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27話 勉強会②
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屋敷の大きな門を出迎えに開けた瞬間、
俺の頭の中の“冷静モード”はほぼ吹き飛んだ。
なぜなら――
二人とも、夏仕様すぎた。
「おじゃましまーす!」
最初に来たのは橘玲奈。
白いブラウスにデニムのミニスカート。
袖を少しまくっていて、日差しを受けた腕がつやつやして見える。
夏らしくて爽やか……だけど、スカートが短すぎて、
玄関の段差を上がるたびに俺の視界が危険地帯をかすめた。
「うわ、広っ! やっぱり“屋敷”って感じ~!」
「だから屋敷じゃないって!」
言いながらも、俺は正直目のやり場に困っていた。
続いて白石透子。
こちらは淡いグレーのカーディガンにノースリーブのブラウス、
そして上品なミニスカート。
橘ほど露出は多くないのに、
逆に大人っぽくて落ち着いた色気があった。
「お邪魔します、健斗くん。……素敵なおうちですね」
「ど、どうも……」
玄関で二人が並ぶと、
“お嬢様ギャル”と“清楚系委員長”のコントラストがやたら眩しい。
しかもどっちも夏服で脚が出てるから、もう目がチカチカする。
(なんで女子って、勉強会に戦闘服で来るんだよ……!)
リビングに通すと、二人の視線が同時に部屋を見渡した。
天井まで届く本棚、ガラスのテーブル、
窓からは庭の噴水が見える。
「やっぱりすごいなぁ。
ここで勉強したら頭よくなりそう~」
「ええ。環境は整ってますね」
その瞬間、柔らかい声が響いた。
「お客様、いらっしゃいませ。紅茶の準備はできております」
廊下の奥から現れたのは沙耶香さん。
今日はいつものメイド服ではなく、淡いベージュのワンピース姿。
涼しげなのに上品で、まるでドラマの執事令嬢みたいだ。
「皆さま、坊ちゃまがお世話になっております」
「ぼ、坊ちゃまはやめてくださいって……!」
橘が吹き出した。
「ぷっ……やば、ほんとに“坊ちゃま”呼びなんだ! 似合ってる~!」
白石は丁寧にお辞儀。
「今日はお邪魔します。ありがとうございます」
「いえ、どうぞごゆっくり。……お二人とも、素敵な服装ですね」
その言葉に、二人が一瞬だけピクリと反応した。
沙耶香さんの笑みは穏やかだけど――どこか探るような鋭さもある。
(……やっぱりこの人、ただの観察じゃない。完全に探り入れてる!)
テーブルに紅茶とクッキーが並び、
三人分のノートと参考書が広げられた。
「さて、どこから始める?」
白石がノートを開く。
橘は紅茶を片手に、あぐらをかきそうな勢いでくつろぎモード。
「まず英語でいいんじゃん? 単語とかマジで忘れてるし~」
「“マジで”ではなく“本当に”です」
「細か~! さすが委員長!」
軽口の応酬。
でもそのたびに、橘の髪が肩を揺れてふわりと香り、
白石のカーディガンの隙間からのぞく鎖骨が目に入り……
俺の集中力ゲージは最初から限界ギリギリだった。
「健斗くん、見すぎよ。」
「透子ちゃん、仕方がないよ。美少女2人に挟まれたら見ちゃうじゃん。私は見てもいいよ。」
橘は胸の谷間を見せるように服の胸元を広げた。
「あっ、こっち向いた。お勉強に疲れたら、私の胸に飛び込んでいいよ。」
「やめて、なら私がやる。英語は私のほうが得意だし、健斗くんの腕に胸押し当てるから、堪能しながら勉強できるよ。」
「ちょっと!胸押し当てるなら私だってできるし、私のほうが大きいから満足度も高いよ。」
(勉強どころじゃねぇ……! 視界が地雷だらけだ!)
