!あの女よりも!」
「気にかける?あの女?誰のことだ?」
私を胡乱気に見た。
私は次の語を紡げず焦りで口をパクパクと動かすばかりだ。
「お前の話は支離滅裂でよくわからない。少し落ち着いてから話した方が良さそうだ。なあセバス。」
ため息交じりに言うと踵を返してさっさとと出ていってしまった。
嘘でしょう?
「あ……あ……」
引き止めたいのに言葉にならない。
私はクタクタと座り込んでしまった。
「アベル様の朴念仁を舐めちゃいけません。」
淡々とセバスチャンが言う。
「全部あなたの独りよがりだった。そういう事です。」
最後は少し憐れむ様に言うとセバスチャンも去っていった。
そんなはず……ない……
「あ……あ……」
誰もいなくなった牢で言葉にならない声だけが響いてた。
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