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第二部
二人の距離
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「やはりジルベール様も、ダニー隊員のような綺麗な方がお好みなのでしょうか……あの農場での夜、私はローズ王女と練習をしていたため知りませんでしたが、ある隊員の方から、他の方達が楽しまれていたと……伺いました」
ある隊員って誰だよ! 余計なことを……と、頭の中で舌打ちをする。消去法でいってアーノルドあたりだろうが。まあそれはどうでもいい。俺はもちろんしていないが、説明しない限りレオンに怪しまれるだろう。
ダニーはケントとティムと楽しんでたって言えばいいが、俺はどうしてたのか訊かれる。普通に寝たと伝え、それでレオンが納得すれば問題ない。だが、もしより詳細な状況を問われ、万が一ジュールに襲われかけたことを知られたりしたら……恥ずかしすぎるし、レオンが怒ってジュールをどうにかしかけないってことも……いや、俺の自意識過剰か。
「レオン」
「はい、ジルベール様」
「そんなに俺は、おまえから見て信用ならない男なのか?」
「いえっ……」
「ならなぜ不必要なことを訊く?」
「それは……その隊員の方が、ジルベール様とダニー隊員が使っていた部屋の方角から、夜通し声が聞こえてきたと仰っていましたので……」
疲れで熟睡していたのか気が付かなかった。想像したくないが……使わせてもらおう、というかそもそも彼らだし。
「いや、確かに俺とダニーは同じ部屋だったが、俺は先に寝た。ダニーは別で楽しんだ後、空いていた部屋に来ただけだ」
「ですが……」
「おまえの情報元が聞いた声は、ジュールとユリウスだ」
「え? 本当にでしょうか」
俺じゃなかった安堵なのか、二人の仲の意外性に驚いているのか。
「ああ、あそこは狭くて壁も薄かったから勘違いしたんだろ。疑うんならダニーにでも確かめるんだな」
「いえ、そんなことは……」
「レオン」
強い口調で言った俺に対して姿勢を正し、次の言葉を待つレオン。
「俺は――あの時、本当はおまえとやるつもりだったんだが、おまえがローズ王女と一緒にいた所為で、孤独で寂しい夜を過ごした。どう責任を取るつもりかな?」
「ジルベール様っ、申し訳ございませんでした。どうかお赦しを……」
ああ、それだ。縋るような瞳で、俺に恭順な態度を示すレオン。
「――では、あの夜の代わりに、今夜たっぷりと可愛がってやる。こっちに来い」
「はい、ジルベール様」
任務中ずっと我慢していたレオンの体温、匂い……久しぶりの感触を楽しむように、ゆっくりとレオンの形の良い唇と重ね合わせる。そしてだんだんと熱を孕んだ互いの蜜を交わせていく。
口蓋のところを舌先で這わせると、レオンも同じように絡ませてきた。一滴も落とさないように、息をするのも儘ならないくらいに密着させる。
気が付くとレオンはソファーに座っている俺の上に跨り、腕を回してきた。顔を傾け、俺の奥まで奪うように舌を入れるレオン。頭の後ろにあった指で首筋をなぞり、少しずつ指の腹で俺の変化を確かめている。自然と声が出た。
「ん、あんっ……」
徐々に指は下がり、胸の小さな膨らみ部分を布の上から擦られ始めた。執拗に捏ねられ、摘まれる。すでに下肢は、あと少しの刺激でも解放しそうなくらいまで膨張してきた。
俺がレオンを可愛がると言ったが……
俺に従い、要求を聞き入れることで忠誠心を示していたレオン。無私無欲で高潔なレオンが……自らの欲望のために積極的に動いている。それは……俺もレオンにとって、素の自分を見せられる相手、見せても大丈夫だと信頼されているということだ。そのことがまた俺に安心感を与えてくれる。
硬さを持った突起は、布一枚を介していてもレオンの熱い体温を感じ取り、ますます高みに昇っていく。
やばい、これだけで……もう……
「ゔっ、ああぁんッ、あ」
あっという間だった。力が入らない……
レオンが俺の肩と膝下に腕を入れ、立ち上がった。そのままベッドの方に行くようだ。
達した後の、ぼーっとした頭だったので、数秒後に気が付いた。これって……冷静に考えればお姫様抱っこだよな?