ちょうどそのとき、ノックの音。
「失礼しまーす」
黒髪の女性が入ってきた。
篠原美優さん――俺の家庭教師だ。
「こんにちは、皆さん。今日は私も同席させてもらうわね」
「えっ、美優さんまで!?」
「ふふ、勉強会と聞いたら、先生として放っておけなくて」
柔らかく笑う美優さんの登場に、場の温度が一気に変わった。
橘が「先生キレイすぎ……」と小声でつぶやき、
白石は一瞬だけ背筋を伸ばした。
沙耶香さんも微笑んで一礼。
「まあ、皆さまそろいましたね。では、紅茶をお替わりいたします」
こうして――
年上組(美優&沙耶香) vs 同級生組(白石&橘)
まさかの“四人+俺”による修羅場勉強会が幕を開けた。
最初の一時間は、まだ静かだった。
だが、少しずつ空気が熱を帯びていく。
「ここ、“could”じゃなくて“was able to”でしょ?」
「え~、でも“could”でも通じるじゃん」
「細かいところを突けるのが本当の実力です」
「“お嬢様”理論きた~」
(あぁ……これ、絶対長引くやつ……)
俺がため息をついた瞬間、
二人が同時にこっちを見る。
「「健斗くんはどっちだと思う?」」
どちらも微笑んでる。
でも、その目はまるで“裁判官の証人尋問”。
「え、えっと……どっちも……」
「「どっちの味方!?」」
声が重なり、空気が震えた。
沙耶香さんが静かに紅茶を注ぎながら、
「……坊ちゃま、昔から女性に好かれやすいですから」
と小さくつぶやく。
(頼むから火に油を注がないでください……!!)
その後も、英単語の暗記で橘が歌いだし、
白石が眉をひそめ、
美優さんが「テンポがいいわね」と笑い、
沙耶香さんが「坊ちゃま、集中を」と囁く。
全員がマイペースで、誰も止まらない。
だが、不思議と嫌じゃなかった。
賑やかで、ちょっと暑くて、どこか青春みたいで。
(……テストより難しいのは、こういう空気なんだよな)
日が傾き、窓から差す夕焼けがリビングを染める。
白石が静かにノートを閉じた。
「今日は、ここまでにしましょう」
「ふぁ~、疲れたぁ。でも、ちょっとは頭よくなったかも?」
「少しだけ、ですね」
「ちょ、遠慮なく刺すなぁ~!」
笑い声が重なる。
――勉強会という名の、夏の嵐。
火花と笑いと紅茶の香りを残して、
長い一日はまだ終わらなかった。
俺の頭の中の“冷静モード”はほぼ吹き飛んだ。
なぜなら――
二人とも、夏仕様すぎた。
「おじゃましまーす!」
最初に来たのは橘玲奈。
白いブラウスにデニムのミニスカート。
袖を少しまくっていて、日差しを受けた腕がつやつやして見える。
夏らしくて爽やか……だけど、スカートが短すぎて、
玄関の段差を上がるたびに俺の視界が危険地帯をかすめた。
「うわ、広っ! やっぱり“屋敷”って感じ~!」
「だから屋敷じゃないって!」
言いながらも、俺は正直目のやり場に困っていた。
続いて白石透子。
こちらは淡いグレーのカーディガンにノースリーブのブラウス、
そして上品なミニスカート。
橘ほど露出は多くないのに、
逆に大人っぽくて落ち着いた色気があった。
「お邪魔します、健斗くん。……素敵なおうちですね」
「ど、どうも……」
玄関で二人が並ぶと、
“お嬢様ギャル”と“清楚系委員長”のコントラストがやたら眩しい。
しかもどっちも夏服で脚が出てるから、もう目がチカチカする。
(なんで女子って、勉強会に戦闘服で来るんだよ……!)
リビングに通すと、二人の視線が同時に部屋を見渡した。
天井まで届く本棚、ガラスのテーブル、
窓からは庭の噴水が見える。
「やっぱりすごいなぁ。
ここで勉強したら頭よくなりそう~」
「ええ。環境は整ってますね」
その瞬間、柔らかい声が響いた。
「お客様、いらっしゃいませ。紅茶の準備はできております」
廊下の奥から現れたのは沙耶香さん。
今日はいつものメイド服ではなく、淡いベージュのワンピース姿。
涼しげなのに上品で、まるでドラマの執事令嬢みたいだ。
「皆さま、坊ちゃまがお世話になっております」
「ぼ、坊ちゃまはやめてくださいって……!」
橘が吹き出した。
「ぷっ……やば、ほんとに“坊ちゃま”呼びなんだ! 似合ってる~!」
白石は丁寧にお辞儀。
「今日はお邪魔します。ありがとうございます」
「いえ、どうぞごゆっくり。……お二人とも、素敵な服装ですね」
その言葉に、二人が一瞬だけピクリと反応した。
沙耶香さんの笑みは穏やかだけど――どこか探るような鋭さもある。
(……やっぱりこの人、ただの観察じゃない。完全に探り入れてる!)
