【R18】僕とあいつのいちゃラブな日々@U.S.A.

紫紺

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間奏話(佐山目線)5 事件の夜

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 俺はその夜のことを絶対忘れない。馬鹿で愚かな俺の失態。倫を危険な目に合わせるなんて万死に値する! 
(でも俺がいないと倫が困るだろうから生きる)


「おい、サヤマ、リンはどこに行ったんだよ」

 たまにはみんなで食事しようと、金髪ゴリラ、ジェフの言葉に乗って晩飯を食べに行った。そもそもこれが良くなかった! いや、これ言うと倫に怒られる。人のせいにしたら駄目だ。

「なんだよ。アイスクリーム買いに行ったんだよ。もう戻る」

 俺はかなりいい気分で酔っ払い、駐車場に停めてあった車で待っていた。リクライニングを倒し、ほとんど居眠り状態。そこにジェフがやって来たんだ。

「アイスって……店、電気消えてるぞ……ヤバいっ!」
「え、おい、ヤバいってどういうことだよっ」

 俺は一瞬、ジェフがからかってるのかと思った。だが、明らかに様子が変だ。俺はふらつく頭と体をどうにか車の外に出し、ジェフを追っかけた。物凄い勢いでアイスクリーム屋に向かってる。日本でも良く見る、チェーン店だ。

 ――――真っ暗だっ!

 のんびりしてる場合じゃないことだけはわかった。心臓が胸から飛び出しそうに暴れてる。急げ、俺! 倫の身に何かが起こったんだ! 
 すぐそこにあるはずなのに、なんでだ。悪夢の中のように足が進まないっ。

 ――――ライトが点いた?

 店のライトが点いたのは、ジェフ達がドアを蹴破る勢いで開けてすぐだ。だが、倫の姿はない。

「ちくしょうっ!」

 なんで俺はこんな時にのうのうと寝てたんだっ! 酔っ払って、あいつに一人で店に行かせるなんてっ。

「倫っ!」

 あいつらの背中を追ってようやく店へ突入。それから倉庫のような場所へ駆け抜けた。既に中では乱闘が始まってる。

「佐山っ!」

 倫がいた。床に転がってるじゃないかっ。

「てめえらっ、許さん!」

 俺は思いっきり日本語で叫ぶと、逃げ出そうとするオッサンどもをひっつかみ、殴り飛ばした。
 ここで修練してきたカラテの技が炸裂。やはり威力が普通の喧嘩とは違うようだ。漫画みたいに吹っ飛んでった。倫が楽しそうにスタンガンを浴びせてるのが見えた。



 少し興奮気味(当たり前だが)な倫とともに帰宅した。あいつはバスルームで体を綺麗に洗い、念入りに歯磨きをしてベッドに来た。
 強がっているけど、怖い目にあったんだ。無理矢理元気そうに振舞ってるのが痛々しかった。

 思わぬ喧嘩もした。喧嘩っていうか、怒られた。俺があんまりぐずぐずと後悔の念を並べ、さらに『日本に帰ろう』なんて言ったからだ。
 でも、俺はあいつをこんな危険な国にいさせたくなかったんだ。なんなら、俺だけが残ったっていい……って出来ないけど。

「おまえは僕の保護者か? 子供じゃないんだ。これでもそういう意味では対等だと思ってる。今回のことはあくまでも僕の責任だよ」

 倫は俺の腕のなからするりと抜け出て、ベッドに潜り込んでしまった。俺に背を向けて……。


 俺はむしろ、倫に頼ってるよ。英語も仕事のことも。俺が出来るのは音楽だけだ。でも腕力勝負で来られたら、俺はあんたを守る立場だって思ってる。それはいけないことなのかな。

 俺は背を向けて寝るあいつの後ろに寄り添う。艶やかな黒髪、しなやかな肉体、プリッとしたお尻。全てが愛おしくて、誰にも触れさせたくないんだ。
 起こさないようそっと抱きしめる。喧嘩した時、これが俺たちの流儀だ。もしこれを拒否されたら、もう生きていられない。

 倫が目を覚ましたのか、『良かった』とつぶやいた。『言い過ぎたと思って』と。
 俺は腕にもう少しだけ力を入れた。あいつの体温と共に感情が伝わってくる。良かった、は俺のほうだ。

「俺、もっとあんたを信頼しないとな」

 倫は俺の方へ体を向け、胸に顔をつけている。俺の心臓の音、聞こえるか?

「キスしていいか? もう痛まない?」
「痛いから……癒してよ。おまえのキスで」

 なんて可愛いことを言うんだよっ。俺は壊れ物を扱うように、そっと顎に手をかける。花びらのような唇に、俺のガサツなのを乗せる無礼を許してくれ。

「んんっ」

 吸い付くような唇が俺の全てを熱くする。頭の芯が溶けていくようだ。夢中で吸いつくと倫は甘い吐息を吐いて喘いでる。
 花弁を散らす勢いで舌をねじ込ませる。細かい傷の一つ一つを俺は探して癒していく。

 ――――止まらない……。この沼に俺はズブズブと沈み込んでいくんだ。

 いつしか俺は『壊れ物』も『癒し』も忘れていく。ただ、ただあんたの中に深く深く沈み、おのれの肉体、感情の全てを注ぎ込んだ。




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