恥ずかしいと思うよりも前にベッドに寝かされ、ズボンと下着を脱がされた。出したばかりの白濁の液で濡れているものを、丁寧に舐めていくレオン。まだ敏感なそこに舌を這わされ、絡みつかれる。くすぐったく、いたたまれない気持ちが湧き上がった。
「レオ……あ、んっ、」
「ジルベール様。先ほどの話になりますが……」
「ん、あっ、あんッ……う」
「ジルベール様が私に対して……お持ちになっている、感情とは比べられないほど、私は……」
だんだんと硬さを取り戻してきた先端を指で擦られ、根元の裏側部分を何度も往復するように舌先で刺激される。
「私はジルベール様が、任務といえど、他の方とお話されるだけで……いえ、他の方のことを気にされるだけで……激しく嫉妬し、自己嫌悪に陥るくらいの……独占欲に苛まれます」
「あんッ、あ、や、あん、レオ、っん、ン」
「正直に申しますと……周りの方は私を称賛してくださいますが、実際の私は……」
「……んあ、ゔっ、あ゙あ、あッ」
「完璧なジルベール様の、お側にいるには相応しくない……釣り合っていないのではと、常に怯えております」
長いところを握られ、ゆっくりと上下に動かされる。先端の弱い場所に口付けをされ、レオンが温かく包み込んできた。
「ですが、ジルベール様が私を必要としてくださる。その事実が……私に居場所を与えて……くださいます。救われているのは、私のほうです」
レオンが何かを言っている。声は音として耳に入ってくるのに、快楽で遮断され、思考まで繋がらない。
駄目だ、これ以上は本当に。
制すように、レオンの手首を掴んだ。
「レオ……ン。このままだと、またイッてしまうから……次は、おまえの中がいい……」
「はい、ジルベール様」
レオンは体を起こし、自分の服を剥ぎ取った。そのまま俺の上に乗ろうとする。
「レオン、そのままじゃ痛いだろ。少し待て」
「いえ……準備はしてあります」
「――そんなに俺とやりたかったってことか?」
「はい、ジルベール様」
膝をついて跨ったレオン。ゆっくりと体を動かし、久しぶりだから狭くなっている内側をこじ開けるように、硬いものを身の中に沈めていく。
痛さへの我慢のような、甘美からの溜息のような、糖度の高い音がレオンから漏れ出る。自分から気持ちよさを貪ろうと、執拗に何度も同じ部分を往復するレオン。
その度に、彼の屹立している性器が揺れる。右手でそれに触れた瞬間、レオンが喘ぎ声とともに体をよがらせ、俺を包み込んでいる内壁がきゅっと引き締まるように収縮した。
「や、あ、あんっ」
そのまま手を滑らせ、特に段差のある部分に指の腹で摩擦を与えていく。
俺が主導権を握っている時と違う動き。欲しいところに来ない、その少しのもどかしさが逆に興奮度を高め、濃く煮詰まった塊が弾けるのを待ちわびている。
「ジルベール様、んッあ、これ以上は……あんっ、出てしまいます」
「出していいぞ」
「や、あ、ああ、んっ、いや、あ――!」
高みを越え、力が抜けて体を小刻みに動かしているレオンを支えるように抱きしめ、そのままレオンを下にするように体勢を変えた。
まだ敏感なレオンの肌に指先で触れる。普段滑らかな肌は汗ばんで火照り、湿った漆黒の髪の間から覗く緑色の瞳には、もっと――と、ねだるような色が映っている。
「次は俺が動くぞ」
物理的にも心理的にも、いつもより深く繋がりたい。レオンの腰を持ち上げ、蕩けるような肉の、より奥へとねじ込む。
体を浮かせ、圧迫から逃れようとするレオン。
「あああ! あ、や、やんッ、あっ」
「まだ入るぞ」
「むり……っ、ジルベール様……だめ、です」
擦る度に声を上げ、顔を歪めて悶える、レオン本人も知らない、俺だけが知っている場所。
「ここがいいのか?」
「あ、あ、っん……ゔ」
「レオン……」
「や、ああ! あんッ、ジル……ベール様、っん」
居場所とか、存在意義とか、高位貴族としての宿命だとかを高尚に考える必要などなく、結局レオンと繋がる以上に自分を肯定してくれるものが見つからない。絶対的な安心感をくれるもの。
「レオン……愛している」
「――ジルベール様、私もジルベール様を愛しております」
初めての朝を迎えた。正確に言うならば、行為の後、初めてそのまま同じベッドで朝まで一緒に寝た――ということだ。
「ジルベール様、おはようございます」
レオンのことだから俺が起きる前に身支度を済ませ、使用人として挨拶されたのかと思ったが、まだ温もりを分け合っていた。
「ああ……おはよう。俺はおまえがもう起きて準備しているのかと、一瞬勘違いしたぞ」
「しておらず……申し訳ございません」
「いや、別に批判しているわけじゃない。ただおまえでも寝坊するのだと、驚いただけだ。まあ寝たの遅かったしな」
あれから結局二回やったから、さすがのレオンも疲れただろう。
「……起きてはいました」
「じゃあ、やっぱり疲れていて動きたくなかったか?」
「動きたくなかったのはそうですが、その……」