テーブルに紅茶とクッキーが並び、
三人分のノートと参考書が広げられた。
「さて、どこから始める?」
白石がノートを開く。
橘は紅茶を片手に、あぐらをかきそうな勢いでくつろぎモード。
「まず英語でいいんじゃん? 単語とかマジで忘れてるし~」
「“マジで”ではなく“本当に”です」
「細か~! さすが委員長!」
軽口の応酬。
でもそのたびに、橘の髪が肩を揺れてふわりと香り、
白石のカーディガンの隙間からのぞく鎖骨が目に入り……
俺の集中力ゲージは最初から限界ギリギリだった。
「健斗くん、見すぎよ。」
「透子ちゃん、仕方がないよ。美少女2人に挟まれたら見ちゃうじゃん。私は見てもいいよ。」
橘は胸の谷間を見せるように服の胸元を広げた。
「あっ、こっち向いた。お勉強に疲れたら、私の胸に飛び込んでいいよ。」
「やめて、なら私がやる。英語は私のほうが得意だし、健斗くんの腕に胸押し当てるから、堪能しながら勉強できるよ。」
「ちょっと!胸押し当てるなら私だってできるし、私のほうが大きいから満足度も高いよ。」
(勉強どころじゃねぇ……! 視界が地雷だらけだ!)
ちょうどそのとき、ノックの音。
「失礼しまーす」
黒髪の女性が入ってきた。
篠原美優さん――俺の家庭教師だ。
「こんにちは、皆さん。今日は私も同席させてもらうわね」
「えっ、美優さんまで!?」
「ふふ、勉強会と聞いたら、先生として放っておけなくて」
柔らかく笑う美優さんの登場に、場の温度が一気に変わった。
橘が「先生キレイすぎ……」と小声でつぶやき、
白石は一瞬だけ背筋を伸ばした。
沙耶香さんも微笑んで一礼。
「まあ、皆さまそろいましたね。では、紅茶をお替わりいたします」
こうして――
年上組(美優&沙耶香) vs 同級生組(白石&橘)
まさかの“四人+俺”による修羅場勉強会が幕を開けた。
最初の一時間は、まだ静かだった。
だが、少しずつ空気が熱を帯びていく。
「ここ、“could”じゃなくて“was able to”でしょ?」
「え~、でも“could”でも通じるじゃん」
「細かいところを突けるのが本当の実力です」
「“お嬢様”理論きた~」
(あぁ……これ、絶対長引くやつ……)
俺がため息をついた瞬間、
二人が同時にこっちを見る。
「「健斗くんはどっちだと思う?」」
どちらも微笑んでる。
でも、その目はまるで“裁判官の証人尋問”。
「え、えっと……どっちも……」
「「どっちの味方!?」」
声が重なり、空気が震えた。
沙耶香さんが静かに紅茶を注ぎながら、
「……坊ちゃま、昔から女性に好かれやすいですから」
と小さくつぶやく。
(頼むから火に油を注がないでください……!!)
その後も、英単語の暗記で橘が歌いだし、
白石が眉をひそめ、
美優さんが「テンポがいいわね」と笑い、
沙耶香さんが「坊ちゃま、集中を」と囁く。
全員がマイペースで、誰も止まらない。
だが、不思議と嫌じゃなかった。
賑やかで、ちょっと暑くて、どこか青春みたいで。
(……テストより難しいのは、こういう空気なんだよな)
日が傾き、窓から差す夕焼けがリビングを染める。
白石が静かにノートを閉じた。
「今日は、ここまでにしましょう」
「ふぁ~、疲れたぁ。でも、ちょっとは頭よくなったかも?」
「少しだけ、ですね」
「ちょ、遠慮なく刺すなぁ~!」
笑い声が重なる。
――勉強会という名の、夏の嵐。
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