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第41話 確実に減る
しおりを挟む翌朝、少し早く目が覚めた僕は、早速と言ってはなんだけど家に置いてあるトレーニングマシンで汗を流した。
佐山も負けじとベンチプレスでバーベル上げてた。僕もあれやろうかな。どのみち、ムキムキな筋肉は僕にはつかないだろうけど。
「リン! 昨日はごめんな。まだどっか痛かったりする?」
スタジオに行くとすぐ、挨拶もそこそこにジェフが寄ってきた。
「いや、ジェフに謝ってもらうことなんか何もないよ。僕の方こそありがとうな。一人じゃどうなってたか」
「ん? いい武器持ってたじゃんか。楽しそうにビリビリさせてただろ」
「あ、わかった? えへへ」
あのスタンガンは、佐山が選んでくれたものだ。大きなものだとバックを持たないときに常備できないからってあの小型サイズにした。
出力は気絶させるほどではないけど、動きを止めれればいいから十分だ。それは昨夜証明された。
「今朝さ、様子を見に行ったんだけど、変なんだよな」
「なにが?」
「オレたちが暴れたのに、綺麗に掃除されててさ。店員に聞いたら、昨日いたバイトみたいなのはいないって言うんだよ」
「へえ……変な話だな」
「ま、警察沙汰になると面倒だから、今朝の店員もいい加減なこと言ってるんだと思う」
ジェフはわざわざ見に行ってくれたんだ。見かけ以上にいい奴だな。
「あれ? 妙だな。いつもならとっくにおまえのダンナに邪魔されるのに」
ダンナ。つまり佐山のことだけど、今日はこっちをチラチラ見ながら我慢してる。
「気にしなくていいよ。反省してるんだと思う」
「へえっ。おもしれえ。キスしていい?」
「馬鹿、調子に乗り過ぎだよ」
「いいじゃん。減るもんじゃなし」
あ、またそれを言うか。しかも僕本人に直接。
「確実に減るんだよ。ジェフの寿命がね。あいつにとって、僕は宝物だから……だから冗談はそれくらいにしておいて」
片方の口角を上げ、僕はウインクしながらジェフに言う。
「うお……確かに。今のウィンク、寿命縮まったかも……」
「あほ……付き合ってられんわ」
ホントに人をからかうのが好きだな。でもま、嫌な気分にはならないから不思議だ。
僕は我慢してる佐山のところを行く。待ってたご褒美として、ほっぺにキスをしてやった。
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