「なんだ?」
「万が一にも、ジルベール様を起こしてはいけないと……思いまして」
あまりにも自然な感じがしたので気にとめなかったが、俺、レオンに腕枕されてるわ。結構恥ずかしいが、レオンの体温、匂い……いつもより安心して眠れたと思うのは、気の所為ではないはずだ。
「それに、ジルベール様の寝顔が見惚れてしまうほど美しくて……鑑賞しておりました」
そう言って頬を赤く染めたレオン。
ああ、レオンのこんな一面を見られるのは俺だけだ。リューイなど令嬢達は、英雄らしくなくて嫌だ、とか言いそうだが。ライバルが減って好都合……いや、逆に可愛いと、より人気が出るかもしれない。それはそれで悔しい――ではなくて心配だな。
そんなことよりも……
「レオン、まだ時間は大丈夫そうか?」
「はい、十分間に合います」
「――なら、その前にもう一度口付けを……」
「はい、ジルベール様」
***
第二部『もうひとつの勘違い』、完結いたしました。
読んでいただきありがとうございます。
少しでも楽しんでいただけていれば嬉しいです♡
少し時間がかかってしまうかもしれませんが、第三部を書く予定です。
そちらでもお会いできることを願って……。
市之川めい
ある隊員って誰だよ! 余計なことを……と、頭の中で舌打ちをする。消去法でいってアーノルドあたりだろうが。まあそれはどうでもいい。俺はもちろんしていないが、説明しない限りレオンに怪しまれるだろう。
ダニーはケントとティムと楽しんでたって言えばいいが、俺はどうしてたのか訊かれる。普通に寝たと伝え、それでレオンが納得すれば問題ない。だが、もしより詳細な状況を問われ、万が一ジュールに襲われかけたことを知られたりしたら……恥ずかしすぎるし、レオンが怒ってジュールをどうにかしかけないってことも……いや、俺の自意識過剰か。
「レオン」
「はい、ジルベール様」
「そんなに俺は、おまえから見て信用ならない男なのか?」
「いえっ……」
「ならなぜ不必要なことを訊く?」
「それは……その隊員の方が、ジルベール様とダニー隊員が使っていた部屋の方角から、夜通し声が聞こえてきたと仰っていましたので……」
疲れで熟睡していたのか気が付かなかった。想像したくないが……使わせてもらおう、というかそもそも彼らだし。
「いや、確かに俺とダニーは同じ部屋だったが、俺は先に寝た。ダニーは別で楽しんだ後、空いていた部屋に来ただけだ」
「ですが……」
「おまえの情報元が聞いた声は、ジュールとユリウスだ」
「え? 本当にでしょうか」
俺じゃなかった安堵なのか、二人の仲の意外性に驚いているのか。
「ああ、あそこは狭くて壁も薄かったから勘違いしたんだろ。疑うんならダニーにでも確かめるんだな」
「いえ、そんなことは……」
「レオン」
強い口調で言った俺に対して姿勢を正し、次の言葉を待つレオン。
「俺は――あの時、本当はおまえとやるつもりだったんだが、おまえがローズ王女と一緒にいた所為で、孤独で寂しい夜を過ごした。どう責任を取るつもりかな?」
「ジルベール様っ、申し訳ございませんでした。どうかお赦しを……」
ああ、それだ。縋るような瞳で、俺に恭順な態度を示すレオン。
「――では、あの夜の代わりに、今夜たっぷりと可愛がってやる。こっちに来い」
「はい、ジルベール様」
任務中ずっと我慢していたレオンの体温、匂い……久しぶりの感触を楽しむように、ゆっくりとレオンの形の良い唇と重ね合わせる。そしてだんだんと熱を孕んだ互いの蜜を交わせていく。
口蓋のところを舌先で這わせると、レオンも同じように絡ませてきた。一滴も落とさないように、息をするのも儘ならないくらいに密着させる。
気が付くとレオンはソファーに座っている俺の上に跨り、腕を回してきた。顔を傾け、俺の奥まで奪うように舌を入れるレオン。頭の後ろにあった指で首筋をなぞり、少しずつ指の腹で俺の変化を確かめている。自然と声が出た。
「ん、あんっ……」
徐々に指は下がり、胸の小さな膨らみ部分を布の上から擦られ始めた。執拗に捏ねられ、摘まれる。すでに下肢は、あと少しの刺激でも解放しそうなくらいまで膨張してきた。
俺がレオンを可愛がると言ったが……
俺に従い、要求を聞き入れることで忠誠心を示していたレオン。無私無欲で高潔なレオンが……自らの欲望のために積極的に動いている。それは……俺もレオンにとって、素の自分を見せられる相手、見せても大丈夫だと信頼されているということだ。そのことがまた俺に安心感を与えてくれる。
硬さを持った突起は、布一枚を介していてもレオンの熱い体温を感じ取り、ますます高みに昇っていく。
やばい、これだけで……もう……
「ゔっ、ああぁんッ、あ」
あっという間だった。力が入らない……
レオンが俺の肩と膝下に腕を入れ、立ち上がった。そのままベッドの方に行くようだ。
達した後の、ぼーっとした頭だったので、数秒後に気が付いた。これって……冷静に考えればお姫様抱っこだよな?
