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第16話 慰謝料
①
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それから、3日ほど経った頃だ。
芹香が、今すぐに会いたいと言ってきたので、仕事が終わってから、芹香と外で会った。
いつも夜の時間に会う時は、芹香の家で会っていたのに、今日は家はまずいと言う。
お店に入って、どうしたの?と聞くと、芹香は青い顔をしていた。
「まずいの。礼奈が私の代わりになっていた事、お父さんにバレたみたい。」
「えっ⁉」
「正式に、信一郎さんからお見合いの断りが入ったみたいなの。」
そう言えばこの前、お見合いを断ったって、信一郎さん言っていた。
「そこで、いろいろ聞いちゃったらしいんだよね。」
「私が、芹香の代わりになっていた事を?」
「そう。」
芹香は、頼んだ生ビールを一気に飲み干した。
「てっきり私と上手くいっていると思っていたみたいだから、すごく怒られて。」
「ごめん。」
私は芹香に、頭を下げた。
「いいのよ。でも、私もいろいろ聞かれてね。」
「どういう事聞かれた?」
「礼奈の事を聞かれたけれど、知らないって言っておいた。」
安心したのは、芹香のお父さんに、私も怒られると思ったから?
「でも、黒崎さん。思い切った事をしたわよね。」
「えっ?」
「お父さんに、他の家のお嬢さんと結婚しますって言ったらしいわよ。」
ドキッとした。
「それって、礼奈の事で合ってる?」
「たぶん。」
この前、結婚したらいいよって、言ってくれたけれど、それはプロポーズだったのかな。
「んもう!そんなところまで、話は進んでるの?」
ビールをお代わりした芹香は、私の話に酔ってるみたいだ。
「社長に見染められて、結婚かぁ。玉の輿だね。」
芹香は、うっとりとしている。
「芹香だって、社長と結婚できるじゃない。」
「家が決めた結婚は、嫌なのよ。あーあ。私も見染められたい。」
本日2杯目のビールを飲み干して、芹香は頬杖をついた。
「でも、そういう理由で、家はダメだったんだね。ごめんね。」
「いいって。私もたまに外で飲みたいし。」
私の事を気遣ってくれたなんて、芹香は優しい。
「それよりも、今後どうなるの?」
私は一番気になった事を、芹香に聞いてみた。
「どうなるって、信一郎さんは私との結婚を断ったんだもの。それだけよ。」
「それだけかな。」
私は、ちょっと不安になっていた。
芹香は、おつまみのポテトを口に入れる。
「何が心配なの?」
「芹香のお父さん、何かしてこないかな。」
「うーん。」
芹香は一生懸命、考えてくれている。
「今のところは、分からない。」
「そうだよね。」
第一、信一郎さんに結婚を断られたって、芹香の家なら結婚話は腐る程あるだろうし。
「ただ、お父さんがこの結婚、乗り気だったのは確かなのよね。」
「えっ?」
「ほら、偽の私だったとしても、上手くいっているって言う話を聞いていたからじゃない?」
「そんな!」
私が芹香の代わりをした事で、裏でそんな事になっていたなんて。
「今まで結婚を断っていた私が、今回の結婚は乗り気。でも、結婚は相手から断られた。なぜうちの娘が⁉って事になってるかも。」
「どうしよう。」
「どうしようって言ったって、黒崎さんは礼奈としか、結婚する気ないんだもんね。」
嬉しいような、騒がしい話。
何かあったら、信一郎さんに何て言おう。
「そんなに、黒崎さんと結婚したいんだ。」
芹香が、今すぐに会いたいと言ってきたので、仕事が終わってから、芹香と外で会った。
いつも夜の時間に会う時は、芹香の家で会っていたのに、今日は家はまずいと言う。
お店に入って、どうしたの?と聞くと、芹香は青い顔をしていた。
「まずいの。礼奈が私の代わりになっていた事、お父さんにバレたみたい。」
「えっ⁉」
「正式に、信一郎さんからお見合いの断りが入ったみたいなの。」
そう言えばこの前、お見合いを断ったって、信一郎さん言っていた。
「そこで、いろいろ聞いちゃったらしいんだよね。」
「私が、芹香の代わりになっていた事を?」
「そう。」
芹香は、頼んだ生ビールを一気に飲み干した。
「てっきり私と上手くいっていると思っていたみたいだから、すごく怒られて。」
「ごめん。」
私は芹香に、頭を下げた。
「いいのよ。でも、私もいろいろ聞かれてね。」
「どういう事聞かれた?」
「礼奈の事を聞かれたけれど、知らないって言っておいた。」
安心したのは、芹香のお父さんに、私も怒られると思ったから?
「でも、黒崎さん。思い切った事をしたわよね。」
「えっ?」
「お父さんに、他の家のお嬢さんと結婚しますって言ったらしいわよ。」
ドキッとした。
「それって、礼奈の事で合ってる?」
「たぶん。」
この前、結婚したらいいよって、言ってくれたけれど、それはプロポーズだったのかな。
「んもう!そんなところまで、話は進んでるの?」
ビールをお代わりした芹香は、私の話に酔ってるみたいだ。
「社長に見染められて、結婚かぁ。玉の輿だね。」
芹香は、うっとりとしている。
「芹香だって、社長と結婚できるじゃない。」
「家が決めた結婚は、嫌なのよ。あーあ。私も見染められたい。」
本日2杯目のビールを飲み干して、芹香は頬杖をついた。
「でも、そういう理由で、家はダメだったんだね。ごめんね。」
「いいって。私もたまに外で飲みたいし。」
私の事を気遣ってくれたなんて、芹香は優しい。
「それよりも、今後どうなるの?」
私は一番気になった事を、芹香に聞いてみた。
「どうなるって、信一郎さんは私との結婚を断ったんだもの。それだけよ。」
「それだけかな。」
私は、ちょっと不安になっていた。
芹香は、おつまみのポテトを口に入れる。
「何が心配なの?」
「芹香のお父さん、何かしてこないかな。」
「うーん。」
芹香は一生懸命、考えてくれている。
「今のところは、分からない。」
「そうだよね。」
第一、信一郎さんに結婚を断られたって、芹香の家なら結婚話は腐る程あるだろうし。
「ただ、お父さんがこの結婚、乗り気だったのは確かなのよね。」
「えっ?」
「ほら、偽の私だったとしても、上手くいっているって言う話を聞いていたからじゃない?」
「そんな!」
私が芹香の代わりをした事で、裏でそんな事になっていたなんて。
「今まで結婚を断っていた私が、今回の結婚は乗り気。でも、結婚は相手から断られた。なぜうちの娘が⁉って事になってるかも。」
「どうしよう。」
「どうしようって言ったって、黒崎さんは礼奈としか、結婚する気ないんだもんね。」
嬉しいような、騒がしい話。
何かあったら、信一郎さんに何て言おう。
「そんなに、黒崎さんと結婚したいんだ。」
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