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第二部
ディアナside⑤
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先を急ぐように立ち去って行ったフローラの後ろ姿を見つめていると、パタンとドアが静かに閉まる音にハッと我に帰る。
「休憩しなさいって言ったのにねぇ」
シャロン様の呆れるような声が聞こえた。
「フローラらしいと言えば、そうなんでしょうけれど」
「そうね」
睡眠より研究することが大好きな人ですものね。だからこそ、色々な功績を残しているわけだけれども、時にはゆっくりと休んでほしい。親友としては心配な所でもあるのよね。
「それにしても、シャロン様。フローラって最近とてもきれいになったと思いません?」
「あら。ディアナちゃんもそう思う?」
シャロン様は片眉を上げて目をキラッとさせて問いかける。
「ええ。思います。明るくなって笑顔も増えましたし。元々、清楚な美しさがあったでしょう? でも最近のフローラは、例えば、朝露を含んだ純白の野バラが朝日に照らされて輝くような感じかしら? 瑞々しい美しさが際立つようになったみたい」
「まあ、すごい誉め言葉。我が娘の事ながら嬉しいわ。実は私もね、似たようなことを思っていたのよ。でも、もしかしたら親の欲目かしらって思っていたけれど、そうではなかったみたいね。よかったわ」
シャロン様は満足げにコロコロと笑う。
ローシャス公爵家のお茶会の後、フェリシア様とお会いしたのだけど、フローラの美しさに驚いていらっしゃったもの。ブルーバーグ侯爵家は貴重な宝玉をお持ちねと賛美していらしたし、年齢が釣り合えばリチャードの妃に欲しかったわなんて、冗談も飛び出していたけれど。
フェリシア様がフローラのことをとても気に入ったことはわかったわ。
なんといっても次代を担う王太子妃を輩出した筆頭公爵家ですものね。味方につけておいて損はないわ。フローラ本人はそんなこと爪の先ほども思わないでしょうけれど。
「これも、レイニーのおかげかもしれませんね。なんやかんやといっても、彼と会うのを楽しみにしているみたいですものね」
「やはり、そうなのかしら? 今までよりも更に熱心に勉強するようになったのよね。本人はリチャード殿下のためだと言っていたけれど。忙しいときは分刻みで動いているもの。だからと言って苦痛な様子はなくて、むしろ楽しそうにやってるわ」
「リチャードね。フローラにとってはいい口実になっているのかしら。かわいいわね」
勉強好きなフローラらしい。相乗効果というのかしら? その様子が目に浮かぶようだわ。
リチャードの語学学習は来年からの予定だったのを前倒しして今年に早めたのよね。来年以降の教師は決定しているから、今年は教師を探す予定はないので決まらないのは当たり前。
それにしても、フローラが教師が務まるほどの語学堪能でよかったわ。
「レイニー殿下とは、その……どうなっているのかしら?」
一人心の中でニマニマしていると、シャロン様が恐る恐る窺うような目で聞いてくる。
それよね。
いいお付き合いをしているのはフローラを見ていればわかるわ。仲が進展しているかと言えば、それはなさそうよね。よくて良いお友達程度。レイニーは違うけれど。
「フローラから聞いていないのですか?」
「あの子は何も言わないわね。こちらから聞き出すこともなかったから。楽しそうであることは見て取れるけれど、それ以上はわからないわ」
「それが答えなのではないですか? たぶん、今の現状では何か報告するような仲ではないということでしょうね」
「やはり、そうなのね」
がっかりしたようなやきもきするような複雑な顔つきでそっと溜息をつくシャロン様。
気持ちはわかるわ。
レイニーの心は決まっているようだから、サクサクと話が進むかと思ったけれど……そうはならず。
もっとグイグイ押せば、フローラだって絆されるでしょうに。はたから見ていてもレイニーに好意を持っているのはわかるのよ。だから、もう少し頑張ってほしいわ。
サッサと告白して婚約して、それから仲を深めていく方がよいと思うのよ。頃合いを見計らっているのかもしれないけれど、なんかじれったいわ。
ちょっと、ハッパをかけに行って来ようかしら?