恥ずかしいと思うよりも前にベッドに寝かされ、ズボンと下着を脱がされた。出したばかりの白濁の液で濡れているものを、丁寧に舐めていくレオン。まだ敏感なそこに舌を這わされ、絡みつかれる。くすぐったく、いたたまれない気持ちが湧き上がった。
「レオ……あ、んっ、」
「ジルベール様。先ほどの話になりますが……」
「ん、あっ、あんッ……う」
「ジルベール様が私に対して……お持ちになっている、感情とは比べられないほど、私は……」
だんだんと硬さを取り戻してきた先端を指で擦られ、根元の裏側部分を何度も往復するように舌先で刺激される。
「私はジルベール様が、任務といえど、他の方とお話されるだけで……いえ、他の方のことを気にされるだけで……激しく嫉妬し、自己嫌悪に陥るくらいの……独占欲に苛まれます」
「あんッ、あ、や、あん、レオ、っん、ン」
「正直に申しますと……周りの方は私を称賛してくださいますが、実際の私は……」
「……んあ、ゔっ、あ゙あ、あッ」
「完璧なジルベール様の、お側にいるには相応しくない……釣り合っていないのではと、常に怯えております」
長いところを握られ、ゆっくりと上下に動かされる。先端の弱い場所に口付けをされ、レオンが温かく包み込んできた。
「ですが、ジルベール様が私を必要としてくださる。その事実が……私に居場所を与えて……くださいます。救われているのは、私のほうです」
レオンが何かを言っている。声は音として耳に入ってくるのに、快楽で遮断され、思考まで繋がらない。
駄目だ、これ以上は本当に。
制すように、レオンの手首を掴んだ。
「レオ……ン。このままだと、またイッてしまうから……次は、おまえの中がいい……」
「はい、ジルベール様」
レオンは体を起こし、自分の服を剥ぎ取った。そのまま俺の上に乗ろうとする。
「レオン、そのままじゃ痛いだろ。少し待て」
「いえ……準備はしてあります」
「――そんなに俺とやりたかったってことか?」
「はい、ジルベール様」
膝をついて跨ったレオン。ゆっくりと体を動かし、久しぶりだから狭くなっている内側をこじ開けるように、硬いものを身の中に沈めていく。
痛さへの我慢のような、甘美からの溜息のような、糖度の高い音がレオンから漏れ出る。自分から気持ちよさを貪ろうと、執拗に何度も同じ部分を往復するレオン。
その度に、彼の屹立している性器が揺れる。右手でそれに触れた瞬間、レオンが喘ぎ声とともに体をよがらせ、俺を包み込んでいる内壁がきゅっと引き締まるように収縮した。
「や、あ、あんっ」
そのまま手を滑らせ、特に段差のある部分に指の腹で摩擦を与えていく。
俺が主導権を握っている時と違う動き。欲しいところに来ない、その少しのもどかしさが逆に興奮度を高め、濃く煮詰まった塊が弾けるのを待ちわびている。
「ジルベール様、んッあ、これ以上は……あんっ、出てしまいます」
「出していいぞ」
「や、あ、ああ、んっ、いや、あ――!」
高みを越え、力が抜けて体を小刻みに動かしているレオンを支えるように抱きしめ、そのままレオンを下にするように体勢を変えた。
まだ敏感なレオンの肌に指先で触れる。普段滑らかな肌は汗ばんで火照り、湿った漆黒の髪の間から覗く緑色の瞳には、もっと――と、ねだるような色が映っている。
「次は俺が動くぞ」
物理的にも心理的にも、いつもより深く繋がりたい。レオンの腰を持ち上げ、蕩けるような肉の、より奥へとねじ込む。
体を浮かせ、圧迫から逃れようとするレオン。
「あああ! あ、や、やんッ、あっ」
「まだ入るぞ」
「むり……っ、ジルベール様……だめ、です」
擦る度に声を上げ、顔を歪めて悶える、レオン本人も知らない、俺だけが知っている場所。
「ここがいいのか?」
「あ、あ、っん……ゔ」
「レオン……」
