雑に学ぶと書いて雑学 ~昨日より今日の自分が少し賢くなるかもしれない~

雲条翔

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その230.桃から生まれない桃太郎

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 新潟県には、県内の企業で製造・販売されている「もも太郎」というピンク色のアイスがあります。

 名前こそ「もも太郎」なのですが、味はイチゴ味、しかも原材料にリンゴの果汁が使われていて、もう何が何やら。

 そんな流れで、日本のおとぎ話の「桃太郎」について。

「むかしむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんが……」と定番から始まり、おばあさんが川で拾ってきた大きな桃から男の子が生まれ、その子に「桃太郎」と名付けた、と。
 桃太郎は成長して、「皆を困らせる鬼を退治してきます」と鬼ヶ島を目指し、道中で出会う犬、猿、キジに、きび団子を与えて家来にして、見事に鬼退治を成し遂げ、財宝を持ち帰るのでした、めでたしめでたし。

 こんな感じの勧善懲悪ストーリーが頭に浮かぶと思います。

 実は、元の物語は「桃から男の子が生まれる」のではなく、「不思議な桃を食べて、若返ったおじいさんとおばあさんが、アレして子供ができた」という話だった、と伝えられています。
(江戸時代の文献では、若返ったおばあさんが、桃太郎を出産するシーンもあるとか)

 古い日本の神話や、中国の伝承などでも「桃」は不思議な効果があるアイテムとして扱われる場合が多々あります。

 明治時代を前にして、小学校の教科書に「桃太郎」が取り上げられることが決まり、「子供に聞かせる話なのに、アレな部分をどうごまかすか……」ということで「桃から生まれたことにしよう」と、物語の設定が決まったらしいです。

「桃太郎」の起源は岡山県にある、という説が有力です。

 きび団子の「きび」は、岡山の昔の名前「吉備国(きびのくに)」から来ている、とか。
 そして岡山には吉備津彦命(きびつひこのみこと)という武将が温羅(おんら)という鬼を倒したという伝説も残っている、とか。
 
 吉備津彦命には三人の家来たちがおり、その三人を「桃太郎」の家来の犬・猿・キジに例えた、という説も。

 ただ、どうも疑問なのが、「キジ」だけ「分類ではない」ということ。

「鳥」じゃなくて「キジ」なんですよね。他は「犬」「猿」という括りなのに。

「桃太郎の家来は犬・猿・鳥の三匹でした」に統一するか、それとも「桃太郎の家来はチワワとニホンザルとトウカイキジでした」とか詳細な種類を記してくれた方が、表記が一貫していてスッキリするってモンですよ。

 いや、待てよ、鬼を倒しに行くんだからお供は強い方がいいな、犬は土佐犬か、ドーベルマンあたりで……猿だってオランウータンとかマウンテンゴリラの方が良くない? 
 キジは……日本だとトウカイキジ、シマキジ、キュウシュウキジ、コウライキジくらいしかいないし、固有の強さも分からないしなあ。トウカイキジのままでいいか。

 そんなわけで土佐犬とドーベルマンとチベタンマスティフの軍勢を率いて、武器と甲冑で完全武装させたマウンテンゴリラを先発部隊として進撃させ、空からは偵察部隊&爆弾を投擲する空中急襲部隊としてキジの群れ、それらのトップに立つのはコマンダー・モモタロウ!

 ……もはやそれは鬼退治というよりは、戦争を仕掛ける侵略行為だな。
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