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第8章 遅れた新婚旅行
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「だってさ、全部千尋がかわいいせいでしょ?俺、今、世界中の誰より幸せそうな顔してるから。」
「もう、そうやって甘いこと言って……!」
顔がまた熱くなる。けれど、嫌じゃない。
むしろ、何度だって聞きたくなる。
私がまた笑うと、律さんも目を細めて笑った。
まるで、水の中にとろけるみたいな、優しい夜。
波の音と笑い声だけが、ずっと響いていた。
そして私はブルっと体が震えて、くしゃみをした。
「体、冷えた?」
律さんが私を連れて、プールから引き上げる。
「部屋に帰ろう。」
「そうだね。」
うんと頷くと、律さんが私を抱きかかえた。
「ひゃっ、ちょ、ちょっと律さん!」
私は慌てて律さんの首にしがみついた。
「びっくりした?でも、こうすれば少しは温かいでしょ?」
そう言って律さんは、濡れた私の身体を優しく抱えたまま、プールサイドを歩く。
周囲の人がちらちら見てくるのが恥ずかしくて、私は顔を埋めた。
「もう……恥ずかしいよ、律さん……」
「恥ずかしがる千尋も可愛い。」
さらりとそんなことを言うから、また心臓が跳ねた。
「部屋戻ったら、ちゃんと温めるからね。」
律さんの低くて優しい声に、体の芯から熱くなる。
──濡れた肌に、律さんのぬくもり。
私はぎゅっと律さんを抱きしめた。
律さんの体も、プールで冷えている。
「律さんも、温めてあげるね。」
そう言うと、恥ずかしくて律さんの顔を見れなかった。
「あっ、大丈夫。」
律さんは、明るく否定する。
「俺、千尋を見るだけで、心も体も熱くなるんだ。」
「もうっ!」
こんなふうに、愛されてるって実感できる時間が、何よりの“新婚旅行”の贈り物だった。
「もう、そうやって甘いこと言って……!」
顔がまた熱くなる。けれど、嫌じゃない。
むしろ、何度だって聞きたくなる。
私がまた笑うと、律さんも目を細めて笑った。
まるで、水の中にとろけるみたいな、優しい夜。
波の音と笑い声だけが、ずっと響いていた。
そして私はブルっと体が震えて、くしゃみをした。
「体、冷えた?」
律さんが私を連れて、プールから引き上げる。
「部屋に帰ろう。」
「そうだね。」
うんと頷くと、律さんが私を抱きかかえた。
「ひゃっ、ちょ、ちょっと律さん!」
私は慌てて律さんの首にしがみついた。
「びっくりした?でも、こうすれば少しは温かいでしょ?」
そう言って律さんは、濡れた私の身体を優しく抱えたまま、プールサイドを歩く。
周囲の人がちらちら見てくるのが恥ずかしくて、私は顔を埋めた。
「もう……恥ずかしいよ、律さん……」
「恥ずかしがる千尋も可愛い。」
さらりとそんなことを言うから、また心臓が跳ねた。
「部屋戻ったら、ちゃんと温めるからね。」
律さんの低くて優しい声に、体の芯から熱くなる。
──濡れた肌に、律さんのぬくもり。
私はぎゅっと律さんを抱きしめた。
律さんの体も、プールで冷えている。
「律さんも、温めてあげるね。」
そう言うと、恥ずかしくて律さんの顔を見れなかった。
「あっ、大丈夫。」
律さんは、明るく否定する。
「俺、千尋を見るだけで、心も体も熱くなるんだ。」
「もうっ!」
こんなふうに、愛されてるって実感できる時間が、何よりの“新婚旅行”の贈り物だった。
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**********
►Attention
※他サイトからの転載(2018/11に書き上げたものです)
※表紙は「かんたん表紙メーカー2」様で作りました。
※※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
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