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躰の中から外まで、綺麗に洗われた先生は、戒めを解かれ、今はプレイルームの片隅のマットレスの上だ。
マットレスはプロレスのリングのように広く、高さは僕の膝ぐらい。
ベッドより低いので、乗り降りが楽で、凌辱プレイには最適である。
薄物のガウンをまとったジュリと塁は見物用のデッキチェアに寝そべり、全裸の助清と佐平はマットレスのコーナーに彫像のように立っている。
何かあればすぐにサポートできるようにという、ジュリの配慮だろうか。
先生はふたりの覆面男に乾いたバスタオルで全身を綺麗に拭かれ、代わりに身体中にオイルを塗り込まれている。
美容用のオイルをまぶされた先生の裸体は照明につやつやと輝き、隅々の陰影が濃くなってとても官能的だ。
胸や腹、そしてお尻の皮膚の下の筋肉の形から腕や腿の腱の走り具合まで、すべて克明に浮き上がっている。
仰向けに寝かされた先生は、軽く膝を立て、しどけなく両足を開いていた。
そのたくましい太腿と太腿の間から屹立するのは、筋肉をよじり合わせて長く引き伸ばしたような肉色の棒だ。
棒の先は赤ん坊のこぶしほどの大きさに膨らんだハート形の亀頭になり、ついさっき拭いたばかりなのに早くも先端の小さな切れ込みから透明な露を宿している。
表面から湯気の立ちのぼる亀頭は、全体がぬるぬるしてとてもいやらしい。
その原因は、明らかだった。
プレイルームの壁や天井はあちこちに大きな鏡が貼られていて、そこにしどけない先生の裸身が映っているのだ。
それこそ、さまざまな角度から、裸体の隅々までありありとー。
おそらく先生はそれを見て、はしたない自分自身の姿に浅ましくも欲情しているのに違いない。
以前、何かで読んだことがある。
人間が性欲を覚える相手は、つきつめていくと、結局のところ、自分自身なのだという。
だから性別にかかわらず、ほとんどの人間は、第二次性徴期を迎えると、おのずと自慰に耽らずにはいられない。
自慰はその名の通り、自分自身を癒し、愛する行為である。
極めつけのナルシストである先生は、自分の裸体をオカズにして、何度でも逝くことができるのだ。
そう、床オナニー、紐オナニー、綿棒オナニー、ローションガーゼオナニー、カテテールオナニーなど、ありとあらゆる自慰の手段を試してみた、変態オナニストのこの僕のようにー。
でも、無理もないと思う。
平凡な少年である僕でさえ、そうなのだ。
絶世の美青年である先生が、おのれの姿に恋をしないはずがない。
きっと先生は、アキラでもジュリでも僕でもなく、自分自身のことを性的に愛している。
難問は、まさにそれだった。
僕は、今生の別れになる前に、その先生をもう一度、この僕のほうへと振り向かせなければならないのだ。
マットレスはプロレスのリングのように広く、高さは僕の膝ぐらい。
ベッドより低いので、乗り降りが楽で、凌辱プレイには最適である。
薄物のガウンをまとったジュリと塁は見物用のデッキチェアに寝そべり、全裸の助清と佐平はマットレスのコーナーに彫像のように立っている。
何かあればすぐにサポートできるようにという、ジュリの配慮だろうか。
先生はふたりの覆面男に乾いたバスタオルで全身を綺麗に拭かれ、代わりに身体中にオイルを塗り込まれている。
美容用のオイルをまぶされた先生の裸体は照明につやつやと輝き、隅々の陰影が濃くなってとても官能的だ。
胸や腹、そしてお尻の皮膚の下の筋肉の形から腕や腿の腱の走り具合まで、すべて克明に浮き上がっている。
仰向けに寝かされた先生は、軽く膝を立て、しどけなく両足を開いていた。
そのたくましい太腿と太腿の間から屹立するのは、筋肉をよじり合わせて長く引き伸ばしたような肉色の棒だ。
棒の先は赤ん坊のこぶしほどの大きさに膨らんだハート形の亀頭になり、ついさっき拭いたばかりなのに早くも先端の小さな切れ込みから透明な露を宿している。
表面から湯気の立ちのぼる亀頭は、全体がぬるぬるしてとてもいやらしい。
その原因は、明らかだった。
プレイルームの壁や天井はあちこちに大きな鏡が貼られていて、そこにしどけない先生の裸身が映っているのだ。
それこそ、さまざまな角度から、裸体の隅々までありありとー。
おそらく先生はそれを見て、はしたない自分自身の姿に浅ましくも欲情しているのに違いない。
以前、何かで読んだことがある。
人間が性欲を覚える相手は、つきつめていくと、結局のところ、自分自身なのだという。
だから性別にかかわらず、ほとんどの人間は、第二次性徴期を迎えると、おのずと自慰に耽らずにはいられない。
自慰はその名の通り、自分自身を癒し、愛する行為である。
極めつけのナルシストである先生は、自分の裸体をオカズにして、何度でも逝くことができるのだ。
そう、床オナニー、紐オナニー、綿棒オナニー、ローションガーゼオナニー、カテテールオナニーなど、ありとあらゆる自慰の手段を試してみた、変態オナニストのこの僕のようにー。
でも、無理もないと思う。
平凡な少年である僕でさえ、そうなのだ。
絶世の美青年である先生が、おのれの姿に恋をしないはずがない。
きっと先生は、アキラでもジュリでも僕でもなく、自分自身のことを性的に愛している。
難問は、まさにそれだった。
僕は、今生の別れになる前に、その先生をもう一度、この僕のほうへと振り向かせなければならないのだ。
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