「ディアナちゃん。実はね、フローラに縁談の話がちらほらとあるのよ」
「えっ?」
フローラに縁談?
思いがけない話にわたしは目をぱちくりとさせて、シャロン様を見つめてしまった。
「先日、ローシャス公爵夫人のお茶会に出席したでしょう? そこでフローラを気に入って下さった方もいらっしゃったらしくて、釣書がいくつか届いているの」
「それで、返事はどうされたのです?」
「一応、今のところ保留にしているわ。このことはフローラは知らないの。でも黙っておくわけにもいかないだろうから、話をするつもりではいるわ」
シャロン様は心を落ち着けるようにか、少し冷めてしまった紅茶を口に含んだ。
「縁談が来るのは有難いことよね。どんな理由があっても、一度婚約が壊れると次を見つけるのは難しいと言われているものね」
世間一般ではそうでしょうけれど……
才女と言われる侯爵令嬢。彼女の才能がどれだけの富を生み出しているかを理解すれば、ないがしろにされることなどないことくらいはわかるわ。
婚約者がいないとなれば、年頃の子息を持つ貴族家にとってフローラは垂涎の的でしょうね。
わたしも日頃懇意にしている方々を紹介したけれど、彼女に見惚れていた夫人ばかりだったもの。性格的にも好感を持たれたことはいうまでもないわ。
社交場という表舞台に出ると、こういう副産物もあるのね。
さて、どうしましょうか。
「ただね。レイニー殿下のことがあるから、ちょっと、頭を悩ませているところよ」
シャロン様がちょっと困ったように笑う。
そうよねえ。
正式ではないにしろ、王家から縁談を勧められているのも同然の上、何の進展もないから対処のしようもないですものね。
「でも、結局のところ、フローラの気持ちが大事ですからね。あの娘の気持ちを尊重するわ。ごめんなさいね、ディアナちゃんに愚痴ってしまったわ」
「いいえ。話をしてもらってよかったですわ。フローラの気持ちが大事。これにはわたしも賛成しますわ。幸せになってほしいですもの」
さて、さて、うかうかしてられませんわね。すぐにでもハッパをかけに行きましょうか。
そんなことを考えながら、残っていた紅茶を飲み干した。
「休憩しなさいって言ったのにねぇ」
シャロン様の呆れるような声が聞こえた。
「フローラらしいと言えば、そうなんでしょうけれど」
「そうね」
睡眠より研究することが大好きな人ですものね。だからこそ、色々な功績を残しているわけだけれども、時にはゆっくりと休んでほしい。親友としては心配な所でもあるのよね。
「それにしても、シャロン様。フローラって最近とてもきれいになったと思いません?」
「あら。ディアナちゃんもそう思う?」
シャロン様は片眉を上げて目をキラッとさせて問いかける。
「ええ。思います。明るくなって笑顔も増えましたし。元々、清楚な美しさがあったでしょう? でも最近のフローラは、例えば、朝露を含んだ純白の野バラが朝日に照らされて輝くような感じかしら? 瑞々しい美しさが際立つようになったみたい」
「まあ、すごい誉め言葉。我が娘の事ながら嬉しいわ。実は私もね、似たようなことを思っていたのよ。でも、もしかしたら親の欲目かしらって思っていたけれど、そうではなかったみたいね。よかったわ」
シャロン様は満足げにコロコロと笑う。
ローシャス公爵家のお茶会の後、フェリシア様とお会いしたのだけど、フローラの美しさに驚いていらっしゃったもの。ブルーバーグ侯爵家は貴重な宝玉をお持ちねと賛美していらしたし、年齢が釣り合えばリチャードの妃に欲しかったわなんて、冗談も飛び出していたけれど。
フェリシア様がフローラのことをとても気に入ったことはわかったわ。
なんといっても次代を担う王太子妃を輩出した筆頭公爵家ですものね。味方につけておいて損はないわ。フローラ本人はそんなこと爪の先ほども思わないでしょうけれど。
「これも、レイニーのおかげかもしれませんね。なんやかんやといっても、彼と会うのを楽しみにしているみたいですものね」
「やはり、そうなのかしら? 今までよりも更に熱心に勉強するようになったのよね。本人はリチャード殿下のためだと言っていたけれど。忙しいときは分刻みで動いているもの。だからと言って苦痛な様子はなくて、むしろ楽しそうにやってるわ」