「や、ああ! あんッ、ジル……ベール様、っん」
居場所とか、存在意義とか、高位貴族としての宿命だとかを高尚に考える必要などなく、結局レオンと繋がる以上に自分を肯定してくれるものが見つからない。絶対的な安心感をくれるもの。
「レオン……愛している」
「――ジルベール様、私もジルベール様を愛しております」
初めての朝を迎えた。正確に言うならば、行為の後、初めてそのまま同じベッドで朝まで一緒に寝た――ということだ。
「ジルベール様、おはようございます」
レオンのことだから俺が起きる前に身支度を済ませ、使用人として挨拶されたのかと思ったが、まだ温もりを分け合っていた。
「ああ……おはよう。俺はおまえがもう起きて準備しているのかと、一瞬勘違いしたぞ」
「しておらず……申し訳ございません」
「いや、別に批判しているわけじゃない。ただおまえでも寝坊するのだと、驚いただけだ。まあ寝たの遅かったしな」
あれから結局二回やったから、さすがのレオンも疲れただろう。
「……起きてはいました」
「じゃあ、やっぱり疲れていて動きたくなかったか?」
「動きたくなかったのはそうですが、その……」
「なんだ?」
「万が一にも、ジルベール様を起こしてはいけないと……思いまして」
あまりにも自然な感じがしたので気にとめなかったが、俺、レオンに腕枕されてるわ。結構恥ずかしいが、レオンの体温、匂い……いつもより安心して眠れたと思うのは、気の所為ではないはずだ。
「それに、ジルベール様の寝顔が見惚れてしまうほど美しくて……鑑賞しておりました」
そう言って頬を赤く染めたレオン。
ああ、レオンのこんな一面を見られるのは俺だけだ。リューイなど令嬢達は、英雄らしくなくて嫌だ、とか言いそうだが。ライバルが減って好都合……いや、逆に可愛いと、より人気が出るかもしれない。それはそれで悔しい――ではなくて心配だな。
そんなことよりも……
「レオン、まだ時間は大丈夫そうか?」
「はい、十分間に合います」
「――なら、その前にもう一度口付けを……」
「はい、ジルベール様」
***
第二部『もうひとつの勘違い』、完結いたしました。
読んでいただきありがとうございます。
少しでも楽しんでいただけていれば嬉しいです♡
少し時間がかかってしまうかもしれませんが、第三部を書く予定です。
そちらでもお会いできることを願って……。
市之川めい
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完結まで楽しく読ませていただきました!面白かったです
そこで質問なのですが、結局レオンの父親は主人公のことを愛していないってことなのでしょうか⋯。番外編でも頭をなでる描写もないし、結局実子を守るための駒としか思っていないのでしょうか⋯。そこだけもやもやしてしまって⋯すみません!
瀬川セガ様
再度ご感想、完結までお読みいただきありがとうございます!
すみません…そのような感じで終わっていますが、第二部(予定では国王軍に所属した後)で、父親の葛藤とか色々そのあたりのことを回収して(ジルベールが)ハッピーエンドになるよう考えています。
少しお待たせしてしまうかもしれませんが、続きも読んでいただければ嬉しいです!
初めてのコメント失礼します!
真実を知って逃げてしまったジルベールのこれからが気になって気になって仕方ないです!
傲慢なところはありながらもしっかりしていて成績もいい真面目な主人公が大好きです。お父さんも他人の子ではありながら小指の先ほどは情があるんですね…。これからレオンがどんな行動をとるのか想像できなくて楽しみです!
瀬川セガ様
嬉しいご感想ありがとうございます! 傲慢な攻め、特に攻め視点の話が好きで書き始めました。
楽しんでいただけるよう頑張ります!