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第2話 嘘の始まり
②
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「どうして、今回お見合いを?」
「そうですね。」
信一郎さんは、考えている。
もしかして、相手が芹香だったから?
「あっ、もし答えにくい事でしたら……」
「いえ。理由はいくつかありまして、一つは仕事が一段落したからでしょうか。」
「社長さんですものね。お仕事、大変ですよね。」
芹香だったら、持ち前の明るさで、信一郎さんを支えてあげられそう。
「僕は35になるんですが、今まで仕事一筋で恋愛という恋愛は、してこなかった。だから、お見合いをして、そろそろ身を固めようかなと。」
「そうですか。」
結婚。そうだよね。
お見合いって言ったら、結婚も付いて回るよね。
「後は、率直に社長令嬢って、どんな人なのか興味ありましてね。」
「社長令嬢……」
息をゴクンと飲み込んだ。
私、上手くご期待に添えられているかな。
「今日、来てよかったと思っています。芹香さんのような、素敵な人に出会えて。」
私は、ふと信一郎の方を見た。
真剣な瞳で、私を見ていてくれている。
10歳も離れているって言うのに、私の事ちゃんと一人の人間として、扱ってくれている。
なんて、素敵な人。
もし、芹香の代わりに今日来なかったら、信一郎さんとも出会えなかった。
「私も……今日来てよかったと思っています。」
「芹香さん……」
ごめん、芹香。
断るのが今日の目的なのに、私断れない。
だって、信一郎さんにもう一度会いたい。
お見合いを断って、本当は私、礼奈ですって言って。
小さな町工場の娘ですって言ったら、2度と信一郎さんに会って貰えない。
「どうしたんですか?」
「えっ?」
信一郎さんに見つめられ、ドキッとした。
どうしよう私。
今日会ったばかりの信一郎さんに、こんなにドキドキしている。
「……ああ、今日のお見合い、どう思われるのかなって考えてしまって。」
すると信一郎さんは、私の肩をポンと叩いた。
「気にしないで下さい。悪いようにはしません。」
「……はい。」
この調子だったら、信一郎さんにお見合い断られるかもしれない。
でもよく考えて、礼奈。
当然の結果じゃない。
私は芹香じゃないんだし。
信一郎さんの目にも、魅力的には映っていないはずよ。
「逆に、芹香さんはどうでしたか?」
「私は……」
そのまま信一郎さんを見つめてしまった。
また、会いたい。
このままで、終わらせたくない。
「私は、信一郎さんをとても素敵な方だなって、思いました。」
「それは有難う。」
私ははにかみながら、うつむいた。
「僕も芹香さんの事、素敵な人だと思っています。どうでしょう。お互い気に入っているのであれば。」
「はい……」
顔を上げると、信一郎さんは私の顔を覗き込んだ。
「そうですね。」
信一郎さんは、考えている。
もしかして、相手が芹香だったから?
「あっ、もし答えにくい事でしたら……」
「いえ。理由はいくつかありまして、一つは仕事が一段落したからでしょうか。」
「社長さんですものね。お仕事、大変ですよね。」
芹香だったら、持ち前の明るさで、信一郎さんを支えてあげられそう。
「僕は35になるんですが、今まで仕事一筋で恋愛という恋愛は、してこなかった。だから、お見合いをして、そろそろ身を固めようかなと。」
「そうですか。」
結婚。そうだよね。
お見合いって言ったら、結婚も付いて回るよね。
「後は、率直に社長令嬢って、どんな人なのか興味ありましてね。」
「社長令嬢……」
息をゴクンと飲み込んだ。
私、上手くご期待に添えられているかな。
「今日、来てよかったと思っています。芹香さんのような、素敵な人に出会えて。」
私は、ふと信一郎の方を見た。
真剣な瞳で、私を見ていてくれている。
10歳も離れているって言うのに、私の事ちゃんと一人の人間として、扱ってくれている。
なんて、素敵な人。
もし、芹香の代わりに今日来なかったら、信一郎さんとも出会えなかった。
「私も……今日来てよかったと思っています。」
「芹香さん……」
ごめん、芹香。
断るのが今日の目的なのに、私断れない。
だって、信一郎さんにもう一度会いたい。
お見合いを断って、本当は私、礼奈ですって言って。
小さな町工場の娘ですって言ったら、2度と信一郎さんに会って貰えない。
「どうしたんですか?」
「えっ?」
信一郎さんに見つめられ、ドキッとした。
どうしよう私。
今日会ったばかりの信一郎さんに、こんなにドキドキしている。
「……ああ、今日のお見合い、どう思われるのかなって考えてしまって。」
すると信一郎さんは、私の肩をポンと叩いた。
「気にしないで下さい。悪いようにはしません。」
「……はい。」
この調子だったら、信一郎さんにお見合い断られるかもしれない。
でもよく考えて、礼奈。
当然の結果じゃない。
私は芹香じゃないんだし。
信一郎さんの目にも、魅力的には映っていないはずよ。
「逆に、芹香さんはどうでしたか?」
「私は……」
そのまま信一郎さんを見つめてしまった。
また、会いたい。
このままで、終わらせたくない。
「私は、信一郎さんをとても素敵な方だなって、思いました。」
「それは有難う。」
私ははにかみながら、うつむいた。
「僕も芹香さんの事、素敵な人だと思っています。どうでしょう。お互い気に入っているのであれば。」
「はい……」
顔を上げると、信一郎さんは私の顔を覗き込んだ。
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