「リチャードね。フローラにとってはいい口実になっているのかしら。かわいいわね」
勉強好きなフローラらしい。相乗効果というのかしら? その様子が目に浮かぶようだわ。
リチャードの語学学習は来年からの予定だったのを前倒しして今年に早めたのよね。来年以降の教師は決定しているから、今年は教師を探す予定はないので決まらないのは当たり前。
それにしても、フローラが教師が務まるほどの語学堪能でよかったわ。
「レイニー殿下とは、その……どうなっているのかしら?」
一人心の中でニマニマしていると、シャロン様が恐る恐る窺うような目で聞いてくる。
それよね。
いいお付き合いをしているのはフローラを見ていればわかるわ。仲が進展しているかと言えば、それはなさそうよね。よくて良いお友達程度。レイニーは違うけれど。
「フローラから聞いていないのですか?」
「あの子は何も言わないわね。こちらから聞き出すこともなかったから。楽しそうであることは見て取れるけれど、それ以上はわからないわ」
「それが答えなのではないですか? たぶん、今の現状では何か報告するような仲ではないということでしょうね」
「やはり、そうなのね」
がっかりしたようなやきもきするような複雑な顔つきでそっと溜息をつくシャロン様。
気持ちはわかるわ。
レイニーの心は決まっているようだから、サクサクと話が進むかと思ったけれど……そうはならず。
もっとグイグイ押せば、フローラだって絆されるでしょうに。はたから見ていてもレイニーに好意を持っているのはわかるのよ。だから、もう少し頑張ってほしいわ。
サッサと告白して婚約して、それから仲を深めていく方がよいと思うのよ。頃合いを見計らっているのかもしれないけれど、なんかじれったいわ。
ちょっと、ハッパをかけに行って来ようかしら?
「ディアナちゃん。実はね、フローラに縁談の話がちらほらとあるのよ」
「えっ?」
フローラに縁談?
思いがけない話にわたしは目をぱちくりとさせて、シャロン様を見つめてしまった。
「先日、ローシャス公爵夫人のお茶会に出席したでしょう? そこでフローラを気に入って下さった方もいらっしゃったらしくて、釣書がいくつか届いているの」
「それで、返事はどうされたのです?」
「一応、今のところ保留にしているわ。このことはフローラは知らないの。でも黙っておくわけにもいかないだろうから、話をするつもりではいるわ」
シャロン様は心を落ち着けるようにか、少し冷めてしまった紅茶を口に含んだ。
「縁談が来るのは有難いことよね。どんな理由があっても、一度婚約が壊れると次を見つけるのは難しいと言われているものね」
世間一般ではそうでしょうけれど……
才女と言われる侯爵令嬢。彼女の才能がどれだけの富を生み出しているかを理解すれば、ないがしろにされることなどないことくらいはわかるわ。
婚約者がいないとなれば、年頃の子息を持つ貴族家にとってフローラは垂涎の的でしょうね。
わたしも日頃懇意にしている方々を紹介したけれど、彼女に見惚れていた夫人ばかりだったもの。性格的にも好感を持たれたことはいうまでもないわ。
社交場という表舞台に出ると、こういう副産物もあるのね。
さて、どうしましょうか。
「ただね。レイニー殿下のことがあるから、ちょっと、頭を悩ませているところよ」
シャロン様がちょっと困ったように笑う。
そうよねえ。
正式ではないにしろ、王家から縁談を勧められているのも同然の上、何の進展もないから対処のしようもないですものね。
「でも、結局のところ、フローラの気持ちが大事ですからね。あの娘の気持ちを尊重するわ。ごめんなさいね、ディアナちゃんに愚痴ってしまったわ」
「いいえ。話をしてもらってよかったですわ。フローラの気持ちが大事。これにはわたしも賛成しますわ。幸せになってほしいですもの」
さて、さて、うかうかしてられませんわね。すぐにでもハッパをかけに行きましょうか。
そんなことを考えながら、残っていた紅茶を飲み干した。
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