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ヤミイ

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 指先にたっぷり唾液をつけ、ひくつく肛門の縁を丹念に撫でていく。
「あう…く、くう…うふん…」
 先生が悩ましげに喘ぎ、僕の顔に向かって筋肉質のお尻を突き出してくる。
「いつ見ても、淫らな穴だ。この穴で、あなたは何本の男根を咥えたんですか?」
 そんないやらしい言葉を投げつけて、唇を尖らせ、ちゅっと肛門に接吻してやった。
「ああん…も、もっと…」
 先生が狂おしげに身悶えする。
 こちらからでは見えないが、今やカチコチに勃っているであろう先生の生殖器官は、元婚約者の塁に頬張られ、ありったけの憎しみと愛を込めたフェラチオで責め苛まれているはずだ。
 とすれば僕に残されている次の手は、睾丸責めしかない。
 肛門の穴に唇をつけ、空気が漏れないくらいまで密着させた。
 先生の肛門のかぐわしい匂いに、僕は思わず陶然となる。
 僕らはここへ来てから固形物をほとんど食べていないだけに、先生の肛門にも便臭はない。
 吸収のよいゼリー状のプロテインや液状の強壮剤のみで体力を維持してきた先生は、肛門の中までカウパー腺液や精液の匂いをさせている。
 つまりその事実は先生がそれだけこの穴を使った証拠であり、それがますます僕の嫉妬心を掻き立てた。
 なによりもこの匂いには、アキラの体液の匂いが混じっているのだ。
 それが一番、許せない。
「睾丸責めも、いつもと違うやり方で行きましょうか」
 肛門キスを一時中断して、僕は宣言した。
「例えばこんなふうに」
 口で再び肛門をふさぎ、物欲しそうに蠢く穴に舌先を入れていく。
 そうしておきながら、両手を先生の股の下に入れ、ぶらさがった睾丸を手のひらの上に乗せてみた。
 男性の睾丸は、皺くちゃの袋の中に、ふたつの精巣が入っている。
 精巣はアーモンドのような形をしていて、大きさは大人の小指ほど。
 それを片手でふたつとも握って揉むのが、僕のこれまでのやり方だった。
 でも、こんなやり方はどうだろう。
 袋の上から、右手で右側の玉、左手で左側の玉を握りしめ、ゆっくりと揉み始める。
 左右別々の精巣責め。
 さて、効果はいかほどか。
「あ…」
 いつもと違う感触に、先生が伸び上がるようにして、硬直する。
 と、その時。
 視界の隅で何か肌色のものが動いた。
 僕は横目で壁のほうを見た。
 そうだ、忘れていた。
 鏡だ。壁の鏡を見れば、僕らの様子は一目瞭然だ。
 ジュリがアキラに何をしているのか。
 塁が先生をどう責めているのか。
 そして、肝心の、先生のアクメ顔も…。
 ああ、なんて…。
 ひと目見るなり、僕はガチガチに勃起した。
 壁の鏡に映るのは、まさに、獣たちの饗宴だった。
 そのあまりに淫猥な光景に、たらりと鼻孔から血が流れ出すのがわかった。

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