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その229.「醍醐味」ってどんな味?
しおりを挟む前回、「ラムスデン現象」を取り上げましたが、今回も乳製品絡みの雑学で。
「人生の醍醐味」などで例えられる「醍醐味」という言葉。
物事の真髄、本当の面白さ、味わい深さなどを示す言葉です。
「醍醐味」というからには、「醍醐の味」なのでしょうけど、「醍醐」って何でしょう?
起源は仏教にあります。
牛や、山羊のミルクを加工して精製し、食べ物に変える過程を五段階に分けました。
これを、仏教では五つの味、つまり「五味(ごみ)」と呼びました。
仏教で悟りを開く過程も五段階なので、それに倣ったのです。
第一段階は「乳(にゅう)」。白いミルクの状態、そのままです。
第二段階は「酪(らく)」。乳を煮詰めた、練乳のような状態。
第三段階は「生蘇(しょうそ)」。第二段階の「酪」を固めたもの。現在でいうところのバターに近いです。
第四段階は「熟蘇(じゅくそ)」。第三段階の「生蘇」をさらに熟成させたもの。
そして五つ目の味、第五段階の「醍醐(だいご)」。
第四段階の「熟蘇」を、さらに完成させたものと言われていますが、そこまでの精製方法の記録は、残念ながら残っておらず、不明です。順番に味は上質なものとなり、「醍醐」が最上とされています。
おそらく「醍醐」とは、濃厚なレアチーズのような食べ物だったのでは、と推測されるそうです。
作るのに手間がかかり、高級な貴族くらいしか口にすることができず、平安時代の貴族たちが好んで食べたという記録があります。
極上の、このうえない美味だとされる「醍醐」。
そこから「醍醐味」という言葉が生まれたのですね。
しかし……「醍醐」の作り方が分からない以上、現代にその味を再現することはできないのでしょうか?
乳を煮詰めて固めた、第三・第四段階の「蘇(そ)」の状態ならば、奈良県の一部で土産物として製造・販売されているそうです。
「これが醍醐の元になる味か……」と、実際に食べてみて、思いを馳せてみるのも一興かと。
ちなみに、「醍醐」という言葉は、仏教の元、インドのサンスクリット語の「サルピス・マンダ(極上の乳製品、の意)」の訳語なのだとか。
そして、「カルシウム」の「カル」と「サルピス・マンダ」の「ピス」を組み合わせて命名されたのが「カルピス」だといわれています(諸説ありますが)。
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