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第16話「王宮炎上、愛を試される夜」
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「本日をもって、アルディナス王国からの要求は外交的に終了とする」
王の言葉により、会議は閉幕した。
使節団は表向きには礼を尽くし、静かに退室したが――
その裏で、動く者がいた。
(……まさか、まだ来るなんて)
イツキが帰り支度をしていたその時。
廊下の陰から、黒装束の男が現れた。
剣を抜く音。
反射的に距離を取る――が、すぐ後ろにももう一人。
(まずい……間に合わない)
「――イツキ様!!」
突風のように駆け込んできたのは、ノアだった。
そのまま、正面から飛び込んで――
イツキを抱きしめるように庇い、背中に一閃。
「っ……!」
小さな身体が大きく揺れ、血の匂いが鼻を突く。
「ノア……!」
倒れかけたノアを抱き留めたイツキの顔が、青ざめる。
⸻
剣が床に落ちる音と同時に、護衛が駆け込んだ。
刺客たちは即座に取り押さえられ、混乱の渦が広がっていく。
だが、イツキの視界には、それは何も入っていなかった。
「……なんで、こんな……!」
震える手で、ノアの頭を撫でる。
血で濡れた髪が手に絡みつく。
「ばか……どうして……どうして、あんたが……!」
声が震える。
涙が零れる。
――完璧なはずの官僚は、今、泣いていた。
⸻
ノアが、薄く目を開けた。
「……イツキ様、怒ってる……?」
「怒ってるわよ……! 当然でしょう……!」
「……よかった……イツキ様、ちゃんと……感情、あるんだなって……」
かすかな笑みを浮かべて、ノアはそっと目を閉じた。
「守れて……よかった……」
そして、意識を手放す。
⸻
「おい、どけっ!」
駆け込んできたレオンとユージンが、現場を即座に掌握する。
「刺客の身元を洗え!アルディナスの使節と通じていた形跡を掴め!外交ルートから潰すぞ!」
レオンが怒声を飛ばしながら、イツキの肩に手を置く。
「……俺たちがやる。君は――あの子のそばにいてくれ」
イツキは何も言わず、うなずいた。
⸻
夜。屋敷の一室。
ノアは医師の手で応急処置を受け、ベッドに横たわっていた。
そのそばで、イツキが椅子に座り、彼の寝顔をじっと見ていた。
「感情なんて、官僚には邪魔なだけって思ってたのに」
静かな独白。
「……あんたがいなくなるかもって思ったら、どうしようもなく怖かった」
ゆっくりと、手を伸ばし、ノアの頭を撫でる。
「ばか……甘やかしすぎた、私が悪いのかもしれないけど……」
涙が一粒、ノアの頬に落ちる。
「……今度は、私があんたを守る番よ」
王の言葉により、会議は閉幕した。
使節団は表向きには礼を尽くし、静かに退室したが――
その裏で、動く者がいた。
(……まさか、まだ来るなんて)
イツキが帰り支度をしていたその時。
廊下の陰から、黒装束の男が現れた。
剣を抜く音。
反射的に距離を取る――が、すぐ後ろにももう一人。
(まずい……間に合わない)
「――イツキ様!!」
突風のように駆け込んできたのは、ノアだった。
そのまま、正面から飛び込んで――
イツキを抱きしめるように庇い、背中に一閃。
「っ……!」
小さな身体が大きく揺れ、血の匂いが鼻を突く。
「ノア……!」
倒れかけたノアを抱き留めたイツキの顔が、青ざめる。
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剣が床に落ちる音と同時に、護衛が駆け込んだ。
刺客たちは即座に取り押さえられ、混乱の渦が広がっていく。
だが、イツキの視界には、それは何も入っていなかった。
「……なんで、こんな……!」
震える手で、ノアの頭を撫でる。
血で濡れた髪が手に絡みつく。
「ばか……どうして……どうして、あんたが……!」
声が震える。
涙が零れる。
――完璧なはずの官僚は、今、泣いていた。
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ノアが、薄く目を開けた。
「……イツキ様、怒ってる……?」
「怒ってるわよ……! 当然でしょう……!」
「……よかった……イツキ様、ちゃんと……感情、あるんだなって……」
かすかな笑みを浮かべて、ノアはそっと目を閉じた。
「守れて……よかった……」
そして、意識を手放す。
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「おい、どけっ!」
駆け込んできたレオンとユージンが、現場を即座に掌握する。
「刺客の身元を洗え!アルディナスの使節と通じていた形跡を掴め!外交ルートから潰すぞ!」
レオンが怒声を飛ばしながら、イツキの肩に手を置く。
「……俺たちがやる。君は――あの子のそばにいてくれ」
イツキは何も言わず、うなずいた。
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夜。屋敷の一室。
ノアは医師の手で応急処置を受け、ベッドに横たわっていた。
そのそばで、イツキが椅子に座り、彼の寝顔をじっと見ていた。
「感情なんて、官僚には邪魔なだけって思ってたのに」
静かな独白。
「……あんたがいなくなるかもって思ったら、どうしようもなく怖かった」
ゆっくりと、手を伸ばし、ノアの頭を撫でる。
「ばか……甘やかしすぎた、私が悪いのかもしれないけど……」
涙が一粒、ノアの頬に落ちる。
「……今度は、私があんたを守る番よ」
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